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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第一章 二度目の異世界は十年後?!
3/96

成長 と ステータス

白法衣を纏った代表者らしい一人の女性が、ゆっくりとフードを取り、生徒達を見廻しながら口を開く。


生徒達を見回した時一瞬落胆したように見えたのは気のせいだろうか?


「【勇者】の皆様!ようこそ【アルガナリア】へ!!私の名は【アリア・ウィル・サリファム】と申します」


女性が良く聞くような定番の口上を述べる。

その女性は、それこそ王道の金髪碧眼の美少女であった。


俺はその姿を見て、眩しそうに目を細める。

女神が言うには、あれからこの世界は10年しか時間が経過していないそうだ。

当時はまだ11歳だった彼女は、とても凛々しく美しく成長していた。

そんな彼女を見て、俺の心が温かくなるのを感じる。


アリアの第一声を聞いた生徒達は、更に動揺した様子を見せるが、アリアはそれに落ち着いて言葉を続けた。


「皆様、色々と疑問に思う所もあるでしょう。詳しい説明は我が王がなさりますが、まずは【ステータスオープン】と声に出してみて下さい」


生徒達はまだ戸惑いつつも、言われた通り一斉に「ステータスオープン」と口にする。


実際ステータスを見るのに口にする必要もないのだが、経験のない者にはこれが一番分かりやすく、何より自分の意思で口にする事により、それの実感を与えると言う意味もある。

俺は勿論、頭で念じるだけで【ステータス】を見る事は出来たが、周囲に倣って、敢えて口にしてみた。

するとそこには、ゲームさながらに、【ステータス画面】が表示される。

それを見て周囲からどよめきが走る。

何人かはそれに興奮しながら、隣の子に何やら捲し立てたりしていた。


だが俺は自分の【ステータス画面】を見て、我が目を疑う事になる。

目を擦っては何度も見直したが、目の前に映る現実は何も変わらなかった。


……………………………………おい。


俺のステータスが有り得ないバグを起こしてるんですけど?


===============

【名前】セツナ・ジングウ

【性別】男

【年齢】17

【種族】現人神

【職業】魔法剣士


【レベル】神のみぞ知る

【HP】神のみぞ知る

【MP】神のみぞ知る

【魔力】神のみぞ知る

【攻撃力】神のみぞ知る

【防御力】神のみぞ知る

【魔攻】神のみぞ知る

【魔防】神のみぞ知る

【俊敏力】神のみぞ知る

【命中力】神のみぞ知る

【回避力】神のみぞ知る

【魅了】神のみぞ知る


【精霊魔法】全精霊

【魔法スキル】全魔法


【スキル】

〈言語解読〉〈体術〉〈拳術〉

〈剣術〉〈双剣術〉〈槍術〉

〈弓術〉〈刀術〉〈投擲術〉

〈斧術〉〈暗器術〉〈治癒術〉

〈馬術〉〈身体強化〉〈暗視〉


【特殊スキル】

〈並列思考〉〈魔力眼〉〈威圧〉

〈上級鑑定〉〈上級隠蔽〉

〈上級隠密〉〈従魔召喚〉

〈危険感知〉〈複合魔法〉

〈多数魔法〉〈上級鍛治術〉

〈上級錬金術〉〈全状態異常耐性〉

〈亜空間収納魔法〉〈転移魔法〉

〈幻影〉〈遡行魔法〉


【固有スキル】

解析(アナリシス)

吸収(アヴソープション)

〈不老〉〈眷属〉


【称号】

〈異世界人〉〈神々の寵愛〉

〈武道を極めし者〉

〈魔法を極めし者〉〈初代勇者〉

〈超越者〉〈全種族を従わせる者〉

〈世界を統べる者〉〈色魔の王〉

〈夜の帝王〉


===============


俺は眉間を押さえた。

現実逃避したいのをグッと堪える。

出来れば誰かに嘘だと言ってほしかった。


え?俺って既に人じゃないのか?

んなアホな……。

【種族】も何故か【現人神】になってるし?!

意味が分からん!!

しかも、全ステータスが何故【神のみぞ知る】になってるんだよ?!

確かに最後の旅の時なんか、ステータスを見る事もしなかったが、だからってこれは無いだろ?!

仕事しろよ!!女神っ!!


それに、見た事も無いスキルも追加されてるし……もう既に嫌な予感しかないんだが……。


~~~~~~~~~~~~~~~

【不老】


老いる事も寿命も無い。

ただし、病気もするし、不死では

ないので、致命傷を受ければ死ぬ

事もある。


~~~~~~~~~~~~~~~

【眷属】


所有者が認めた者、大切だと思う

者達に、自動的に【不老】の恩恵

を与える。


~~~~~~~~~~~~~~~


ナンデヤネンッ?!


あまりの衝撃的内容に、つい関西弁でツッコンでしまう。

マジで俺人間じゃなくなってるんですけど……。

何故こうなった?


「ははは……」


もう乾いた笑いしか出てこない。

俺は人知れず天を仰いだ。


正直俺のライフポイトンはゼロに近かった。

こんな異常事態は、全くの予想外である。

けれど俺への攻撃はまだ終わらず、最後に容赦ないカウンターが待っていたのだった。


〈神々の寵愛〉

本来の〈神の加護〉が何故か〈神々の寵愛〉に変更になっているが、まぁ、いいだろう。

『寵愛』の部分に引っ掛かりがないわけではないが……。

〈初代勇者〉

え?俺って初代だったの?

初耳である。

自分の事ながら知らなかった。

〈超越者〉

もうステータスがバグさながらに『神のみぞ知る』になってる事から予想はされる事だ。

嬉しくはないが……。

〈全人類を従わせる者〉〈世界を統べる者〉

別に『人類を従わせた』つもりも『世界を統べた』つもりもないが、これは恐らく、以前に俺が世界を平和に導いたとか何とかを、多少脚色して大袈裟に言ってるだけだろう。

そうだと思いたい……。

〈色魔の王〉〈夜の帝王〉

…………………………これは何?どう言う意味だ?


いや、意味は分かるのだが、何故こんなのが【称号】に付与されてるのか理解出来ない。

俺は心の中で一度大きく息を吸い込み………………


ふっっっざけんな--------------------!!


と、ここに居ない女神に叫ぶのだった。


つか!さっきまでのシリアス展開はどこ行った?!

まさかあれ全部演技とかじゃないだろうな!!

流石にそれは無いと思いたい……!!

きっと女神が今の俺を見てたら、腹を抱えて大爆笑してる事間違いないだろう……。

絶対にあの性悪女神に遊ばれてる!!


「はぁ~……」


俺はもう何か色々諦めたよ。

周囲の生徒達が、一通りステータスを確認し終わったのを頃合いに、アリアが再び口を開く。


「それでは、皆様の確認が済んだ所で、この【記録玉】と呼ばれる水晶球を一人ずつ順番に手に取っていただきます。【記録玉】には色々な用途がありますが、この水晶球には、皆様の【ステータス】を記録する仕様になっておりますので、【ステータス】を表示したまま、その場でお待ち下さい」


そう言ってから、アリアは生徒一人一人に【記録玉】を持たせる。


俺は慌てて、早速スキル【隠蔽】を発動した。

このスキル【隠蔽】は、簡単に説明すると、周りに『誤認』させる事である。

姿もそうであるが、この場合だと、自分以外の人が【ステータス】を覗き見したとしても、よっぽどの事がない限り、嘘の情報が相手の目には映るのだ。

俺の【隠蔽】は上級スキルなので、高度な魔道具とかでない限り、【記録玉】にも『誤認』として記録される筈である。


そんな訳で、俺は【レベル】を1に戻し、【種族】を【人族】に書き換え、それから【神のみぞ知る】なんて訳の分からないふざけた文面を普通……よりも寧ろ初期設定より少し少なめに書き換えておいた。

それから、【スキル】も必要最低限のもの以外は隠し、【称号】も〈神々の寵愛〉を〈神の加護〉へと書き換え、後は〈異世界人〉以外を隠す事にした。

後は名前だが、一応この場は偽名にしとくかな?

偶然か必然か、漢字は違えども名前は昔と同じ名前なのだ。

ややこしくならずに助かるが……。


これでひとまずは安心だと、額の汗を(出ていないけど)拭う。


何故ここまでするのかと言うと、流石にこの場に人が多すぎたからだ。

別に他の人にバレたならバレたで構わないが、一々今説明するのが面倒いと言うのが大きな理由だ。

アリア達には、後で何とか個人的に接触を試みるとしても、他の生徒達の注目を浴びるつもりは今の俺には毛頭ない。

何より、こんなステータスを見られるのは恥だ!!


そうこうしていると、俺の順番が回って来て、【記録玉】を手渡される。

【記録玉】が薄く発光したかと思うと、そこには予想通り、俺の【隠蔽】したステータスが映し出されていた。


安心したのも束の間、その次の瞬間に、何やら背中がゾクリと粟立ったのを感じた。

俺は咄嗟に後ろを振り返り……そこには当然ながら、成長した懐かしい女性が立っていた。

昔の彼女の身長は、俺の腰ぐらいまでしかなかったが、今ではほぼ同じ身長となっている。


アリアの見開かれた目と、俺の目が搗ち合う。

アリアの綺麗な碧眼が、今じゃ金色に輝いていた。


マジかよ…………。


常人には気付かない……俺だから【視る】事が出来たのだ。


それは、【精霊眼】と呼ばれる【特殊スキル】だった。

この【精霊眼】には、ありとあらよる【隠蔽】や【隠密】は効かない。

その瞳は真実のみを映し出し、【隠されたもの】があれば自動的に発動するようになっている。

それに加え、階級が上がれば『悪意』や『殺意』と言ったものまで過敏に【視る】事が出来る為タチが悪い。

故に、上流階級の者達は、こぞってこの力を欲するが、そうそうこの力を手に入れられる程このスキルは簡単ではない。

しかも【人族】である筈のアリアが持っているなど……。

流石に俺も予想だにしていなかった事態であった。

生半可な覚悟ではこの力は手に入らない。

【精霊眼】とは、文字通り【精霊】の力を借りるものだ。

だが、それだけなら【精霊魔法師】なら誰でも出来る。

【精霊眼】は、常時【精霊】を体内に【憑依】させ、尚且つ、自らの魂と融合させて初めてその能力を開眼させるものだった。

これが【エルフ】だったなら、まだ可能性があっただろう……。

【エルフ】は【精霊】と近しい為、【精霊魔法】を得意とする種族であるからだ。

けれども、エルフでさえ、そう簡単に習得出来る程、この【精霊眼】は甘くはない。

しかも、アリアは純粋な【人族】であった筈だ。

それを考えただけでも、彼女がどれだけの努力をしてきたのか推し量れるものではなかった。

それに……どうやらこの様子からすると、彼女もまた、上級スキルの【精霊眼】を所有していると見てまず間違いないだろう。

俺の【上級隠蔽】が、ただの【精霊眼】で視る事が出来るわけがない。


これは速攻でバレたかな……?


俺の苦労は何だったのかと呆れつつも、彼女の成長ぶりに素直に賞賛したい気持ちもあり、俺は苦笑するしかなかった。

そんな俺を見て、彼女は一瞬ハッとした顔をしたが、すぐに顔を引き締め次の生徒の所へと向かった。

俺の意図を汲み取り、この場で話し掛けるべきではないと空気を読んでくれたのだろう。


なんとも頼もしい事か……。


だがこれで、どう接触すれば良いか悩まずに済むな。

後はあちらから接触してくるまで待つ事にしようか。


俺はこれからの、二度目のこの世界に思いを馳せるのであった。

ここまで読んでくださり有難うございますm(_ _)m


さて、ステータスですが、話を進める内に追加等するかもしれません。


基本ステータスは、この1話だけにしようと思っています。

主人公は成長しませんから。既に無双してますから 笑笑


では、次話も出来れば見て下さると嬉しいです。

一応これでも勉強してるんですよ?

成果は見られませんが…… 汗

なるべく読みやすように頑張るつもりです!

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