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第十四話 スキル変異

「冗談だろ、おい」


 マンティスが子犬に思えるほどの、威圧感を放つ二体のウルフィル。四つん這いで三メートル程度の高さを持つ魔物が、唇の端をニヤリとあげる。口元から溢れる粘度の高い液体は、地面まで垂れ下がっている。


 距離も二十メートル程度とかなり近く。隔てるものが何も無い平原。マンティスに気を回しすぎたか、また逃げるしか──


 判断を迷った一瞬。ネアとアリシアを狙い二体のウルフィルが駆け出した。二人の間には車二台ほどの距離がある。インターバルを考慮すると二人を転移で回収し逃亡するのは不可能。



 ──嫌な記憶がよみがえる。

 バックパックひとつで旅を初めたときだ。

 細い木でできた骨組みに、トタン屋根を被せ、壁は布を垂れさげただけの家が並ぶ、貧しい国の小さな町。


 俺は財布を盗まれた。

 食うこともできず、行き倒れていた俺を救ってくれたのは、ひとりの少女だった。

 あばら骨が数えられるほど、痩せこけた少女が笑顔でパンを分け与えてくれたのだ。


 パンはカビていたが、不安、孤独、空腹をパンで満たしてくれた。

 そこから何とか這い上がり、二日後、お礼のパンをもって俺は少女を訪ねた。少女の喜ぶ顔が目に浮かぶ。今度は肉も持ってこよう。いや、野菜が必要か?


 鼻唄まじりに少女を探すが見あたらない。並ぶ家々は隙間だらけで中を伺えるが見あたらない。

 そしてふと、ごみ溜めに視線を向けると────二日前の姿で捨てられていた。

 病院に運んだが外傷はなく、死因は餓死だった。


────

──


 人は弱い。強く気高い心を持っていても、簡単に命を失う。────だからせめて、手の届く命は俺が。



 ネア、アリシアのどちらかを助けて、基地に戻ることは可能──なわけがない。


「あんちゃん!」



 二度と使えなくなってもいい!

 助ける力を俺に!


──────────────

──────────────


 スキル変異『転移』を『陣形』へ

 【能力】

 ・仲間の位置を変更

 ・仲間の位置、量により陣形効果を自身に付与

 【制限】

 ・自身に対する転移は一切不可の条件制限

 ・一日五度の回数制限

 ・位置変更は見える範囲に限る条件制限

 ・スキル『転移』の一切を制限

 ・体力使用の条件制限


──────────────

──────────────


 『陣形─長蛇の陣』

 一直線になるようネアとアリシア、レイルを俺の後方へ転移する。

 一点突破の超攻撃陣。身体に力がみなぎってくる。


「さて、ケリをつけようか」

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