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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第三章 新メンバーとドワーフ国で魔女との再会
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変人 と 武器職人

本日は四本を一気に投稿しちゃいます。

その後は、かなり上機嫌となったサヴリナに、魔方陣の部屋まで案内されて、俺は仕事に取り掛かった。


ベリアルとアルテミスが呆れた目で見てきて、アヤメは苦笑していたが、見て見ぬ振りをする。


ミシディアとカルミアは言わずもがな。


その後は、何故か近衛隊隊長の【レイバルト】に感謝された。

理由を聞いてみると、ここ最近……と言うか、十年程前から、サヴリナはよく物思いに耽ったり、仕事も碌に手が付かなくなったりして困っていたそうだ。


それはつまり、俺が帰還してからと言う事で………………。

嬉しいと言うか何と言うか…………何とも複雑である。


それからは、夜には約束通りサヴリナと一夜を明かした。

サヴリナが幸せそうに笑うのを見て、俺の心に温かなものが広がるのを感じた。


そして翌日に、俺達はある人物に挨拶をする為に、そいつの住居兼工房に来ていた。


「ガルダー?いるかー?」


だが返事はない。


「お留守でしょうか?」

「んー……」


俺は少し考えてからお邪魔する事にした。

勝手知ったる仲なので、ガルダも文句は言うまい。


ドワーフには朝も夜も関係ない。

起きたら貴金属を打ち、眠くなったら寝る…………寝ても覚めても、頭の中は常に自分の作品の事ばかりである。

一概にそうとは言えないが、ここの住人のガルダと言う男は、少なくとも職人気質なのだ。

少々偏屈で変わり者ではあるが、自分の作品には、並々ならぬ拘りを持っている。


俺は、二階のガルダの自室へと足を向ける。

もしかしたら寝てるかと思ったのだが……。


「いない、か……」


どうやら、本当に留守のようである。


鉱石を採掘しに鉱山にでも行ったのだろうか?


俺はそう思い、取り敢えずは皆の元へと戻る事にした。


「ガルダさんと言うのは、セツナ様のご友人なんですよね?」


王城への道すがら、ミシディアがそんな事を聞いてきた。


「ん?そうだよ?」

「どんな方なんですか?」

「んー……そうだな~、一言で言うなら変人?」

「へ?」


本人が聞いたら確実に怒鳴られそうな事を、俺は平気で口にする。


「良い奴ではあるし、腕も確かなんだけどな…………人に対しての好き嫌いが激しすぎるんだよ。自分の作品には異常な執念に近いものがあって、気に入らない相手には武器は売らないし、作らないんだよな~」

「へー、そうなんですか。難しい方なんですね」

「うん。まあでも、一度でも懐に入れた奴には、とことん情をかける良い奴だよ?それに意外と面倒見はいいしな」

「なるほど」


俺達がそんな会話をしながら歩いていると、一本の坑道の入り口付近に人だかりが出来ているのに気付く。


「?何かあったのか?」


何の気なしに、俺はその人だかりに近付く。

人だかりの中央に見知った顔があり、俺はそいつに声を掛けた。


「レイバルト」

「あ……セツナ様」


振り向いたレイバルトの顔色は優れない。

やはり何かあったようだ。


すると、レイバルトの影に隠れるように蹲っていた一人のドワーフが、震える体を抱きながら、真っ青な顔で叫んだ。


「……を!ガルダの旦那を助けて下さいっ!!」

「ッ?!」

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