【花咲き揃う約束】
ヒュッケバイン・フェアヴァンテ。それは蒼凰の魂を引き継いだ、兄妹の絆の機体である。
巨鳥型特殊攻撃戦闘機フィルマメントを構成する素材には、ブレセスト同様に、廃棄された機体の残骸を再生利用している。
フィルマメントに搭載されている主機は、ゲシュペンストに使用していた量子エンジン、蒼凰に搭載されていた光子エンジン、コンバーター一体型の簡易型魔力縮退炉の三基となる。
補機は合身中のブレセストのパワーパックが務めることになるため、フェアヴァンテは四種類の動力炉を持つカルテットドライブ機となる。その制御は人間ではもはや困難であるため、当然のように並列型量子コンピューターによるミズキの支援を受けている。
量子エンジンが機体挙動、光子エンジンが変形機構、縮退炉が戦闘挙動を担当しており、互いに住み分けを行うことで高い出力の相互干渉を防いでいる。
機体の基礎構造はデスパイアを参考に、ペルフェクトバインよりも簡便な変形機構を備えた、ペルフェクトバインの下位互換機という扱いとなる。
複雑だった各種構造は再設計され、胴体の三対六肢構造が二対四肢へと変更された。変形時に主腕と副腕を一体化させることによって、空力性能はペルフェクトバインを凌駕している。
装甲や防御機構はペルフェクトバインと共通で、ヘルテン装甲に多重魔力障壁を纏い、ゲージ・アブゾーバーと空間歪曲場の二重防御となっている。
スカートのフロントアーマーを機首とする構造は見直され、より簡便な背負い式ノーズシールドが採用された。こちらも頭部を完全に覆うため、空力性能に優れている。
脚部は腰の関節が一八〇度半回転することで、複雑な膝関節の構造を取り入れずに逆関節の接地脚を再現している。また、鳥脚の構造は足首周辺の装甲をアンカーとして展開する、簡易型鳥脚へと変更されている。
推力は巨体に合わせた大型魔力融合ロケットを採用しており、メイン・ブースターを胴体背面に二基と両脹脛に一基ずつ装備。通常サイズのサブ・ブースターを姿勢制御用に機体各所に配置している。
フェアヴァンテの武装は、ブレセスト同様に近接戦闘の武装で統一されている。
前腕部に籠手状のソニック・クロー付きプロテクト・アーマー、脚部に接地機構兼用ソニック・クロー。膝を護る装甲にアンカーボルト機構を組み込んだ、インパクト・アーマー。魔力融合ロケットを組み込んだ大型カイザーナックル、ディバインブラスター。主翼を分離することで攻撃に転用するフェアヴァンテの最凶武装、ツェアシュテーラー。
どの武装もフェアヴァンテの膂力と質量が乗ることで、致命的な破壊力を相手に与えることになる。その代償として、一切の射撃武装は搭載されていない。
遥歌の戦闘スタイルを究極まで突き詰め、家族の絆を結集させた、唯一無二の大型機だった。
◇◆◇◆
海中の巨大生物との戦闘に最新鋭の専用機で介入を果たした遥歌が、三〇メートルの巨体を海中へと沈めた。そのまま潜航を開始して、巨大生物の正面へと向かう。
「直接攻撃は危険だ! 反撃の超音波でやられてしまうぞ!」
あまりにも無防備に敵へと近付く遥歌を、恭一郎は静止した。
『私なら大丈夫! フェアヴァンテに乗るために龍皇のテストタイプを装備しているから、何も問題は無いわ! それに、反撃を受けないように、一撃で倒せばいいだけよ!』
義兄の心義妹知らす。その反対もまた然り。恭一郎の心配をよそに、遥歌が攻撃態勢に入る。
『古の戦争の亡霊、烏丸源一郎が斃し損ねた怪物よ! 私がこの一撃をもって、必ずお前を討ち果たします!』
フェアヴァンテの右手に握られた巨大なカイザーナックルが、膨大な魔力を内包し始めた。そこから放たれるディバインブラスターは、ゼロ距離発射の魔導砲となる。
簡易型の魔力縮退炉には、出力増幅用のフライホイールが新たに追加されている。ペルフェクトバインのように外部からの魔力供給が不可能な簡易構造であるため、魔力融合エネルギーを利用した武装を使用する際には、フライホイールによってエネルギーをチャージしておき、攻撃の瞬間にチャージしたエネルギーを開放する仕組みだった。
彼我の距離が縮まり、そして――。
『一撃必殺! ディバインブラスター!』
フェアヴァンテから撃ち込まれたカイザーナックル付の右ストレートが、巨大生物の真正面に打ち込まれた。カイザーナックルが肉体に食い込んだ直後、カイザーナックルから魔力融合エネルギーの暴流が放たれる。
銃身のライフリングや整流装置によって指向性を与えられていない魔力融合エネルギーの暴流が、巨大生物の体内の広範囲を瞬時に蹂躙した。インパクトポイントから破壊の奔流が体内を貫き、その通過点を中心に放射状の破壊領域が体内で暴れ回る。
ペルフェクトバインによる点や線での破壊ではなく、体内を広範囲に破壊するえげつない一撃によって、さしもの巨大生物もその命脈を断ち切られることになった。
「今の一撃によって、巨大生物の体内の約八六パーセントに、致命的なエネルギー放射が観測されました。巨大生物の生体反応、完全消滅を確認」
遥歌は宣言通り、巨大な敵の内部破壊によって、一撃で決着をつけてしまった。
『近接戦闘なら私の方が、恭兄さんよりも強いのよ』
海底に沈み行く巨体を眺めながら、遥歌がゆっくりと戦闘態勢を解いた。
こうして、古代の生物兵器に連戦は、恭一郎達の勝利で幕を閉じた。
◇◆◇◆
沈没艦や転覆艦をペルフェクトバインとフェアヴァンテが機体性能にモノを言わせて、海面へ復帰させた。幸か不幸か、負傷者の数は非常に多かったが、死者の数が最小限に抑えられていた。
それでもナウシカと要塞守備艦隊の被った被害は、決して少なくはなかった。恭一郎のペルフェクトバインの参戦に加え、遥歌のフェアヴァンテの増援が無ければ、被る被害は統合軍全体に及んでいたことは間違いない。
――トイフェルラント生活一七五九日目。
日付が代わった深夜。救助活動が一段落ついた恭一郎は、ハナの操艦するツァオバーラントに帰投した。遥歌もフェアヴァンテの合身を解き、ブレセストとフィルマメントに分かれて帰投した。
現在ツァオバーラント内部に収納されているケーニギンの格納庫には、ペルフェクトバインとブレセストが格納されている。こちらに格納できない巨大なフィルマメントは、ツァオベリンの大型格納庫に別口で収められている。
一足先に機体から降りた龍皇姿の恭一郎が、龍皇のテストタイプを装備した遥歌を出迎えた。ブレセストに掛けられたタラップを降り、遥歌が見慣れないパイロットスーツ姿でコクピットから出てきた。
テスト用に造られた遥歌の纏うアウタースーツは、龍皇のアンダースーツの機能も一緒に盛り込まれた構造となっていた。その外見は、今まで使ってきたアウタースーツの胸部と腹部のみを覆う部分に鱗板が取り付けられた、腹当てと呼ばれる軽装鎧が付属している。
このテスト用パイロットスーツには、安全装置や浄化機能はまだ盛り込まれておらず、魔力供給源との直結が無ければ、従来のパイロットスーツと変わり映えしない性能となっていた。
本来は無塗装だったモノを、遥歌がフェアヴァンテ搭乗用に改造していた。そのため手足のプロテクターやヘルメットは、従来のモノがそのまま使用されている。
「お疲れ様、遥歌。なかなか派手な現役復帰戦だったな」
「ミズキから恭兄さんは水中戦の訓練を受けていないって聞いて、急いで援護にきたの。いくら汎用機のペルフェクトバインでも、基本武装が空間戦闘用なんだから、水中では効果を十分に発揮できなかったでしょ?」
遥歌の指摘通り、ペルフェクトバインの武装は宇宙空間での運用を念頭に置かれている。それは強大な魔力融合エネルギーを兵器に転しているため、攻撃時には大規模な破壊領域を伴うからである。
今回の水中戦では、比較的周囲への二次被害の少ないヴィシュヌばかりを使用したのは、これが理由だ。ペルフェクトバインの主力武装はシヴァであり、あくまでもヴィシュヌは補助の扱になるので、発揮できた火力は微々たるものだった。
宇宙空間や大気中では一定距離を保てば、味方への被害を気にせず攻撃が可能だった。だが水中では水の分子が濃密に存在しているため、攻撃時に周辺への被害が伝播しやすかった。このことに足を引っ張られ、思うように戦えなかった。
「その節は、大変助かりました」
水中での戦闘を軽視していたことを反省して、恭一郎は素直に頭を垂れた。本来ならば圧倒的に上の立場の者が頭を下げるべきではないのだが、家族も同然の近衛軍親衛隊の中だけの出来事だ。外聞も気にする必要はない。
「一つ、貸しにしておくわね」
遥歌は素直に反省の弁を述べる恭一郎を許し、蠱惑的に微笑んだ。今後この貸しをどのように返済させられるか、恭一郎は気が気ではない。
「是非ともお手柔らかに、公序良俗の範囲内でお願いします」
恭一郎は遥歌の良心を信じる他になく、背中に冷や汗を流すことしかできなかった。その冷汗はアンダースーツに即座に吸収されてしまい、寒気は殆ど感じることができなかった。
◇◆◇◆
夜が明け、フェアヴァンテが斃した巨大生物の検分が始まった。全長が箱舟級大都市艦と同じという巨体であるため、海上に引き上げての調査は断念している。
見分は恭一郎とヒナ、そして遥歌とミズキのトイフェルラント組の四名。それにドートレス、レイアにマイア、セレイアとネレイアのオディリア組の五名が加わっている。
それぞれが自分用の機体に乗り込み、死骸となって海底に着底している巨大生物の下へと向かう。その道すがら、ミズキが独自に収集した情報を開示してくれた。
『トイフェルラントの情報提供者に問い合わせたところ、昨日戦闘を行った巨大生物の正体は、大海獣カリュプディスであることが確認できました。交戦記録を持って本人に確認させましたので、確度の高い情報です』
ミズキの発言を引き継ぐように、ドートレスも要塞司令のジェニスから伝えられた情報を擦り合わせる。
『昔の極秘ファイルを改めて調査させた結果、我々統合軍も過去に交戦した大海獣と、今回交戦した巨大生物が同一個体であるとの結論に至ったそうだ。なんでも、海面近くにいたところに総攻撃で深手を負わせたまでは良かったが、当時の我々では到達不可能な大深度の海溝に沈んで行ってしまったそうだ。一応止めとして、特殊な液体炸薬の爆雷を数十万発投下していたらしい。その結果、地形まで変わってしまって、奴の死骸を確認できなくなっていたという記録が出てきた』
「その記録通りであるなら、今回のようにカリュプディスの死亡確認は難しかったでしょうね。誰も直接見に行けない深さだから、万全を期すために大量の爆雷をお見舞いしたのでしょうね」
およそ二〇〇年前、父源一郎には水中用装備が、圧倒的に不足していたようだ。
この世界に源一郎が追加で捻じ込んだCAは、陸戦を主体とするリバイバルゲームに登場する兵器群だ。過去作を振り返ってみても、水中戦用のCAは存在していない。ごく一部に、水陸両用の敵が登場する程度だ。
そんな当時の選択肢は、対潜兵器の大量運用しか方法が無かったと、恭一郎も理解を示す。
遥歌が尊崇して止まない源一郎の決断はさておき、カリュプディスは大量の爆雷攻撃を何らかの手段を用いて生き残り、南極海の海底で現在まで生き長らえていた。
『現在の私達には水中用CAとメサイアの水中用装備だけではなく、存在自体が出鱈目なペルフェクトバインと、近接戦闘能力がペルフェクトバインを上回る私のフェアヴァンテも存在します。これで負ける方が、むしろおかしいと言うものです』
敵が巨体という意味での大物食いを二度も行っている遥歌が、人型形態で左右に広げた腕に統合軍の機体を捕まらせながら、海底へ向かって沈降している。
「統合軍の資料には巨大な鯨型との記載でしたが、カリュプディス沈黙後に改めて走査したところ、鯨ではなく海竜である可能性が高いようです」
ヒナが各機に映像データを送信して、説明を補足する。
「こちらは、海洋哺乳類である鯨の映像です。撮影された場所は地球のメキシコ湾という海域です」
陽光煌めく海面付近を、親子とみられる二頭の鯨が泳いでいる。恭一郎の自宅にあった、ネイチャー番組の一コマだ。
「鯨は尾びれを垂直方向に動かして、海中を泳いでいます。そして次が、カリュプディスの遊泳映像です」
あまりにも巨大であるため、デジタル処理されたコンピューターグラフィックスで、その動きが再現されている。
「ご覧のように、カリュプディスは尾の全体を水平方向である左右に振ることで、海中を移動していました。これは爬虫類と魚類に多く見られる泳ぎ方となります。鯨と同じように巨大な前鰭が有りますが、鯨では退化して失われたはずの後ろ鰭の存在が確認できました。開口時に牙が生えていたことも分かりましたので、海竜の仲間であるモササウルスのような生物であったと推測されます」
海竜とは現代の鯨のように、海から陸へと進出した後、再び海へと戻って進化した恐竜の近縁種である。白亜紀には世界中の海に分布しており、巨大なトカゲ型のモササウルスや、首長竜型のプレシオサウルスなどが属している。
海竜類は爬虫類としては珍しい胎生能力を持っており、卵ではなく子供を体内で育ててから出産していたと考えられている。そのため、当時の海中における食物連鎖の頂点に君臨していたようだ。
『その海竜というのは、やはり地球の生物なのですか?』
セレイアが疑問に思ったことを、素直に質問してきた。良い質問だったので、恭一郎が補足説明を買って出る。
「海竜は私の暮らしていた時代から遡ること、約二五〇〇〇万年前から約六五〇〇万年前頃まで生きていた、当時の地球で最大の勢力を誇っていた恐竜と呼ばれる大型爬虫類の中の一種に当たる。恐竜は大きい種になると、真龍化した魔王陛下よりも巨大なモノまでいて、他の生物種を圧倒していたようだ。それが隕石の落下や火山噴火の影響で、ほぼ全ての種が絶滅してしまっている。現存する種は小型化していて、一〇メートルを超える種はほとんど存在しない。また、一部の種には羽毛が生えていたことも確認されていて、恒温動物であったことも分かっている。ちなみに地球の鳥類は肉食恐竜の子孫にあたることが、骨格などから判っている」
エロゲーベースの惑星オディリアには、地球のような進化の歴史は存在していない可能性がある。何しろ、地球での進化には存在しない、腕と翼を別々に持つ種族が存在するからだ。彼等は人間のような四肢の生物ではなく、満足に動かせなくとも六肢の生物となる。
それだけではなく、四肢である恭一郎と六肢であるリオの間でも異種交配が可能だったことも実証されているため、地球では絶対に有り得ない生物種の進化を遂げている異世界なのだ。
惑星オディリアの生物進化を解明すれば、地球でも亜人が誕生するかもしれない。
恐竜についての説明を続けながら、恭一郎の思考は少々脱線していた。
閑話休題。
「モササウルスと呼ばれる海竜は、体長が一〇メートルを超える巨大な海生爬虫類だ。手漕ぎボートのオールような水掻き型の手足と長い尻尾を持っていて、当時の世界中の海で権勢を振るっていた種になる。海中に足を踏み入れた恐竜をも襲っていたと考えられる獰猛な性格で、胃の内容物からも同族を含めた多様な生物を捕食していたことが分かっている。サイズ差にさえ目を瞑れば、カリュプディスはモササウルスの姿に瓜二つだ。海中で全容が掴み難かったから、二〇〇年ほど前の交戦時に鯨と誤認して、今日まで巨大な鯨だという記録が残っていたのだろう」
巨大な島のような大きさの生き物が動く姿は、容易には観測できない。ましてや戦闘の混乱の中では、詳細な観測はなおのこと難しい。高空からの観測体制が整っていて、CAの到達可能深度であったことから、今回はカリュプディスの全容を知ることができた。
『規格外の巨大海生爬虫類ですか……。スキュラと言いカリュプディスと言い、オメガを完全に駆逐してもなお、過去の大戦の亡霊はこの世界を彷徨い続けているのですね……』
マイアが一人ごちる。初陣で多大な犠牲を払い、決死の思いでオメガの脅威を払拭したはずだった。それでもなお、オメガによって間接的に生み出されることになった巨大生物が、未だに存在していたのだ。それはつまり、過去の大戦は完全に収束していないことを意味している。
「カリュプディスは撃退することができたが、スキュラの殲滅は確認できていない。奴等への対策は、今後の政府間交渉で話し合われることになるだろう」
恭一郎がこの話題を一旦終わらせた。その眼前には、体内をミンチにされた巨大な死骸の姿があった。
カリュプディスの検分は、あまり実りの多いモノではなかった。なにしろ、外観を保ったままで内部がミンチにされていたため、臓器はおろか骨格に至るまでが粉砕されて原形を留めていなかった。
仕方なく生体サンプルや粉砕されずに残っていた巨大な牙や手足や尻尾の骨の一部を回収した後、周囲の安全を確保してから、ペルフェクトバインによって巨大な死骸は処理された。
これほどまでに巨大な死骸を生物種の絶えた海の底に放置していては、腐敗によって生じた物質によって南極海が汚染されてしまうことが考えられたからだ。他の海域へ逃げた可能性のあるスキュラを誘き寄せる餌とする案も出されたが、スキュラを待ち構える部隊に健康被害が出る可能性が高いとして排除された。
◇◆◇◆
カリュプディスの出現によって、施設ごと崩壊してしまった海底資源基地は、再建を断念して放棄されることになった。海底に点在する資源鉱床は南極海だけでも複数存在が確認されているため、新たな海底資源基地を建造する方針のようだ。
それと並行して、海中での戦力強化が図られることになった。主目的はスキュラとの戦闘であり、防衛目標の周囲に警戒網を敷き、自走機雷と連動した防潜網を構築する。
防衛部隊の戦力拡充だけではなく、移動要塞を含めた守備艦隊を常駐させるなどの方針転換が行なわれるという方向で、統合軍の上層部が態勢の見直しを行っている。
それと同時に、オディリア共和国政府とのホットラインとは別に、オディリア統合軍とのホットラインが、トイフェルラントに設置される運びとなった。ホットラインは政府用のモノと同様に、トイフェルラント政府と近衛軍総司令部の二カ所に置かれることになる。
このことによって、双方の間により緊密な軍事条約が、新たに締結されることになった。トイフェルラントとオディリアの軍事同盟となるこの条約は、オメガや紅星軍のような世界規模の危機に対する備えとして、互いに協力して脅威を排除することを目的としている。その目的の中にはスキュラやカリュプディスのような危険生物への対処も含まれており、包括的な安全保障条約として機能することになる。
なおこの条約は、春先に挙行される恭一郎とリオの結婚式の日から、正式に効力を発揮する。このことによりこの条約は、花が咲き揃うという美称をとって、『芳春同盟』と呼ばれることになった。
オディリアの箱舟級大都市艦にはそれぞれ花の名前が冠されており、トイフェルラントも条約交渉中に国の花を制定したことが切っ掛けであった。




