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かごの中の白 4
神様は更なる試練を、俺に与えてきた。
(あっ、哺乳瓶忘れた…俺の乳首からミルクは出ないしなぁ…)
誰にも言えないが、この時本気でこう考えてしまった。
ミルクの粉を、ぬるま湯で溶かし、なんちゃって自家製ミルクを作ってみた。
(熱くない?美味しいしかな…)
お味の方はご満足頂けたみたいで、金魚のように口をパクパクさせている。
俺くらいの歳ならば、結婚し子供がいてもおかしくないだろう…でも、この状況はどう考えてもおかしい、おかし過ぎる。少し冷静になってみた。
(この子の親は?えっ!まさか俺の子供?いやいや、それは無いわ。児童施設みたいな所へ連絡するべきか、もしくは財布じゃないが、落ちていたものだから警察へ届けるのか…)
まぁ、どちらにせよ今行動することは無理な話だった。なぜなら俺には動けない理由がある。