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檸檬  作者: 附和 実咲


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春

実家を出て初めての一人暮らし

ああだこうだ、なんやかんやら

あったり、なかったりの

10代の生活エトセトラ

 実家の家族が帰ってから数日、ハルの3回目の夕食が始まった。


ごはん、みそ汁、納豆

納豆の代わりに生卵をかけるか、


そんな質素なものだった。


家事も大してしたことがない、電車で5,6時間かけての地で一人暮らしなんて、思い切ったものだと自分でも思う。


食事がこんなにも苦行でさびしいものだなんて思わなかった。


なんともなしにテレビをつけ、にぎやかな音に癒される。


作業と化した食事を胃へ流し込み、食器をシンクに置き、枯れた花にかけるように水をやる。


テレビはつけっぱなし、風呂を済ませ、折り畳み式ベッドで横になる。


家具も家電も新品、1Kの築浅マンションの2階


なんて贅沢な住環境に囲まれている私


数日後には入学式、勉強して受験して受かって、望んで手に入れた生活がもうすぐ始まる。


それなのに始まる前から、緊張感もあるのか、ダウンしそうです。


 入学式は正直覚えていない。知らない人たちと一緒に儀式的なことをしただけと認識がある。


帰り、駅までのスクールバスには乗る気にはなれず、慣れないスーツにヒールの靴を履いたまま、坂道をくだる。


酔いそうでつらい


しばらくすると足は悲鳴をあげるも、心は穏やかになってきた。

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