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水族館で鬼ごっこ

作者:川光俊哉
林芙美子文学賞 最終候補作品
三田文学新人賞 最終候補作品

 わたしは体調が悪い。ずっと、眠くてだるい。それが、死ぬほど苦しい、たおれそう、寝こんでいるような病気ではなくて、微妙な感じで他人に通じないのがいやだ。
 水族館で、わたしは、ペンギンを見ながら彼氏のセミとわたしの関係を思う。
「水族館の生きものって、本当に生きものなんだよね、ただの。生きてるだけ、最短距離で。ペンギンとか、実はかわいくないんだよね。じっとしてる。野生の生きものは本当に合理的で、むかつくくらい合理的で、生きるのに最短距離なんだ。交尾、セックスだって愛してて気持ちいいからじゃなくて、ただ、子孫をふやそうっていう本能から、やってるだけ」
 わたしは、セミに、誰でもいいけど、愛されたい。 
 そうじゃなければ、水族館の動物になりたい。溶けてる、ちがう、おしっこもらしてる。下っ腹の激痛は、やっぱり血尿だろう。人間のにおいがする。これを全部出し切れば、体は治って、ペンギンになることもできるだろうか。
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2021/11/06 14:51
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(7)
2021/11/06 20:13
(8)終
2021/11/06 20:15
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