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第五声‥僕が生まれて十五年目の夏
僕が生まれて十五年目の夏は、台風が多かった。
空は暗く、嘆き悲しむように泣き続ける。
「どうしてそんなに悲しいの?」
尋ねた僕に、返る声は無かった。
荒れ狂う季節の中、君だけが変わらず僕の側にいた。
僕はいつも、君の事を見ていたよ。
でも、君は僕を見てくれなかった。
変わらず……。
いや、本当は君だって日々変化していたんだ。
毎日何かが少しずつ変わっていく。
そうして重なった変化は、僕らに何をもたらすのだろう。
あるいは、奪い去って行くのだろうか。
この夏。
僕らの変化の結晶が、見つかった夏だった。




