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かごの中の白  作者: 橋本まよい
2/7

かごの中の白 2


(まじかっ!)


俺は、買い物袋を手すりにぶつけまくりながら、階段を駆けあがった。


(お、お前!)


50㎝位だろうか、長方形で浅い深さの洗濯カゴがある。その中には白い厚手のタオルに包まれ、顔を半分だしながら大泣きしている赤ん坊がいるでわないか。


(ちょ、ちょっと!そんなに泣くなよ!)


意味がわからないし、こっちが泣きたいくらい頭は大パニック。呼吸を整え、何となく周囲を見渡してから、泣き声の主が入ったカゴを覗き込んだ。

すると主は急に泣き止み、無表情になったかと思いきや、今度は人の顔を見てケタケタと突然笑い出したのだ。

俺も、頭がおかしくなっていたのだろう。

笑われている俺も、今までにした事のないような、とびっきり最高のひきつり笑顔を作ってみせた。


買い物袋を玄関に置き、もう一度周りに人がいない事を確認した後、緊張した手つきで主の入ったカゴを、ゆっくりと持ち上げた。


(誘拐犯にでもなった気分だ…)


持ち上げたカゴを部屋へ入れ、キッチンテーブルの上へ慎重に置いた。

一瞬持ち上げられ、ジェットコースターにでも乗った気分になったのか、主は更にケタケタと笑い、包まれたタオルの中から手をだしうごめいている。


(まったく…抱っこしてくれのサインなのか?)

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