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異世界人は勇者を召喚した

「俺達に隷属魔法は効かないって言ったのは「ダマレ!」⋯⋯」

あんた達だろ、という言葉は続かなかった。

「ご苦労だった()勇者達よ。」

「自分達のコマが相手に取られないようにするのは当たり前だが、逆らわないようにするのも当たり前だろう?」

「君たちはよくやってくれたよ。この世界を侵略しようとする我々に対して抑止力として逆に送り込まれた魔王(世界の守護者)を倒してくれた。」

「奴は我々に対して無敵だが⋯⋯予想通り、君たち護るべき者を傷付けることはできなかったようだ。」

「しかも、言いつけ通り翻訳機のピアスを外さなかったおかげで魔王が告げた真実も君たちには届かなかった!!」

「その褒美に君たちはこの世界を絞り尽くすまでの管理者にしてあげよう。」

「まあ、首輪で身体の自由は奪わせて貰うがね?」







魔王と魔王が生み出す魔族は強力な力を持っていてこの世界の人類で勝つことはできない。なぜならこの世界を止める為に生まれた存在だからだ。

各国の神殿に祀られた神具などただ頑丈な武具というだけで魔族、ましてや魔王相手には何の役にもたたない。

そうして、打つ手なしと判断した異世界人は異世界(魔王を生んだ世界)から勇者を召喚することにした。


そして、呼び出す対象をまだ精神が成熟していない若者に絞って勇者召喚が行われた。

魔王により滅びの危機に瀕している、と

異世界からきた勇者達には強大な力が与えられている、と

魔王はそちらの世界にも向かうかもしれない、と

勇者達を焚きつけたのだ。



勇者たちはよくやってくれた。

こちらの言い分を信じ込み、何の力もない神具を集め、魔王(じゃまもの)を倒してくれた。


その後、勇者たちは役割を終えて元の世界に帰り隷属の首輪により異世界人の奴隷へと堕とされた。





はるか昔⋯⋯

この世界の人類は争いとともに発展し資源を喰らい尽くし手詰まりかと思われたところで偶然、異世界の観測に成功した。

そして、足りないならばあるところから奪えばいい、と異世界へと渡る手段を研究し⋯⋯


人類が滅びる寸前で開発に成功してしまった。




それからは自分達と同じように人類が存在し、しかし自分達よりも弱い世界を探し侵略し隷属させ資源を奪い尽くし滅ぼすことで発展を繰り返してきた。


その結果、今まで滅ぼしてきた世界の遺志と侵略を受けた世界の抵抗により抑止力として生まれ落ちたのが魔王と呼ばれた存在であり、この世界の人類だけを滅ぼすための存在だった。


しかし、異世界から召喚された純朴な勇者たちはなにも知らず⋯⋯なにも知らされずに魔王(世界の守護者)を討ち滅ぼし、自ら世界の全てを滅ぼしてしまったのだった。

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