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episode.1


素敵な妄想を下さったみなさまへ

 本編を読んでいないとさっぱりわかりませんので、先に本編を読まれることをお勧めします。あらすじに注意事項を入れました。※ここでも言います!コメディです!



*◆*◇*◆*◇*



『なぜ彼女はあの男に惚れてしまったのか』



*◆*◇*◆*◇*



◆こんな夢はいやだ。



夢に出てくる『彼』はいつも同じ体型(・・)なのです。


 夢の中の『私』は何度生まれ変わっても『彼』の体型(・・)に目を奪われるのです。


 そして、間違いようがなく『彼』だとわかるのは、その暖かい雰囲気と、やはり体型でしょうか。


 生まれ変わると『彼』はいつも近くにいます。ぽっちゃりの父親だったり、でっぷりの兄弟だったり、大丈夫?と心配になるほどの従弟だったり。


 気づいた時には、『彼』はもう妻や恋人に捨てられたり、振られていました。


 『彼』が涙目になっているのを見ると、『私』もなんとも生暖かい気持ちになれるので、いつもいじめてしまいます。


 でも、次は、次こそは、『私』が一番『彼』の側にいて、照れ隠しでいじめるのではなく、本当の気持ちを伝えたいと、想い願います。



―――夢だと思い込みたかったです。



 だけど、この世界では『彼』は父の友人でした。肉親ではないのに、早いうちに気づけたことも運命でした。


 『シルビオ』にやはり(・・・)妻も恋人もいないことを知り、とてもとても嬉しかったのです。



【夢落ち*おわり】



*◆*◇*◆*◇*



◆お伽噺のように。



―――では、誓いの口づけを。


 神父様が厳かに言い、本日夫婦になる二人を微笑んで見つめる。

 シルビオはゆっくりと花嫁のベールをめくり、少し照れたような顔で、真っ赤になった花嫁に口づけを・・・、


 少しだけ唇が触れ合ったとたん、二人を中心に光が弾けた。


 光が収まった後には、可憐な花嫁と


 ―――誰?


「シ、シルビオ様?」


 気づいていない花婿の細くなった腕をガシッっと掴み、花嫁は控室に連れ込みました。


「な、な、なんですかこれはーーーーー!!!」


 控室から、男の叫び声が響きました。


 あれは、花婿(シルビオ)なのか。花嫁はそう呼んでいたが。

 祝福に来ていた者達は、どうしていいかわからず、座ったまま控室を凝視することしかできません。


「み、皆様、申し訳ありません。少しお待ちください。」


 ハーシュベル公爵夫妻が頭を下げ、彼らも急いで控室へ入って行く。


「あ、アーリスト殿。ど、ど、どうすればー!?」

「落ち着け!お前はシルビオなんだな!?」

「・・・・。」

「違うのか!?」

「中身は私です。シルビオで間違いないはずです!」


 最全席で結婚式を見ていた者達には、控室の切羽詰った声が聞こえてくる。


「わ、わたしの素敵なクマさんのお腹が・・・えっぐえっぐ。」

「リセリア!泣いている場合ではない!」

「だって、お父様。あのお腹はとてもとても、気持ちがよかったんですのよ!!これから触りたい放題だったはずなのに・・・。」


 花嫁の何とも言えない嘆きが聞こえてくる。


「リセは、私のお腹が好きだったのか。痩せたら、嫌われるのか、嫌われてしまうのか・・・。」


 花婿の悲痛な叫びも聞こえてくる。


 神父様にも全部聞こえているのか、いつも冷静な方の額から、汗が流れる。


「またシルビオが太ればいいだけであろう!!」


 そう怒鳴ったハーシュベル公爵の声が教会に響き渡った。



 王子は思う。

「太ればよかったのか。今からでも間に合うかな♪」



――――ソレ、あかんやつやー!!



「息子よ!待つんだー!!」

と叫んで、飛び起きた王様は、すごい悪夢を見たと、その日一日真っ青な顔だった。



【夢落ち*おわり】




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