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勇者は魔王を討伐し元の世界に帰った

「ーーーーー!ーーーーー!?」

「なんて言ってるかわからないが、今更命乞いかな?」

「この世界の人達のためにも私たちが元の世界に帰る為にも!」

「ーーー?ーーー!?」

「これでトドメだ!」

「ーーーーーーーー!?」

魔王の断末魔が響き渡り、魔王に生み出された魔族達の身体が崩れていく。

こうして異世界より召喚された勇者とその仲間により魔族とそれを生み出す魔王は滅び、異世界に平和が訪れた。



約半年前

「うわぁっ!?どこだよ⋯⋯ここ」

「足元が光ったと思ったらなに?これは夢?」

「ボソボソ⋯⋯(フヒヒ、まさかの異世界召喚!!テンプレならチート確定!!ボクの時代がキター!)」

勇者とその仲間達は異世界人により召喚された。その際により人類を超越した能力を与えられ訓練によって能力の扱いを身に付け、世界中の国の神殿に祀られた神具を授かりそれによって魔族を蹴散らし魔王を討伐し魔王軍を滅ぼした。



普通ならば突然拐われて魔王を倒せと言われて誰が従うだろうか、

しかし、呼び出されたのはまだ純粋な少年少女、異世界とはいえ人類の危機と言われれば同情する。

そして全てが終われば元の世界に帰してやる、という約束を信じて最後まで戦い抜いたのだった。


魔王を討伐した勇者パーティは魔王討伐のパレードと神具の返還の為に世界中の国を訪れることになり元の世界への帰還はそれだけ先延ばしされ、いよいよ最後の国、勇者達を召喚した国でのパレードが終わり神具を神殿に返した。

「これで元の世界に帰れるな!」

「お父さんお母さん⋯⋯もう少しだから待ってて⋯⋯」

「フヒヒ、ボクは別に帰らなくてもいいんだけど⋯⋯」

「そんなこと言うなって、お前だって家族はいるだろ。

それに、今のお前なら学校でも多分モテるぞ。」

「フヒッそうかな?」

「その気持ち悪い笑いをやめたらな⋯⋯」

軽口を叩きながら元の世界に返す為という魔法陣の光に包まれた。


「なんだよ⋯⋯これ⋯⋯」

「うそ⋯⋯」

「騙された?⋯⋯」

目の前に広がるのは懐かしい風景。ただ違うのは誰もが首輪を着けられてまるで奴隷のように異世界人風の人物達に従っていること。


茫然とする勇者達の首元からカチリと音がした。

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