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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第三章 新メンバーとドワーフ国で魔女との再会
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新しい仲間 と 帝国の情報

俺達は翌日にエルフ国を旅立った。


「ふぁ……」


俺は大きな欠伸を噛み殺す。


昨晩から朝方まで、ベルナデッタと共に過ごした。

若干の疲労は見られるが、それでも心は穏やかだ。

ベルナデッタも少し疲れた顔をしていたが、満足はさせてあげられたのではと思う。

この件が片付けば、ゆっくり会いに来ると言ったら、幸せそうに『お待ちしています』と言ってくれた。


それを思い出して、自分の顔がニヤけるのが分かる。

すると、すかさずベリアルの冷ややかなツッコミが入った。


「気持ちが悪い」

「……失礼な」


とは言うものの、今後の旅も何が起こるか分からない状況なので、俺は新たに気を引き締める事にした。


「セツナ様はずっと【転移魔方陣】の修復に当たっていたのですから、お疲れなのは仕方ないですよね?」


そんな見当違いな発言をしてきたのはミシディアだ。


今回、改めて彼女が俺達の旅の仲間として同行する事になった。


実は、誰か【精霊魔法師】を暫く貸してくれないかと申し出た所、ミシディア本人の強い希望により、俺達と共に行く事が決定した。


どうやら、先日のニーズヘッグの件で、彼女なりに思う所があったらしい。

もっと世界を見て、自分自身を磨きたいと言う話だったので、俺はカーゼノスの許可が降りるなら、と快く承諾したのだ。


向上心があるヤツは嫌いじゃない。


「ふふふ。そう言う事ではないんですけどね」

「え?どう言う事です?」

「いいえ。ミシディアはまだ知らなくて良いかもしれませんね」


そう言って優しく笑うアヤメ。


アヤメにとってミシディアは妹のような存在なのだろう。

尚且つ男所帯な旅で、同性が共に居る事が嬉しくて堪らないと言った様子だ。


ミシディアは、訳が分からないと言った感じで、キョトンとしていた。


そんな二人を、俺は微笑ましく見るのであった。


今回の目的地は【ドワーフ国】だーーー。


本当は、【獣人国】に向かう予定であったが、思わぬ拾い物……【光石】を手に入れた俺は、ある事を思いついてドワーフ国へと、急遽計画を変更する事にした。


【あの人】は元気にやってるかな……。


俺は、不思議ロリ美少女の【魔女】の事を思い浮かべる。


まぁ、あの人に何かあるとは思わないけども……。


そんな事を考えていると、ベリアルが唐突に口を開いた。


「……セツナ」

「ん?」

「【分体】からの連絡だ」

「?!」


俺は馬車の中で、いつも通りアヤメの膝の上で寝ていたが、ベリアルのその言葉でガバリと起き上がり、身を乗り出した。


正直不安はあった。


【魔素】が濃くなっているこの現状で、ちゃんと連絡が取れるのかどうかを……。


分体は、能力は下がるが本人をコピーした【実体ある分身】なので、分体に何かあれば【本体】にもそれが伝わるようになっている。

そして、【念話】で本体に連絡を取る事も可能だ。


「……で?何だって?」


俺は真剣な面持ちで、ベリアルに問い質す。


「少し待て……む?やはりノイズがかかっているか……だが聞き取れなくはない」

「………………」

「……成程。分体の報告によれば、【帝国】なるものの主な住民は…………【元奴隷】達だ」

「「『「ッ?!」』」」


その言葉に、俺達は息を呑む。


「それはつまり……元奴隷達による暴動?と言う事か……?」


俺は眉を顰める。


俺とて、たった十年でどうにかなるとは思っていなかった。

なんせ、【奴隷制度】は何千年と続いてきた、この世界の弊習であったのだから……。


そうなると、やはり今回のこれは、その皺寄せによるもの……と言う事か?


「いや……詳しくはまだ分からないらしい。確かに元奴隷達が居るには居るが、今の所は怪しい動きは見られないそうだ。と言うよりは、皆生き生きとしているらしい……」

「……そうか」


幸せに暮らせているのなら、それはそれで良い。

遺恨が残らない事はないだろうが、それでも前に進めているのならそれはとても喜ばしい事だ。


けれど、この事を軽視出来る程、俺は楽観主義者ではない。


「そのまま、引き続き帝国の動向を探っていてくれ。ただし、危なくなったらすぐに撤退を」

「了解した」


俺は一度息を吐く。


帝王なる者の思考がいまいち理解出来ない。

大きな事をしているようで、けれど実際は表立った事をしているわけではない。


エーデル…………。


俺は、嘗ての心優しい仲間を思い出す。


本当にお前なのか…………?


まだ何の証拠も上がっていない。

強いて言えば、あの村でのボブベアー事件で、エーデルが関与している可能性がある、と言うそれだけである。


それに、あのエーデルに【転移魔方陣】やら【ニーズヘッグ】やらをどうこうする力は無かった筈だ……。


俺が思索に耽っていると、ふと手の甲に生暖かいものが触れたのを感じた。


横を見ると、アヤメが俺の手に優しく触れている。

皆を見てみると、俺の事を心配そうに見ていた。


ダメだな俺は…………。


俺は自分に苦笑して、アヤメの手を握りしめてから、皆に笑顔を向けて言った。


「分からない事はしょうがない!今はやるべき事を先にやろう!」


そう、俺達にはまず、ドワーフ国でやるべき事があるのだ。


それは、自分自身に言い聞かせる事でもあり…………決意を新たにするものでもあった。


仮にエーデルが主犯格だとしても、この世界を混沌に導こうとするなら………………俺は誰であろうとも容赦はしない。

いつもこんな拙い小説を読んで下さる皆様に心から感謝をm(_ _)m


さて、皆様は覚えているでしょうか?

主人公に追加された称号を…………………………そうです!!【夜の帝王】!!!!

そりゃ、そんな称号も追加されるわな! 笑笑

未だに本人が、何故そんな称号があるのか分からない所が問題だが…… 笑

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