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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第三章 新メンバーとドワーフ国で魔女との再会
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女王 と 魔女

俺が入り口前に着いて馬車から降りると、すぐ様少女が俺の腰に抱きついてきた。


「お帰り~。セツナ~」


俺は苦笑しながらも、少女の頭を撫でながら言った。


「ただ今。【サヴリナ】」


サヴリナは、このドワーフ国の女王であり、通称【魔女】と呼ばれている。


何故なら…………この女性は初めて会った時から変わらない。


俺と初めて会った時のまま、姿形は変わらず、少女の姿をしているが、俺より遥かに年上である事は間違いない。

間違いない……と言うか、ステータスを一度も見た事がない。

ステータスを一度見ようとしたら、凄い形相で睨まれた…………。


なので、俺でさえサヴリナの事は謎なのだ。


「それにしても、良く俺の事が分かったな」

「分かるよ~。旦那様の事だも~ん」


うっとりした瞳で俺を見つめてくる。


こんな謎過ぎる彼女を可愛いと思ってしまう俺も、大概だと思うけど……。


サヴリナは物知りだ。

と言うより、彼女がこの世界で知らない事は無いのでは無いかと言う程に、サヴリナは何でも知っている。

一体どんなスキルを持っているのか気になる所だが、本人が嫌がる事はしたくないので、気にしない事にしているのだ。


「あはは。相変わらずだね。それで態々出迎えに来てくれたの?サヴリナ、滅多に城から出ないのに」

「そだよ~。うふふ。ねぇ、今日の服ど~う?似合う~?」


そう言って、サヴリナは俺の前でクルリと回ってみせて、スカートの裾を少し持ち上げる。


それは、地球で言う所のゴスロリファッションだった。


「うん。とても良く似合うよ」


俺がそう言うと、サヴリナは妖艶に美しく笑うのだった。






「それで、今回来た理由だけど……」

「分かってるよ~。中じゃ入らないから~ここで出してくれる~?」


俺が説明するよりも早く、サヴリナは事情を既に把握しているようであった。


本当に謎過ぎる……。


俺はそんな彼女に苦笑するだけだ。

俺はサヴリナに言われた通りに、【亜空間】から【光石】を取り出した。

その大きさに、カルミアと衛兵が目を丸くして驚いた顔をしている。


「あらあら~。思ったより大きいわね~」


そう言いながら、サヴリナは【光石】を360度見回しながら、何やらブツブツ言い始めた。


「……うん。これなら~思ったよりも多く作れるかも~?」


本当に説明要らずで助かるな……。


「それは、頼まれてくれるって事でいいのかな?」

「ん~、そうね~……」


俺がそう聞くと、サヴリナは少し渋る仕草をしてから、上目遣いで「んっ」と言って目を瞑ってきた。


「え~……と?」

「あら~?人に物を頼む時は~それ相応の対価が必要じゃなくて~?」


サヴリナはそう言って妖しく笑う。


う、うーん……それ事態は別に問題は無いんだが…………


俺はチラリと後ろを見た。


アヤメはカルミアの目を塞ぎ、ミシディアはまだ意味が分かっていないのかニコニコして、ベリアルとアルテミスは呆れながらも明後日の方を向いてる。


衛兵二人にしても、回れ右をして後ろを向いている…………そう、ここはまだ外なのだ。


二人っきりなら喜んでしたんだが……。


とは言うものの、サヴリナはきっと俺がするまでずっとこのままでいそうだしな……。


俺は軽く溜め息を吐いてから、覚悟を決め、サヴリナの唇に……………………チュッと口付けをした。


「うふふ。ちょっと物足りないけど~続きはまた後でね~」


そう言って、サヴリナは軽くウィンクする。


……………………この羞恥プレイは流石にイタい!!


俺は一人頭を抱えるのだった。

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