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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第二章 エルフ国での脅威誕生
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空間魔法 と 転移魔方陣

今俺の目の前にあるのは、エルフ国の王城に設置されてある【転移魔法陣】だ。

この【魔法陣】は、サリファム王国を初めとした、各国の王城に繋がっている。


けれど、この【魔法陣】も、サリファム王国同様に、現在進行形で使用不可となっている。

俺はそれを再度使用出来るようにする為にここまで来たのだ。


俺も最初は不安だった。


自分で提案した事とは言え、理論上は可能だとしても、やる事は前代未聞なので、実際やってみない事には何とも言えないからだ。


けれど今は何の不安もない。


正直悔しいが、前回のあの村での事件で、既に立証されてしまっていたのだから……。

あまつさえ、俺の【解析】で、細かいやり方までちゃんと理解はした。


後は、根気との勝負である。


俺は、地面に横たわる【魔法陣】に手を触れる。

全神経を研ぎ澄ませ、集中させる。


【転移魔法陣】に必要なのは、【魔力】と【精霊】だ。


これには理由があり、本来人間が【空間】内に存在する事はまず有り得ないのである。


【亜空間】も【異空間】も、厳密に言えば、どちらも同じような【空間魔法】の一種であるが、本来【空間】に限界は存在しない。


では何故、【亜空間収納魔法】が【魔力】の量によって、収納量が変化するのか?


それはただ単に、人が無理矢理【空間】内に干渉する『弊害』でしかない。


【空間】に限界は無いが、【魔力】には限界がある。


無理矢理【空間】に穴をこじ開けるには、それ相応の【魔力】が伴うので、【亜空間】を使えない者と、使えたとしても、魔力量が少なくて僅かにしか【空間】を開く事しか出来ない者……そう言う違いなのだ。


そして【異空間魔法】であるが、これはそのままに、『異なる』空間と言う意味だ。


俺が使用している、屋敷の結界も馬車の簡易テントがこれに該当する。


【空間】をこじ開ける事は出来ても、そこに人が入る事は出来ない。


なので、【魔力】でそれを()()するのだ。

簡単に言えば、【空間】内に【魔力】の()を張るような感じで覆い、そこを自分のテリトリーとして作り上げる。


最も、これらの事を実際に理解している者はまずいない。

この世界の人間は、【魔法】は『そう言うものだ』と言う認識なのだから。


俺がこんな説明を出来るのは、単にスキル【解析】様様のお陰である。


そして最後に【転移魔法】だが、これは正式には、【転移異空間魔法】と言う。


【異空間】が付いてる事から分かるように、これは『異なる』【空間】を繋げて移動する、と言う意味だ。

先の二つは、実は【空間魔法】の適正があり、努力次第で誰でも使用出来なくはない。


けれど、【転移魔法】だけは、少々特殊である。


最初に言った通り、【転移魔法】に用いるのは【魔力】と【精霊】……即ち【精霊力】である。

故に、まず一人でこれを行う事はかなり難しい。


俺のように、両方の適正がある者以外は……。


概要はこうだーーー。


1.【魔力】により道を作る

2.【精霊】に道先案内人を頼む


【魔力】の道とは、【異空間魔法】の説明のように、【空間】を固定する事だ。

それを道を作る要領で、別の【魔法陣】がある【空間】へと繋げる。


そこで初めて、転移の下準備が整うわけだ。


そして次に、【精霊】の道先案内だが、特に複数の出入口があった場合……勿論だが、【空間】内に標識などは存在しない。


右も左も分からない状態で進めるわけもない。


そこで、【精霊】に頼んで、案内をしてもらうわけだ。

それだけでなく、不測の事態に備えて、と言う意味合いもある。

もし【空間】内で、何かしらのトラブルがあり、中に閉じ込められてしまったら元も子もない。

その場合は、精霊が独断で別の出口に誘導するか、転移元に返すかしてもらう。

その為には、半端な精霊ではなく、せめて中級以上、出来れば上級精霊が望ましい。

なので、【転移魔法陣】を作成するには、【精霊魔法師】が必要不可欠なのだ。


そしてこれもまた、俺のスキル様様のお陰なので、一般人は理解する間もなく、瞬時にテレポートするので、そんなものだと言うのが世間一般の認識である。


そして、今現在の問題として、この【転移魔法陣】が使用不可な理由たが……実は、【空間】内にも微量の【魔素】が存在する。


【魔素】は、【魔力】の『素』とされるのだが、今迄は、微量の【魔素】だった為に、特に気にする事もなく、普通に魔力の道を作るだけで良かった。

けれども、突然【空間】に大量の【魔素】が流れて来てしまい、固定していた魔力の道がバランスを崩し、『道』としての機能を失ったと思われる。


と言うか、実際そのようであった。

皮肉な事に、敵さんに教えてもらった事だが……。


なので、俺が今やろうとしている事は、その【魔素】を有効活用しようと言う事なのだ。

つまりは、魔力の道を【魔素】を利用して道を固定する……簡単に言えば、オートで『道』を作り上げるように調整するのだ。


簡単に聞こえるかもしれないが、普通はこんな馬鹿げた事は考えないし、何より誰もやろうとはしない。

何せ、莫大な魔力と集中力、精神力が必要となるのだから……。


これが出来るのは恐らく、この世界広しと言えども、俺とベリアル……後は敵さんくらいなものかもしれない。


それでなくとも、【転移魔法】と言うのは難しいのだ。

転移先の距離などにもよって、それらが変わってくる。


方角・力の調整・距離の長さ、などなどを全て計算した上で行う必要がある。


ましてや、今回のように複数の転移先を繋げなくてはいけないので、一朝一夕と言うわけには行かない。


数日は覚悟しておく必要はある。


俺は【魔力】を【転移魔法陣】に注ぎ込む。


サリファム王国の【魔法陣】には、既に【扉】は開けておいた。

扉を開けるだけなら、それ程難しくはない。


なので、俺がこのエルフ国の【魔法陣】に施すのは、サリファム王国への道と、各国の【魔法陣】への【扉】を開けておく事である。





その日の晩、俺は疲れた身体を引きずるように、王城内に設けられた自室へと戻ってきた。


扉を開けた瞬間、そこには居るはずもない人が居て、居るはずの人が居なかった……。


一瞬、俺は理解が追い付かずに、その場で硬直してしまう。


「え~……と?アヤメは?」

「すみません。いきなり押し掛けて…………迷惑かとも思ったのたのですが……アヤメさんには無理を言って、今晩だけは……と変わっていただきました」


そう、ここはアヤメと一緒に借りている部屋なのだが、そこにはアヤメでなく、ベルナデッタが居た。


しかも【実体】で…………。


ベルナデッタの瞳は、不安そうに揺らいでいた。

俺は頭を掻きながら、ゆっくりとベルナデッタに近付き肩に触れる。

一瞬ベルナデッタの肩がビクリと大きく揺れた。


俺は背伸びをして…………男として正直悔しいが、ベルナデッタの身長は俺より高いのだから仕方ない…………彼女の薄くも柔らかい唇に、俺の唇を軽く押し当てる。


「迷惑なんて思うわけないだろ?俺こそゴメン、気付かなくて。今から挽回させてくれるかな?」


そう言って笑いかけると、ベルナデッタの瞳から大粒の涙が零れる。


そうして俺達は、今度は深く……深く唇を交わして…………共に夜を過ごしたのだった。

む……難しい…………

説明が難しすぎ 汗


途中自分でも何書いてるのか分からなくなり、何度も読み返してしまったよ 笑

それでもちゃんと説明が伝わってるのかまだ不安ですが 汗


ちゃんと皆さんに伝わっている事を願っております。


補足


説明でも分かる通り、この世界では個人での【転移魔方】は使用出来ません。

主人公なら或いは…………けどしません 笑

意外と転移は難しいのですよ 笑笑

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