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引退魔王道中記  作者:
1/3

魔王は死んだんです

「ぐあァァァァァァ!!!!おのれ勇者めっ!!!!!!おのれェェェェェェェェェェ!!!!!!!!」


魔王城の王座の間では今まさにクライマックスの瞬間を迎えていた。

正面突破と言わんばかりに城に堂々と乗り込んできた勇者は向かってくる敵を片っ端から倒していき、やがて城にいるのは魔王のみ。

最初は余裕の笑みを浮かべていた魔王だがところがどっこい、勇者マジ強い。

巨体からでる剛力とバカ魔力に物言わせて頑張ってたけど最後は勇者が持つ聖なる輝きを放つ剣に胸を貫かれて終わり、負け惜しみみたいなこと言いながら魔王は体が粒子となって消えていった。

勇者は安堵したように「やっと元の世界へ帰れる…」とか呟きながら城を後にした。




しばらくの間、静寂があたりを支配していたがやがて誰もいないことを確認しつつ王座の影になっている場所から1人の女がよいしょよいしょと出てきた。

その女――――――つまり私は作戦成功と言わんばかりにニヤリと笑った。

え?お前誰だって?

最初から言っているでしょ、この城にいるのは魔王のみだって。


つまり私が本当の魔王なのです。

あっ、正確には魔王今やめましたけど。

両手を擦り合わせて南無南無と先程消滅した"影武者魔王くん人形"の冥福を祈る。

1週間かけて創った力作だったから壊されたのは悔しいけど自由と引き換えなら安いものだ!!

これで皆魔王は死んだと思うはず、まさか本物の魔王がこんなかわいいレディーだとは思わないでしょう。

魔王として生まれてはや3年、ちょっと変わった誕生の仕方をしたせいか生粋の魔王らしい欲望も邪心も持てなかった私には魔王とか重たすぎてやってられません!!

私が望むのは自由気ままな生活、ただそれだけです。

さてさてこんな廃城に用はないので影魔法・転移を発動させて離脱することにします。

影にダイブしながら私は世界に、そして何より自分に向かって宣言します。

魔王としての私は死んだんです…だからこれからは立場にも何にも囚われず自由に生きてやる!!!




*魔法説明*

影魔法

影に魔力を通すことで自在に動かしたり、実態をもたせたりできる。また影同士をつなげることによってトンネルのように移動できるので意外と便利な魔法。ただし攻撃力には欠ける。

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