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第二十六話 苦い勝利

「つっかれたぁ」


 猿の鼓動が止まったと同時に陣形効果も時間切れとなった。五百人を転移させた疲労が一度に流れ込んでくる。


 味わったことの無いほどの疲労感。当然、胃はひっくり返り、視界もぼやける。おまけに耳鳴りと頭痛に襲われる。


 あまりの疲労感にふらついた俺を桃色の頭が支えてくれる。人の温度に安心したのかほんの少し楽になる。

 ゆっくり腰を落とし横になると桃色の頭が心配そうに俺の顔を覗きこむ。


「ありがとう。アリシア」

「お礼を言うのは私です。本当にありがとうございます」

「なにも聞かずに行動してくれた。国民に納得してもらいひとりで五百人弱を誘導する。なかなか出来ることじゃない」


 頭を撫でられながらアリシアの行動を評価する。


「トローシャって他にもいるのかな?」

「いるよ。さらに言えばトローシャクラスの魔物は他にもいるねぇ」

「レイルか、さっきはありがとう。よく俺の考えがわかったな」

「勝ち筋が他に無かったからねぇ、後々のことを考えるとネアちゃんのスキルがベストだったろうけど」

「ネアは動ける状態じゃなかった。ベストな動きだったよ。──それにしても化け物がまだいるなら考えないとな」

「訓練どうこうで、どうにかなるもんでもないよ? 毎回あんちゃんが戦うのも現実的じゃないし、二体同時に出たときには──死しかないねぇ」

「クク国は襲われていないんだ。何かカラクリがあるはず。それにレイルはトローシャの存在を知っててついて来たってことは活路があるんだろ?」

「俺様は何にも考えてないだけよ」


 いつも通りへらへらと笑うレイル。


 次回の侵入時に城を調べてみよう。あとは外壁の強化だな。石材を多用し強度を上げよう。

 元々ネアが外壁を作ったので基本的には木材てできている。


「ネアとナディンは無事か?」

「ネアちゃんなら意識はないけど、死ぬような状態じゃないよ。ナディン坊は分からないねぇ」

「ナディン殿は無事ですよ。歩ける状態じゃありませんがね」


「パパトか、よかった。ひとまず回復を優先しよう」

「備蓄庫は開放したので、しばらく民が飢えることはありません」


 災害があったときのために食料を備蓄し始めたのだがこんなに早く出番が来るとは思ってもみなかった。保管量も知れている、一週間も保たず空になるだろう。


 明日こっそり食料調達に行こう。


「ひとりで食料調達に行くつもりでしょう? ダメですよ」

「なぜばれた」

「転次郎さんは自由だとか言いながら他人のことをずっと気にしてますからね。これはボヘミアの民に与えられた試練です。みんなで解決しましょう」

「そうだな。みんなで頑張ろう」


 俺が納得すると、桃色の髪をフワッと動かし可愛く笑う。



 国内に戻ると感謝の声が出迎えてくれた。

 一方、影で泣いているものもいる。被害者の遺族だろうか。クク国を出るとき魔物の存在・危険性を知った上で自身に選択してもらった。選んだのは彼らだ、だがやはり責任を感じてしまう。

 


 こうしてボヘミア始まって以来の大事件は幕を閉じた。

面白くなりそう!

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