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天乃さんと、放課後エアライン 〜クラスの白髪碧眼美少女は、二人のときだけカワイイところを見せてくれる。二人乗りから始まるじれ甘な空の旅〜  作者: そらいろきいろ
第4便 飛行機とグループワーク

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19/99

019 天乃さんと予期せぬ接点

 「今回から四人一組でグループワークをしてもらう。内容は『先の大戦に関すること』、それを守ればテーマは自由だ」


 歴史の教師がチョークを振るう。

 黒板に大きく踊る内容を見て、イスカは唇を噛んだ。

 幼き日のトラウマ、炎上する機体。

 

 ――思い出したくもないことを……!


 とはいえ授業ならば仕方がない。心に蓋をし平静を装う術は、生きてきた十年ちょっとの間に習得済みだ。

 無心でこなそうと決意するイスカ。


「さて、グループのメンバーだが――」


 その一声で、クラス――特に男子――の空気が変わった。

 教科書の陰、誰かの背中越し、チラ見やガン見、あらゆるところからの視線が一人に集中する。

 

 ――天乃セキレイと一緒のグループになりたい……!


 近くでその視線に気付いたカラがため息をついた。

 イスカはというと……少しだけ視線を向けた。

 そんな教室の空気には全く気付かず、教師の話は続く。


「――出席番号順もクジ引きも他の授業でやっているだろうし、ここはいつもと違うメンバーでやってみようじゃないか。今回は横一列の机、四人ずつで組みなさい」


 ――ぴし、と空気が割れる音がしたような。

 

 少し間が空いて、皆が指を動かしたり席を立ったりして、自分のグループを探し始める。

 自分のグループはどうやらティトが一人目らしく、少し安堵するイスカ。ティトの隣のイスカは二人目。通路を挟んで三人目がカラ、そして最後の四人目は。


 ――天乃セキレイ。


 ……とうとう皆の前でセキレイとの接点ができてしまった。しばし固まるイスカ。

 ちらっとセキレイを見ると、あらら、とでも言いそうな顔をして口元を押さえていた。

 

 (ラッキィだな、イスカ)

 

 ティトがにやつきながら脇腹を小突く。

 黙って小突き返すがそれよりも……。

 痛い。男子勢からの、なんであいつが、という視線が痛い。しかもティトは交友関係が広いからか見逃されている気がするし。

 イスカは気付かないふりをして、そそくさと机を動かした。






「……それで、テーマはどうするよ」


「戦争関連なら、開戦のきっかけとか各国の動向、あとは戦時中の生活あたりがよくあるテーマですね」


 手帳にすらすら、カラがペンを走らせる。


 世界全土を巻き込んだ、十年前の「大戦」。

 様々な国の思惑が絡み合い、あらゆる土地が焦土と化し、世界人口のおよそ半数が犠牲となった、人類史上最大の世界大戦。


 終戦後の国際協力や復興政策により、現在は不自由のない社会が実現されてはいるものの、いまだに戦争の爪痕は風化していない。

 それがイスカたちの住む世界の現状であった。


「戦時下の食事とかいいんじゃないか? 俺たちも産まれてはいたが、小さい頃の飯なんてあまり覚えてないし」


「確かに。でも他のグループと被りそうな気もしませんか?」


「ありきたりではあるか……イスカは何かあるか?」


「……戦前と戦後で変わったものとかはどうかな。具体的には思いついてないけど」


 ほう、と感心した顔をするカラ。


「いいですね、現代の生活と結びつけられるテーマだと評価も高くなりそうですし」


「――それだったら、飛行機なんてどうかしら?」


 楽しそうに、セキレイがぱん、と手を合わせた。

読んでいただき、ありがとうございますっ!


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