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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第四章 王都と人魚姫をストーカーから守り抜け!!
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逸話~サヴリナの場合~

ぶっちゃけ、この回は上手く纏まった気がしない…………

まあ、今迄も上手く書けた自信はないんだけど………………あはは、はあ~

もしかしたら、ヒロインの中で一番サヴリナの話が長いかもしれない。

まだ他のヒロイン達の話が書けてないから何とも言えないけど…… 汗

私の名はサヴリナーーこのドワーフ国の女王であり、魔女と呼ばれる存在よ。

私が何故魔女と呼ばれるのか……それを知りたければ、少しばかり昔語りをする必要がありそうね。


それは今から凡そ千年前のお話ーーー。


当時のドワーフ王には、可愛い一人娘がいたわ。

けれどその一人娘は人一倍好奇心旺盛で、とてもお転婆だったそうよ。

ある日、娘がドワーフ国を出て、自分の目で世界を見てみたいと言い出したの。

流石のドワーフ王も、これには相当頭を悩ませたみたい。

それもその筈ね。

鎖国的なドワーフ国であっても、王ともなれば世界の情勢はそれなりに知ってるものよ。

ドワーフとは趣味に生きる者。

自分達の好きな事が出来れば、世界なんて知った事じゃない……て言うのが当時のドワーフ国の考え方だったの。

だから、魔族や獣人が奴隷狩りされても特に気にする事もなかった。

それに意を唱えたのが、ドワーフ王の一人娘だったってわけ。

一人娘も、多少なりとも世界の情勢を知ってはいたわ。

けれど、他人から聞かされた話より、実際に自分自身で世界を見てみたかったみたい。

何よりも、このままではこのドワーフ国が駄目になるって考えてたみたいね。

そうして、一人娘は皆の反対を押し切って旅に出たそうよ。


それから、二十年の歳月が流れて、ある日フラリと一人娘がドワーフ国に戻ってきたわ。


そのお腹に新しい命を宿して…………。


ドワーフ王はそれを見て激怒したそうよ。

今迄一人娘に怒った事などなかったドワーフ王が、初めて娘に手を挙げたの。

けれど、一人娘は気丈にも、ドワーフ王にたった一言ーー「後悔はしていません」ーーそう言ったの。

それを聞いたドワーフ王は、その揺るがない決意に半ば諦めて、もうそれ以上は何も言わなかったわ。

そして数ヶ月後、一人娘は元気な女の子を出産したの。


その赤ん坊の名を【サヴリナ】ーーそれは一人娘の名前だったわ。


母は、私を産んですぐにこの世を去ってしまったの。

だから私は、母の顔も温もりも知らない。

唯一あるのは、この受け継いだ名前だけってわけ。

祖父は、母の出産を反対してはいたけど、大事な一人娘の忘れ形見であり、何より可愛い孫娘を邪険には扱えなかったのね。

自分で言うのも何だけど、それはもう溺愛しまくりだったわよ。うふふ。


けれどたった一つだけ、わたしが納得出来なかった事があったの。

それは…………私は何故かドワーフ国から一歩も外に出してもらえなかった事。

情勢云々ではなく、何故かは分からなかったけど、私はドワーフ国に軟禁状態だったのよ。

他のドワーフの子達でも、遠くに行かなければ外には出れたし、農作物は外で栽培してたりするのだから、田畑に行く者も居たけれど、私はそれすらも許されなかったの。


その理由が判明したのはいつだったかしらね……少なくても、私がまだ幼く無知だった頃のお話_______________。


ーーーーーーーーーーー


私はある日、気付いたら【千里眼】と言う固有スキルが備わっていたわ。

よっぽど外の世界を知りたかったのね。

この時は、まだこの能力をあまり使いこなせてはいなかったけれど、これのお陰で、私はドワーフ国に居ながら外の世界を視る事が出来たのよ。


確かに、お爺様や皆が言うように、あまり情勢は芳しくなかったわね。

人族は、自分達以外を全て亜人……即ち、人間の姿に似ているだけで、人間ではないと決めつけてるみたい。

その中でも特に、魔族や獣人はその傾向が強かったみたいね。

見るに耐えない程の酷い仕打ちをされていたわ。

それでも私は、そんな世界でも外の世界に出てみたくて仕方がなかったの。

これは母親譲りなのかしらね。

好奇心がどうしても抑えられなくなった私は、皆の目を盗んでとうとうドワーフ国を飛び出してしまったのーー。



「はあ……はあ……はあ……」

「おい!そっちに行ったぞ!!絶対に逃がすなよ!!」


私は暗闇の中、森の隙間を縫って必死に逃げ続けた。

頭の中では疑問ばかりが巡る。


何故私は人族に追われてるの?

私がドワーフだから?

でも、ドワーフは人族にとって対して価値もない存在の筈。

狙われる理由は無い筈だわ。

分からない…………。

魔法を使う?

いえ……駄目よ。

私はまだ魔力をうまく使いこなせないし、何よりもお爺様達から堅く禁じられてるもの。

取り敢えず、今はこの場を逃げ切らなければ……。


どんだけ考えても答えは見付からず、私はただ無我夢中で走り続けたわ。

けれど、幼く今迄外に出た事も無い私は、体力の限界が近付いていた。


「……あ!」


そして、足元が疎かになっていた私は、木の幹に足を取られてその場に転倒してしまう。


「はあ……はは。やっと捕まえたぞ」

「ったく!手こずらせやがって」

「あ……」


男達が今目の前に立っていた。

そして、下ひた笑みを浮かべながら……徐に剣を振り上げる。


もう駄目っ!!


私はギュッと目を瞑ったわ。

罰が当たったのだと思った。

お爺様達の言いつけを守らなかった罰が……。

けれど、その剣が私に届く事はなかった。


「ぐぇっ!!」

「……ぐ!」

「?」


何か、呻き声のようなものが聞こえて、私は恐る恐る目を開けてみる。


「……あ」


そこに立っていたのは、あの人族の二人組ではなくて…………


「……レインバル」


お爺様の側近のレインバルだった。


「……お嬢様、お怪我はありませんか?」


レインバルは、私の傍に膝をついて、私を心配そうに見詰めた。

けれど私はそんな事よりも、ある一箇所に目が釘付けになる。


「あ……ああ…………」


私は、ただ滂沱の涙を流しレインバルの胸にしがみつく。

何度も何度も謝りながら……。

そんな私の背中を、レインバルは優しく撫でてくれた。


レインバルは左腕を失っていた…………。


そうして、私はレインバルに連れられてドワーフ国に戻ったわ。

流石にお爺様に怒鳴られると覚悟したのだけど、お爺様は私の姿を見ると、安堵した顔をして、次に、涙ながらに私を抱きしめてくれたわ。

こんなお爺様を見るのは初めてだった。


そして、この時私は初めて真実を知らされる事となったの。


私が、今は絶滅した【ヴァンパイア】とドワーフの混血児……【ダンピール】だと言う事をーー。


ヴァンパイアとは、魔族の部類に入るけれど、魔族とはまた別の存在として危険視されていた。

何故なら、ヴァンパイアは人の生き血を啜るから……。

そして、子供を作りにくいヴァンパイアは、自分達の血を他の種族に分け与える事でしか同胞を作れなかった。

そんなヴァンパイアと、旅をしていた母が巡り会って恋に落ちた。

危険なめにあってた所を助けてくれたらしいのだけれど、最初母は、自分もヴァンパイアにしてほしいと懇願したそうよ。

けれど、そのヴァンパイア……私の父は、それを承諾しなかった。

何故なら、その時既にヴァンパイア狩りが横行していたから……。

ヴァンパイアは不老不死とされているけど、弱点がないわけじゃないわ。

それを人族が見つけて、ヴァンパイア狩りが始まったらしいの。

そして、母と父は結ばれて、奇跡的にお腹に新しい命が宿る事となる。

そんな時、二人が隠れ住んでいた小屋に人族が襲撃してきて、父は母を逃す為に自ら囮になったそうよ。

そうして、命からがらドワーフ国に帰還した母が、私を自分の命と引き換えに産んだ。

私はヴァンパイアの血は受け継いでいても、特に血が欲しいと思った事はなかったけれど……私も気付かなかった事……どうやら私は、夜になると瞳が赤く染まるみたいなの。

これが、一番のヴァンパイアの特徴とされているわ。

だから、あの男達は私がヴァンパイアの生き残りだとして、この命を狙っていたみたい。

そして、私が魔力を使える理由も、どうやらヴァンパイアの血があるせいみたいなの。

本来、ドワーフには魔力なんてものは備わっていないのだから……。

どうりで、私以外ドワーフが魔法を使った所を見た事がない筈ね。


私は本当に何も知らなかった……どれだけ沢山の人に助けられ、守られていたのかも……。

お爺様は、最後にこう言ってくれたわ。


「それでも、お前はワシの可愛い孫だ。それだけはこの先もずっと変わらんよ」


皺くちゃな顔に、更に皺を寄せて優しく笑ってくれた。

私はまた滂沱の涙を流すのだった。


そうして更に時が流れて、私が【女王】としてこのドワーフ国を統治する事となり…………私は今でも、あの時の出会いを運命だと言わざるおえないわーーー。。


ーーーーーーーーーーー


私が生まれてから千年の歳月が流れたわ。

私は今でも、このドワーフ国で女王として君臨していた。

そして、他の国々には、真しやかに囁かれてる事があるの。


ドワーフ国には【魔女】がいるとーー。


まあ、嘘ではないのだけれどね。

本来、ドワーフ国の寿命は二五十歳程度なのだけど、千年も生きていればそんな噂が流れても当然だわ。

しかも私は歳を取らない……見た目が十二、三歳くらいにしか見えないのだから、当然と言えば当然ね。

今では、私の出世の秘密を知っている者は極僅かばかり……ドワーフの民達も、私が【魔女】だと言う事で無理矢理納得させているようなものだけど、特に今の所は不平不満も出てないわ。

ドワーフとは、元来仲間意識は強いけれど、良くも悪くも、基本自分以外は特に興味がないのよね。


そうして、私は相も変わらず、このドワーフ国から殆ど出る事もなく毎日を過ごしてたの。

けれど、定期的に千里眼で世界の情勢を見る事は止めなかったわ。

そんな時……。


「あら~?魔族がとうとう動いちゃったみたいね~?」


私は執務室で仕事をこなしながら、何の気なしに呟いたの。


「……魔族、ですか?」


レイバルトが、私のその呟きに眉根を寄せて聞いてくる。


「ええ。何でも~魔王なるものが現れて~人族に反旗を翻したみたいよ~」


私はいつかこんな日が来ると思っていたから、特に深くは何も感じなかったけれど、レイバルトは少し複雑だったみたいね。


「そう……ですか。このドワーフ国への影響は?」


レイバルトの心配は、このドワーフ国がそれに巻き込まれるのでは、と思う所にあったみたい。


「それは心配ないと思うわよ~。と言うより~数年後には~この争いも終息されそうね~」

「……と、言いますと?」


私の千里眼と言う能力は、遠見だけでなく、今ではある程度の未来を視る事も出来るようになっていたわ。

とは言っても、ハッキリとした未来が見えるわけでなく、漠然とした映像を垣間見る程度なのだけど……。


「そうね~……強いて言うなら~何か大きな存在が~この世界を変えてくれるかも~?」


私が視えたのはその程度だったわ。

その【大きな存在】が何かは分からなかったけれど……。

レイバルトもそれ以上は何も聞いてこなかった。

けれど、すぐにその理由が判明する事となったわ。


一年足らずで、魔王は獣王と手を組み、更に勢力を拡大……それを危惧した人族は、最後の切り札として、どうやら【勇者召喚】を行う事を決定したみたい。

そうして、召喚された勇者を視た時……それは千里眼としてではなく女の勘だった。


ああ……そうなのね。

彼が…………。


彼を直に見た時、それは確信に変わったわ。


この子ならきっと何かを変えてくれる、とーー。


私は、周りの反対を押し切って、彼に直接会ってみる事にしたの。

そしたら、いきなり人のステータスを見ようとするものだから、つい睨んでしまったわ。

だって仕方ないわよね?

乙女の秘密を無断で暴こうとしたのだもの。

彼は、一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔で謝罪してきたわ。

だから今回だけは許してあげる。ふふ。


勇者の名前はセツナ・シラバネーー。


今のドワーフ国は昔と比べると、大分鎖国感が改善された方だと思うわよ?

私がそう働きかけたのだけど、それでもまだまだ人の出入りも少ないし、他の種族をあまり良く思ってないドワーフも多いみたい。

だから、当初セツナを友好的に捉えてない者が大半だったのだったけど……。


私が何よりも一番驚いた事は、あの荒くれ者で有名だったガルダと打ち解けた事だったわね。

これには私だけでなく、他の子達も目を剥いて驚いてたわ。


ガルダは腕は確かなのだけど、生粋のドワーフで気難しい性格をしてて、特にこの時は、思った通りの武器が製作出来ないとかで一番荒れてた時期だったの。

そんなガルダの心を開かせるなんて、何とも如才無い事かと感心してしまったわ。


それだけでなく、私の千里眼を持ってしても、彼の未来を垣間見る事が出来ないの。

彼がこの世界を変える……それは漠然と分かるのだけれど、彼自身の事になると、まるで靄が掛かったみたいになってしまう、こんな事は初めてだったわ。


彼はとても異質な存在だった……。


それは名状し難いのだけれども、決して悪い感じでないのは確かね。


そして、私もまた彼との話がとても楽しみで仕方なかった。

特にセツナの居た魔法のない異世界の話には、とても心惹かれるものがあったわ。

何よりも驚いたのは、セツナの知識量……私も長年生きているし、殆ど外に出る事も無かったから、暇潰しに様々な蔵書を読んで、この世界の事ならある程度知ってるつもりよ。

けれど、セツナはまだ十七歳であるにも関わらず、彼が話す異世界の話は、まるで恰も実体験してきたような……そんな感じがするのよね。

だから、駄目元で思い切って聞いてみたら、あっさり自分は転生者だと暴露するもんだから、流石に驚きを隠せなかったわ。


うふふ。本当にこの子と居ると飽きないわね。


セツナの世界でも幾度となく戦争があったみたいだけと、現在は概ね平和らしいわね。

まだ紛争が絶えない国もあるみたいだけど、それはほんの一部みたい。

魔法が無くとも【技術】でそれらを補っているようで、「まるでドワーフみたいね」て言ったら、「そうだね」って笑っていたわ。


何故かしらね。

彼の笑顔を見るとこっちまで笑顔になってくるのよ。

本当に不思議な子だわ。


私は少しばかり好奇心でセツナに聞いてみたの。

異世界人から見たこのアルガナリアはどんな風に見えるのか……。

すると、セツナは真剣な顔で逡巡した後言ったわ。


「この世界はとても綺麗で素敵だと思うよ?表向きは……だけどね」

「……表向き~?」

「俺達の世界の諺って言うので、【一枚の紙にも裏表】って言う言葉があるんだけど、紙にも裏表があるように何事にも裏表があるって言う意味なんだ」

「………………」

「これは、どこの世界でも同じ事だと思うんだ。物事全てには、必ず裏表が存在する。ただ、その裏を見て見ぬふりをするか、その裏と向き合うかによって、人の見方も意識も変わってくるんじゃないかな?って思ってる。俺は、この世界の人は前者……見て見ぬふりをしてる人が、あまりに多いように感じるよ」


セツナの言葉に、私は何も言い返せなかったわ。

彼は、この世界の私達なんかより、よっぽどこの世界の本質を見極めていたのだから……。


セツナの話は本当に飽きる事はなかったわ。

異世界の技術も幾つか教えてくれたのよ。

勿論、悪用しないのを条件にだけどね。


戦争に使用される大砲とかから、はたまた娯楽の一つとして、大空に大輪の花を咲かせる花火と言うもの迄…………。

それらの話全てが、私の好奇心を掻き立てるのに充分な内容ばかりだった。


こんな楽しいひと時を過ごしたのはいつぶりかしら?

毎日がとても充実していたのだけど、終わりは呆気なく訪れるものね。


「あら~?エルフ国の王が~こっちに向かってるみたいね~」

「……は?マジで?何やってるんだあの馬鹿……」


セツナは一度頭を抱えて渋い顔をすると、すぐ様行動に移す。。


「ゴメン!俺もう行くよ!ガルダにも軽く説明して謝ってて!!」

「あ……」


それだけ言うと、セツナは大急ぎでこのドワーフ国を旅立って行ったわ。

ちょっと残念ではあったけど、またそう遠くない内に会える……そんな気がしてたから寂しくはなかったわね。


ーーーーーーーーーーー


それからは、私の目下の楽しみは、セツナを観察する事になったわ。

勿論、そんな頻繁にじゃないわよ?

流石に私も覗き見なんて悪趣味だと思うもの。

だから、ちゃんと時と場合を選んで…………一日に十回程度に抑えてるわよ?うふふ。


そうこうしてる内に、セツナはとうとう魔王討伐……と言うよりは、魔王を説得する事に成功したみたいね。

でも、今度はその魔王との約束を果たす為にまた忙しい毎日を送ってるみたい。

その途中で、エルフ国の大聖人といい関係にもなったようね。


チクリーー。


あら?何かしら?

何か……胸の奥に小骨が刺さったような変な違和感が…………まあ、気のせいよね。


そして、今度は元奴隷の少女とも関係が進展したみたい。

セツナはモテモテね。ふふ。


チクリーー。


……また?これは何かしら?

私は生まれてこのかた、病気らしい病気などした事なかった筈なのだけど……。

少し不安になった私は、それとなくレイバルトに聞いてみたの。

そうしたらレイバルトったら、何故か呆れたような顔をしながら……とんでもない事を言ってきたのよ。


「…………女王、それは明らかに恋でしょう」

「……は?こい…………?」


一瞬何を言われたか分からなくて、頭が真っ白になっちゃったじゃない。

レイバルトったら、急に何を言い出すのかしら?

私が恋なんて……そんな事…………。


「ですから、女王はセツナ様に恋をしていらっしゃるのですよ」

「………………」


私がよっぽど納得出来ない顔でもしてたのかしら?

レイバルトは、今度は自信を持って断言して言ったのよ。

私は間抜けにも、ポカンと口を開けたまま、その場に硬直してしまったの。

だって仕方ないでしょ?

私は千年と言う長い年月を生きてきても、そんな経験一度もなかったんだもの。


こい……コイ…………恋………………。

私がセツナに………………恋っ?!


何度も頭の中で反芻して、漸くその意味を理解すると、私は一気に顔に熱が集まるのを感じたわ。

一度自覚をしてしまうと、それを意識せずにはいられなかった。

まさかこの私が恋をする日が来るなんて思いもしなかったわ。

確かに、若い頃はそんな事を夢見てた時期もあるけれど……それに、見た目とは裏腹に、私ってもう随分いい歳なのよね。


で、でも!それを言うならエルフの大聖人だってそうだし……!

私のこの気持ちを知ったら、セツナはどんな顔をするかしら……。

困る?それとも…………。


私が一人悶々とそんな事を、それから毎日のように考えてると、セツナがとうとうこのドワーフ国に再び訪問する時がやって来てしまったの。


ど、どうしよう…………。


「ね、ねえ~?レイバルト~……今日の服どうかな~?変じゃない~?」


私はいても立ってもいられず、ついレイバルトにそんな事を聞いてしまう。

レイバルトは、そんな私に苦笑しつつも、励ますように言ってくれたわ。


「ええ。大丈夫ですよ。きっとセツナ様もお喜びになります」


今日の衣装は、自分では少し大胆だったかな?とも思ったけど、レイバルトがそう言ってくれたので、少しだけ自信がついた私は、セツナ達を出迎える為に入り口に向かったの。

今迄に無いくらい凄く緊張したわ。

何度も深呼吸をして心を落ち着かせていると、視線の先に人影が見えて、私は自然と体が強ばるのを感じる。


「あれ?サヴリナ?」


セツナが私に気付くと、笑顔を向けてくれたのだけれど……。


あ、あれ?

セツナってこんなキラキラしてたかしら?


私はついセツナに見蕩れてしまう。

気持ちの変化だけで、こんなにも相手の見方が変わってしまうとは思ってもみなかったわ。


「……サヴリナ?」


私が何の反応も示さず黙っていると、流石に不審に思ったセツナが、もう一度私の名前を呼ぶ。

そこで私はハッとして、取り繕ったように笑顔を作ったわ。


「ひ、久しぶりね~セツナ。それから~そちらがアリアで~そっちがアヤメね。初めまして~サヴリナよ~」


私が二人の名前を言い当てると、二人が少し驚いた顔をしたわ。

けれど、セツナは慣れたもので、私が二人の事を知ってても特に驚かなかった。


「あはは。流石サヴリナだね。説明要らずで助かるよ」


それから、軽く現状確認をしてから、セツナは早速ドワーフの子達に話をして回ったわ。

少し寂しかった気もするけど、元々セツナがこのドワーフ国に来たのは、奴隷制度を廃止するに辺り、ドワーフの民の意識を改善する為だもの。

仕方ないわよね。

最初はセツナの話を誰も歯牙にもかけなかったけど、誰よりもガルダが率先してセツナを支持してくれたの。

ガルダが、皆一人一人に呼び掛けた所、少しずつではあったけど、皆もセツナの話に耳を傾けるようになったわ。

いい傾向なんじゃないかしら?


その時何故か私は、記憶にない筈の母がセツナに重なって見えたの。

そう言えば母も、この国を変えたくて、自分自身がこの世界を知る為に旅に出たんだって……。


そんなある日ーーー。


「で?何があったの?サヴリナ」

「…………へ?」


漸く一息つけるほど落ち着いて、久しぶりに二人っきりになれたと思ったのに、セツナが開口一番にそんな事を聞いてきたもんだから、私はつい間抜けな声を出してしまったわ。


「「へ?」じゃないよ。明らかに再会してから様子がおかしいよね?何かよそよそしいって言うか……現に今だってそうだし、いくら俺でも気付くよ?」

「うっ……」


私は言葉に詰まってしまう。

確かに以前の私なら、何も考えずにセツナの隣に座ってたと思うわ。

寧ろ、前は膝の上にも乗ってたような………………今更ながら、何て恥ずかしい事を…………。

でも、今はテーブルを挟んで、セツナの向かいの席に座ってるのよね。

今では、あの頃どのように接してたか分からない程、私自身も戸惑っているの。


「俺じゃ頼りないかもしれないけど、話ぐらいなら聞くよ?」


心底心配そうにセツナがそう言ってくれる。

私はそんなセツナを見て覚悟を決めたの。

一度大きく息を吸って、緊張した面持ちで勢い良く立ち上がったわ。

セツナが少し驚いた顔をしたけど、私はそのまま移動して、セツナの隣の席に腰掛ける。


「サヴ…………んむ?!」


セツナが私の名を口にしようとしたのを、私は自分の口で無理やり塞ぐ。

自分でもこの大胆な行動に驚いてしまったけれど、言葉より先に体が動いてしまったんだもの。

仕方がないわよね。


そして私はゆっくり唇を離す。

セツナの瞳を覗くと、目を白黒させて、私のこの突然の行動に理解が追いつかないのか、硬直したまま微動だにしない。

私はそんなセツナを見つめながら、生まれて初めての告白をする。


「……好きよ。セツナ」

「………………」


セツナは何も言わない。

目を驚愕に見開いたままで私を凝視する。

どれくらいの時間が流れたのかは、私にも分からなかったわ。

きっと数分だったんでしょうけど、私には何時間にも思えて仕方なかった。

すると、セツナが漸く硬直と言う呪縛から解かれて口を開く。


「…………冗談?」

「本気よ~」


自分の体が震えてるのが分かる。

心臓の動悸が煩いぐらいに耳に響く。

告白ってこんなに緊張するものなのね。

期待と不安でどうにかなってしまいそうだわ…………。


私の真剣な告白を聞いて、セツナは口に手を当てて、考える素振りをしている。


ああ……やっぱり迷惑だったかな…………。


私は泣きたい気持ちになった。

正直、もう諦めていたのだけれど……


「……そうか。ちょっと意外ではあったけど…………うん。素直に嬉しいよ」

「…………………………え?それって……」


最初、何を言われたのか分からず、私はセツナに聞き返す。


「俺もサヴリナが好きだよ」


セツナは満面の笑顔で、今度はハッキリと好きだと言ってくれた。

私は信じられない者を見る目でセツナを凝視して、次に感極まってセツナに抱きつくと、また自分からキスをしてしまったの。

でもセツナは、今度は私をしっかりと受け止めて…………しかも、いきなり舌を絡ませてくるもんだから、今度は私の方が驚いてしまったわ。


「ん……ふ……」

プチューー。

「……んふ」

クチューー。

「ん……」

チューー。


淫靡な音が、イヤらしく耳に届いてきて、私の顔に熱が集まるのが分かる。


「は……ちょ、待って~」


私は息継ぎの為に唇が離れた一瞬の隙をついて、セツナに制止をかけた。


「あ……ゴメン。嫌だった?」


セツナが申し訳なさそうにそんな事を言うもんだから、私の方が慌ててしまったわ。


「ち、違うのよ~……その~……私初めてだから……」

「……え?」


セツナが驚きの声を上げる。

私は顔から火が出る思いだったわ。


呆れられた?

この歳にもなって経験が無いなんて…………それでも私は…………


「で、でも!ちゃんと知識はあるから~多分大丈夫よ~」


私は努めて平静に言ったつもりだったのだけど、セツナは少し困った顔をして私を気遣ってくれる。


「無理しなくていいよ?俺は別に焦ってどうこうなりたいわけじゃないし……」

「無理じゃないわ!」


私の、意外にも強い口調にセツナが目を丸くする。

折角両思いになれたのに、こんな事くらいで愛想をつかれたくなかった。


「わ、私の事なら~本当に気にしないで~」


セツナの服の裾を掴んで、私はただ必死だったの。

怖くないと言ったら嘘になるけど、それでもセツナならいいと思うから……。

ううん。私がセツナじゃなきゃ嫌なの。

だから、震える体を無理矢理押し殺して、私は頑張って言葉を続ける。


「だ、だから……!その~……セツナがしたいなら……私は~……」


私が決死の覚悟で尚も言い募ろうとすると…………


「ぷっ!あははははははは!」

「なっ?!!!」


何で笑うの?!

ここって笑う所?!


セツナが急に笑い出して、酷いと思わない?!

私が真っ赤な顔で睨むと、一頻(ひとしき)り笑ったセツナが、目に溜まった涙を指で拭いながら謝罪する。


「あはは……はあ~。ごめんごめん。サヴリナがあまりにも可愛かったもんだから」

「~~~~~~~~~~」


そんな笑顔で、そんな事言われたら、怒るに怒れないじゃない!


「正直な所、サヴリナが俺を好きなんて実は半信半疑だったんだけどね」

「ひ、酷いわ~」


私は少し拗ねたように(むく)れてみせる。


「はは。ごめんね。でも……」


そう言うと、セツナが私の腕を引っ張って胸に抱くと、耳元で囁くように言ったの。


「今ので自信が付いた。俺もやっぱサヴリナが好きだよ」

「っ?!」


そして、今度はセツナの方からキスをしてくれたわ。

けど、さっきみたいな強引なキスではなく、優しく啄むように……何度も何度も……。

すると、徐にセツナの手が私の服の中に入ってきて…………私は思わず体を強ばらせてしまったの。

そんな私にも、セツナは優しく頭を撫でて安心させるように言ってくれたの。


「なるべく優しくするから」

「…………うん」


その言葉通り、セツナはとても優しかったわ。

私が少しでも痛がる素振りをするものなら、労わるように頭を撫でて、慣れるまでそれ以上進まなかったり……。


こう言うの『生殺し』って言うんじゃなかったかしら?


それでもセツナは、嫌な顔一つせず、決して私に無理強いなんてしてこなかった。

大事にされてる事が痛い程伝わってきて、自然と涙が出てきたの。

人前で涙するなんて、本当にいつぶりかしらね。


幸せ過ぎて…………………………怖い。


私がこんな風に思う日が来るなんて思わなかったわ。


この時間がいつまでも続けばいいのに……。

けれど私は知ってる。

こんな幸せにも、いつか終わりが来る事を_______________。


・-・-・-・-・-・-・-・-・-


それからも暫くは、セツナは忙しい毎日を送ってたの。

そんな中でも、私に小まめに文を送ってくれたりしていたわ。

頻繁に会う事は出来なかったけど、私にはこの千里眼があるもの。

これでいつでもセツナを視る事が出来るわ。

セツナはこの能力の事は知らないけど、セツナならきっと許してくれるわよね?ふふふ。


でもそろそろなのよね……。

ちゃんと覚悟はしているつもりだけど、いざその時になったら、正直自分でもどうなるか分からないわ。

それでも、私はセツナを困らせたくはない。

セツナがどれだけ苦しんで悩んでくれたか知っているから……。

だから私は、最後まで笑顔で居続けると決めてるの。


そうして、セツナからある文が届く。


大事な話がある、とーー。


それを見た瞬間、気持ちが揺れかかったのを自覚した私は、何度も深呼吸をして心を落ち着かせる。


それからの数週間、セツナが来訪するまで生きた心地がしなかったわ。

そして、とうとうその日が来てしまった。

セツナが“一人”で、このドワーフ国に訪れる。


「ん……」

クチューー。

「……ふ」

ピチャーー。

「ん……は……」

チューー。


私は二人きりになるや否や、自分からセツナに口付けをした。

深く舌を絡ませてセツナを求める。

多少羞恥心はあったけど、そんな事よりも私がセツナに触れたかった。

セツナに触れてほしかった。

セツナは何も言わず、優しく私を抱きしめてくれたわ。

私が求めるままに、舌を激しく絡ませてくれる。


「はあ……サヴリナ……」


どれくらいそうしてたか分からない。

最早唇の感覚すらもない。

漸く唇を離すと、私達の間に銀の糸が繋がる。

私もセツナも息が上がっていた。

セツナが、熱っぽい瞳で私を見て、艶っぽく私の名を呼ぶ。

それだけで、私の体が疼いてしまう。


私はいつからこんな淫乱になっちゃったのかしら?

これも全部セツナのせいよね?

ちゃんとセツナには責任をとってもらわなくちゃ…………


「………………しよ」


私はセツナの首に手を回しながら、セツナの膝の上に跨り、ただその一言だけを呟く。

そんな私の淫猥にも、セツナは呆れる事もなく、ただ微笑むだけだった。


「っ……あ…………セツナ……愛してるって言って……」

「……愛してる」

「もっと……一杯……んっ」

「愛してる……サヴリナを愛してる」


セツナは何度も繰り返し「愛してる」と言ってくれたわ。

私のどんな無茶振りな我侭にさえ、笑顔で応えてくれた。


それからの一週間は、セツナはずっと私の傍に居てくれた。

あまり遠くには行けなかったけど、生まれて初めてデートと言うものもしたの。

料理なんて碌にした事もない私の下手なお弁当に、セツナは美味しいと言って全て平らげてくれてとても嬉しかったわ。

レイバルトやガルダ達にも、自分が異世界に帰還する事を説明すると、ガルダが心底寂しそうに落ち込んでしまって、セツナか困りながらも、必死にガルダを宥めたりもしてたわ。


そうこうしてる内に、あっと言う間に一週間が経ってしまったの。

セツナは、今日も一日中私の傍に居てくれた。

今私は、セツナの膝の上で抱きかかえられながら座ってる。

そんな私に、後ろからセツナが躊躇いがちに口を開く。


「……サヴリナ、これからは……」

「嫌よ」

「?!サヴリナ……?」


私は、セツナの言わんとしていた言葉を遮る。


「どうせ~「これからは自分の事は忘れて幸せになってくれ」とかお決まりな事言うつもりなんでしょ~?」

「うっ……」


私がセツナの言う筈だった台詞を言い当てると、セツナが言葉に詰まる。

そんなセツナを見て、私は悪戯っぽく笑ってみせた。


「それよりも~私に渡す物があるんじゃないの~」

「……はぁ~、本当に何でもお見通しだよね。これじゃ、サプライズにもならないよ……」


セツナが苦笑しながらも、亜空間からある小箱を取り出す。


「まあでも、無駄にならなくて良かったかな?」


そう言いながら、セツナが小箱を開けると、そこには【チャロアイト】が嵌められた指輪が煌めいていた。


「……っ」


分かってた筈だった。

セツナが他の子達と同じように指輪を用意してくれていた事は…………ちゃんと知っていた筈だったのに、それを実際に見た瞬間、私は堪えきれずに泣いてしまったの。


「…………サヴリナ」


セツナが心配そうに私の名を呼ぶ。


「こ、れは~……うれし、な、みだ……だから~…………っ」


私はセツナに心配させない為に、必死に笑顔を作ろうとしたけど、上手く作れなかった。

そんな私に、セツナは優しく頭を撫でて、私の瞼に軽く口付けを落とす。


「……愛してるよ。サヴリナ」


もう何十回も言ってくれた言葉を、まるで呪文のように繰り返してくれるセツナ。

それは恰も呪詛のように私を縛り付ける。

けれど、それは私が望んだ事……。

私にとっては、その言葉が何よりも嬉しいものだから…………。


セツナは泣きじゃくる私の左手を取ると、薬指に指輪を嵌めてくれた。

私はうっとりとその指輪を眺める。


そうして、どちらからともなく顔が近づき口付けをした。


「さよなら」なんて聞きたくない。

セツナにもそれが伝わったのか、セツナは一度も別れの言葉を口にしなかったわ。

変わりに、いつもの呪詛を唱え続ける。


何度も……何度も…………何度も………………。


そうやってセツナはこの世界を旅立っていった_______________。


・-・-・-・-・-・-・-・-・-


あれから五年の歳月が流れる。

私は、セツナと別れてから、完全に無気力状態に陥ってしまった。

このままでは駄目だと頭では分かっているのに、中々心がままならない。

皆にも迷惑をかけているのは分かっているのだけど、自分自身どうすれば良いか分からないのだから、仕方が無いわよね?


そんなある日、レイバルトがある情報を持ってきたの。


「……帝国~?」

「はい。突然【死の砂漠】に出来たようでして……それにより、最近は魔物の活性化も見られるとか」

「ふ~ん……」


私は特に興味が無かったのだけど、何の気なしに、久し振りに千里眼で視てみる事にしたの。

実は、今迄【死の砂漠】には何も無いと言う話だったから、千里眼でも視た事も無かったのよね。

そう思い至ると、私は早速千里眼を発動する。

けれど…………


「くっ?!」

「女王!!」


【死の砂漠】を覗いた瞬間、瞳に強烈な激痛が走り、私は顔を顰める。

そんな私の異変に、レイバルトが慌てた声を出す。


「だ、いじょうぶよ~……心配しないで~」


私は努めて平静を装ってみたけど、私自身もこんな事は初めてで、流石に戸惑いを隠す事が出来なかったわ。

けれど、【死の砂漠】は瘴気が充満しているから、きっとそのせいだと私は無理矢理自分を納得させたの。


それから、更に五年が過ぎてしまったわ。

私は相も変わらず…………。

そろそろ皆も呆れて、私を女王の位から引きずり降ろす事を考えてるんじゃないかな~?何て、他人事のように思ってたら、突然大きく世界が揺れたの。


「あら~?これって地震ってやつかしら~?」


私が呑気にそんな事を呟くと、レイバルトが慌てて私の自室に駆け込んでくる。

私は慌てる事もなく、レイバルトに他の子達の安否の確認を指示すると、そのまま再びベッドに横になろうとして…………飛び起きる。


…………え?この強大な力の波動は……。


「あら?あらあら~?この気配は……間違いないわ~。また貴方に逢えるのね……」


私はまさかと思ったけど、すぐ様千里眼を発動して、波動の主である“彼”を探す。

すると、すぐにそれは見つかる。

姿は変わっていたけれど、転生者である彼なら、別段驚く事も無かったわ。

私はその姿を捉えると、顔に笑みが浮かぶ。

けれど、それと同時に涙が頬を伝う。

これは本当にただの嬉し泣き。

セツナなら、きっと私にも逢いに来てくれるわよね?


そう淡い期待をしたのも束の間、セツナが力を使い果たして倒れてしまったものだから、私はらしくもなく取り乱してしまう。

それからは、ずっとセツナを見続けていたわ。

セツナがエルフ国を出立してこちらに向かってると知った時は、大慌てでレイバルトに頼んで衣装の調達をしてもらったの。

セツナに最高の自分を見せたかった。

可愛いって言ってもらいたかった。


今迄のが嘘のように、私は動きまくったわ。

散々皆に迷惑をかけて押し付けていた仕事にも、率先して取り掛かった。

だって、セツナに見っともない自分なんて見せたくなかったもの。

レイバルト達もそんな私に目を剥いて驚いてたけど、とても喜んでくれたわ。

そんな皆に、私は申し訳ない気持ちで一杯になる。


そんなこんなで、慌ただしく毎日が続いてると、とうとうセツナがドワーフ国のすぐ近くまで来ている事を知った私は、居てもたってもいられず、入り口まで出迎えに出てしまう。

それには、門番二人を驚かせてしまったけど、待っていられなかったんだもの。

仕方無いわよね?


そして、少ししてと馬車の音が聞こえたかと思うと、幌の間から愛しい彼の姿が顔を覗かせる。

セツナは少し驚いた顔をしたけど、すぐに苦笑に変わる。

私は、そんなセツナの少し困った顔も好き。

いつも苦笑しながらも、最後にはしょうがないと言った感じで、私を受け止めてくれる。

私はそんなセツナに向かって左手を振った。


「セツナ~。お帰り~」


満面の笑顔で、愛しい人をお出迎えする。

この左手薬指には、今でもチャロアイトの指輪が嵌められていたのだった。


如何でしたでしょうか?

皆さんも色々思う所もあるでしょう。

何せ、書いた本人である作者も色々思っていますから(爆)

因みに補足として、レインバルはレイバルトの祖父に辺ります。

名前がややこしいのですが、作者の中の設定としては、人族以外の種族はそれ程名前に拘りはありません。

もう気付いてる方もいるかもしれませんが、人族には姓があり、他は名前だけです。

なので、先祖の名を貰ったり、名前を似せてたりするのは極普通なのですが…………もし皆さんかやはり読みにくかったりするなら、根本的にこの設定を見直すつもりです 笑笑

プライドの無い作者ですんませーん! 汗

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