表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/99

021 天乃さんと運命の人

 ぱち、と音がして、二人はモニタに向きなおる。

 映っていたシークバーが消えて、灰色の検索ボックスに切り替わった。


「やっと立ち上がったわね、ええと……」


 かたんかたんとキーボードを弾くセキレイ。傍らに貼られている変換表を見ながら、交通省のページへのコマンドを入力。

 しばらく経って、ようやくページが表示された。


 ころころとマウスを転がしながら、航空機使用率の統計データを探す。項目がずらりと並んでいて、まるで文字の海のよう。

 

「……もう少し整えたくなるわね。そう思わない?」


「わかる、見ているだけで目が痛くなる。――変わろうか?」


「もう少し頑張るわ。多分だけれど、その後にお願いするかも」


「わかった」


 セキレイは目をぱちぱちと瞬いて、姿勢を直した。

 白いまつ毛から目を引き剥がし、後ろを振り返れば、本棚の隙間からティトたちが見える。

 何冊か本を抱えたティトの側で、脚立に乗ったカラが背表紙を選んでいた。確かに、お似合いの二人である。


「――そういえば、最近よく一緒になるわよね。……登下校の時は抜きにして」


 画面から目を離さずに、セキレイが小声で言った。

 話しても向こうには聞こえないと踏んでいたので、イスカも頷いて続ける。


「なんでだろうな……ならないように意識しているのに」


「そういうのって、コントロールできないものなのかもしれないわね。運命みたいに」


 思わず口をつぐんだイスカに、セキレイがいたずらっぽく微笑む。

 

「ということはある意味、下地くんは運命の人ね」

 

「……僕じゃなかったら勘違いしそうな言葉だな」


「あら、勘違いではないかもしれないわよ?」


「――もしそうなら、友達は皆、運命の人だろう」


「そうね。友達になる運命だった人だもの」


 ――それじゃあ交代、後はよろしく。

 ふふ、と笑って、セキレイは背伸びした。

 





 使用率内訳、と書かれた紙に、つらつらと情報を記していく。

 一位、戦闘機。

 二位、爆撃機。

 三位、攻撃機。

 四位、輸送機。

 

「まぁ、予想通りだわなー」


 ティトが椅子にもたれかかって呟いた。

 授業も二回目。前回の調べた結果をまとめているのだが、イスカとセキレイが調べた最新の統計も、ティトとカラが持ってきた過去の統計も、相変わらずこの結果。戦時中の生産量を反映したものだった。


「そもそもの供給源が余剰機体や中古機ですし、数年では変わりませんよね」


 これも考察で使いましょう、とカラはすかさずメモを取る。


「じゃあ、次はそれぞれの機種で人気の機体ね。これは一人ずつ分担して調べるのがいいと思うのだけど」


「そうしましょう。皆さん希望はあります?」


「――なら、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど」


 いつもは一歩引き気味だからか、びっくりした顔が三つ、イスカを見た。

読んでいただき、ありがとうございますっ!


励みになりますので、★評価や感想を頂けるととても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ