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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第三章 新メンバーとドワーフ国で魔女との再会
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我侭な彼女 と 予想外

公開羞恥プレイから何とか立ち直った俺は、改めてサヴリナに【ある物】の製作を依頼した。

サヴリナは、快く引き受けてくれて(あんな恥ずかしい思いをさせたのだから断る筈がない)完成までには、一ヶ月~二ヶ月が必要との事。

だだし、これには魔族の協力が必要不可欠の為、ドワーフ国の【転移魔方陣】を修復したのち一度王都に戻り、次は【魔都】に行く予定だ。


そうして俺達は、漸くドワーフ国へ入国する事となった。


ミシディアが未だに、顔を赤らめて俯いたままだが……放っておこう。


念の為に、俺はサヴリナに帝国の事について聞いてみた。

何でも知っている彼女なら、何か情報を掴んでるかもと思ったのだが…………珍しく、サヴリナが申し訳なさそうな顔をして、帝国の事は残念ながら一切分からないのだと言った。

元々確認の為に聞いただけだから、気にしないでいいよと俺が言うと、漸く笑ってくれたのでホッとする。


そうして俺達は、城の応接室へと通された。


「今回来たのは、光石の事だけじゃないんだけど……って、サヴリナなら知ってるかな?」

「え~、勿論よ~。転移魔方陣の事でしょ~?」


知ってて当然とばかりに、サヴリナは言う。


「うん。それで早速だけど、魔方陣のある部屋に……」

「あら~?それは流石に性急すぎない~?」

「っ?!」


サヴリナに人差し指で、臍の辺りからつつつ•••と下に向けてなぞられ、俺の肌が総毛立つ。


「サヴリナ様っ?!」


アヤメがそれに対して悲鳴のような声を出す。


「あら~?何かしら~?」

「と、時と場所を選んで下さい……」


そう言って、アヤメはミシディアとカルミアをちらりと見遣る。


「あらあら~。そうね~その子達にはまだ早かったかしらね~」


そうしてサヴリナは、“いつも通り”の妖艶な笑みを浮かべた。


「……………………」


ふむ…………。


「悪い。皆、ちょっと待ってて」


俺は言うが早いか、サヴリナの手を引いて皆から離れた。


「……え?」


サヴリナが小さく声を洩らす。


ミシディアとカルミアは分かっていないだろう。

他の三人は、こんな俺の突然な行動を多分理解してると思う。


俺はそのまま廊下の角を曲がり、皆から見えなくすると、サヴリナの腰を抱いて引き寄せ…………強引に唇を奪った。


「んっ?!」


流石のサヴリナも、俺のこの行動は予測不能だったらしく、目を大きく見開いて硬直する。


そう、俺は気付いていたのだ。

あの時一瞬だけ、サヴリナの瞳が寂しそうに揺らぐのを…………。


この(ひと)は、いつも人をからかって楽しむどうしようもない人だけど、本当は誰よりも寂しがり屋なのを俺は知っている。


俺より年上のくせにーー。

俺より物知りなくせにーー。

いつもは大人びてるくせにーー。


それなのにこの人は、我侭でどうしようもなく意地っ張りで子供っぽくって…………。


そんな彼女が、とても愛おしくて、俺はいつも許してしまうんだ。


今ではサヴリナも、体の力を抜いて、俺の首の後ろに手を回していた。


実際はたった数分だっただろう。

けれどその数分の間に、酷く激しく淫靡な音を立てながら舌を絡ませる。


くちゅーー。

「……ん」

ぴちゃーー。

「は……」

ちゅーー。

「ふ……ん……」


そうして俺達は唇を離す。


サヴリナの瞳は、熱に浮かされたように潤んでいた。

唇の端から銀の糸が垂れていたので、指で拭ってやる。


「ごめんね。夜にはちゃんと体は空けとくから、それで許してくれないかな?」


サヴリナの耳に囁くように言うと、彼女の体が一度ピクリと跳ねる。


「も~本当に狡い人ね~」


そう言ったサヴリナは、今度こそ“本当に”妖艶な笑みを浮かべ、俺達はもう一度唇を重ねるのだった。

基本、主人公は彼女達には意外と鋭いです 笑

前回のベルの時は、ニーズヘッグで忙しかったので気付いてあげれなかっただけです 笑笑

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