我侭な彼女 と 予想外
公開羞恥プレイから何とか立ち直った俺は、改めてサヴリナに【ある物】の製作を依頼した。
サヴリナは、快く引き受けてくれて(あんな恥ずかしい思いをさせたのだから断る筈がない)完成までには、一ヶ月~二ヶ月が必要との事。
だだし、これには魔族の協力が必要不可欠の為、ドワーフ国の【転移魔方陣】を修復したのち一度王都に戻り、次は【魔都】に行く予定だ。
そうして俺達は、漸くドワーフ国へ入国する事となった。
ミシディアが未だに、顔を赤らめて俯いたままだが……放っておこう。
念の為に、俺はサヴリナに帝国の事について聞いてみた。
何でも知っている彼女なら、何か情報を掴んでるかもと思ったのだが…………珍しく、サヴリナが申し訳なさそうな顔をして、帝国の事は残念ながら一切分からないのだと言った。
元々確認の為に聞いただけだから、気にしないでいいよと俺が言うと、漸く笑ってくれたのでホッとする。
そうして俺達は、城の応接室へと通された。
「今回来たのは、光石の事だけじゃないんだけど……って、サヴリナなら知ってるかな?」
「え~、勿論よ~。転移魔方陣の事でしょ~?」
知ってて当然とばかりに、サヴリナは言う。
「うん。それで早速だけど、魔方陣のある部屋に……」
「あら~?それは流石に性急すぎない~?」
「っ?!」
サヴリナに人差し指で、臍の辺りからつつつ•••と下に向けてなぞられ、俺の肌が総毛立つ。
「サヴリナ様っ?!」
アヤメがそれに対して悲鳴のような声を出す。
「あら~?何かしら~?」
「と、時と場所を選んで下さい……」
そう言って、アヤメはミシディアとカルミアをちらりと見遣る。
「あらあら~。そうね~その子達にはまだ早かったかしらね~」
そうしてサヴリナは、“いつも通り”の妖艶な笑みを浮かべた。
「……………………」
ふむ…………。
「悪い。皆、ちょっと待ってて」
俺は言うが早いか、サヴリナの手を引いて皆から離れた。
「……え?」
サヴリナが小さく声を洩らす。
ミシディアとカルミアは分かっていないだろう。
他の三人は、こんな俺の突然な行動を多分理解してると思う。
俺はそのまま廊下の角を曲がり、皆から見えなくすると、サヴリナの腰を抱いて引き寄せ…………強引に唇を奪った。
「んっ?!」
流石のサヴリナも、俺のこの行動は予測不能だったらしく、目を大きく見開いて硬直する。
そう、俺は気付いていたのだ。
あの時一瞬だけ、サヴリナの瞳が寂しそうに揺らぐのを…………。
この女は、いつも人をからかって楽しむどうしようもない人だけど、本当は誰よりも寂しがり屋なのを俺は知っている。
俺より年上のくせにーー。
俺より物知りなくせにーー。
いつもは大人びてるくせにーー。
それなのにこの人は、我侭でどうしようもなく意地っ張りで子供っぽくって…………。
そんな彼女が、とても愛おしくて、俺はいつも許してしまうんだ。
今ではサヴリナも、体の力を抜いて、俺の首の後ろに手を回していた。
実際はたった数分だっただろう。
けれどその数分の間に、酷く激しく淫靡な音を立てながら舌を絡ませる。
くちゅーー。
「……ん」
ぴちゃーー。
「は……」
ちゅーー。
「ふ……ん……」
そうして俺達は唇を離す。
サヴリナの瞳は、熱に浮かされたように潤んでいた。
唇の端から銀の糸が垂れていたので、指で拭ってやる。
「ごめんね。夜にはちゃんと体は空けとくから、それで許してくれないかな?」
サヴリナの耳に囁くように言うと、彼女の体が一度ピクリと跳ねる。
「も~本当に狡い人ね~」
そう言ったサヴリナは、今度こそ“本当に”妖艶な笑みを浮かべ、俺達はもう一度唇を重ねるのだった。
基本、主人公は彼女達には意外と鋭いです 笑
前回のベルの時は、ニーズヘッグで忙しかったので気付いてあげれなかっただけです 笑笑




