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第八声‥僕が生きた最後の年
僕が生きた最後の年は、
春は暖かく、
夏は爽やか、
秋はもの悲しくて、
冬はまだ知らない。
こうして僕の思いを綴る手も、だんだんと重たくなっていく。
今日は綺麗な紅葉を風が運んできてくれた。
こんなに綺麗だけど、もう散ってしまった命なんだね。
僕もこうやって、散って行くのかな。
そうして、またばらばらになって、世界の欠片となるんだ。
今だってそう。
僕も君も、世界の欠片なんだ。
僕はそれを拒めない。
けど、嘘を吐いたら、君はきっと怒るよね。
だから、本当の事を書こう。
僕はね、幸せだった。
毎日がきらきら輝いて、眩しくて、楽しかった。
生きたい。
まだ、生きていたいよ。
君と一緒に居たかった。
僕は最期まで君と居られるけれど、君の最期に僕は居ない。
生きたい。
生きたい。
僕は、僕のままでいたいーー。




