ざまぁやってる場合じゃない! ~アタシと夫の愉快(?)な黒幕日和~
弟は父親から“騎士王”の称号と玉座、そして円卓の騎士という忠臣を受け継いだ。なのに姉の自分には何もない。母親も弟ばかりを溺愛する。誰も自分を必要としていない。
だから――奪うことにした。
与えられないのならば、奪えばいい。自分がこの国の支配者となってやる。
……まぁ、企みは全て失敗したのだが。それも、たったひとりの騎士のせいで。
ならば。いっそのこと、その騎士を誑かして手札にしてしまえばいい。都合の良いことに、その騎士は円卓に座しながらも王や他の円卓の騎士たちとは不仲である。
そんな男は今日もひとり、夜遅くまで書類仕事とにらみ合い。これ幸いとさっそく愛を囁いてみるが、男の返答はあまりにも想定外のモノだった。
「この国、えらい赤字まみれやで?」
「ファッ!?」
だから――奪うことにした。
与えられないのならば、奪えばいい。自分がこの国の支配者となってやる。
……まぁ、企みは全て失敗したのだが。それも、たったひとりの騎士のせいで。
ならば。いっそのこと、その騎士を誑かして手札にしてしまえばいい。都合の良いことに、その騎士は円卓に座しながらも王や他の円卓の騎士たちとは不仲である。
そんな男は今日もひとり、夜遅くまで書類仕事とにらみ合い。これ幸いとさっそく愛を囁いてみるが、男の返答はあまりにも想定外のモノだった。
「この国、えらい赤字まみれやで?」
「ファッ!?」
前編
2021/06/16 00:23