表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第二章 エルフ国での脅威誕生
22/96

大聖人 とベルナデッタ

『お久し振りですね。セツナ』


硬直と言う呪縛から、漸く立ち直った守備兵達は、その場で勢い良く膝を折り頭を垂れる。

ミシディア組やテントの中に居た守備兵も、態々外に出て来て同様に膝を折った。


目の前の女性は【ベルナデッタ】ーーー。


【大聖人】と呼ばれ、ドリュアスと同じくエルフ達から【神】のように敬われている。

半透明な体にエルフ特有の耳、美しい白い髪が地面スレスレまで伸びた、とても綺麗な女性である。


【濃厚色】の髪は強い魔力などの表れと言うが、彼女の【白】も、言わば同じ意味を成す。

寧ろ、俺のような言葉だけの奴よりも、彼女は真の【超越者】と言えるのだった。


ベルナデッタが【半透明】な理由は、少々込み入った事情があり、けれどもそれは彼女自身が望んだ結果でもある。

ベルナデッタは禁術により、自らの魂を、この【エルフ国】に繋ぎ止めた。

幾千幾万の間、ずっとこの【エルフ国】、延いては、【アルガナリア】を見守り続けていたのである。

それが、【大聖人】と言われる所以であった。


「やあ、ベルナデッタ。久し振り」

「「「「「なっ?!」」」」」


俺がベルナデッタに気軽に挨拶をすると、守備兵達は目を剥き、何かを言おうと口を開くが、次のベルナデッタの行動によってそれが成される事は無かった。

ベルナデッタが俺の元に駆けつけると、大きく腕を広げて、俺を胸に抱いたからだ。


『お帰りなさい。セツナ』


何とも情けない話だが、彼女は俺よりも身長が高い為、俺は嫌がおうにも彼女の谷間に顔を埋めるハメとなる。


しかもベルナデッタの胸は………………豊満なのだ。


俺は若干の息苦しさを我慢し、何とか首だけを動かしてベルナデッタを見上げて一言。


「ただ今。ベルナデッタ」


その笑顔は、正に極上の花であった。


彼女の左薬指の【クンツァイト】が嵌め込まれた指輪が、陽の光に反射して一際輝いた。





俺達は、少しの間熱い抱擁を交わしてから、改めてエルフ国に入る為移動した。


ここはまだエルフ国ではない。

正確に言えば、【エルフ国】はドーナツ型の3層の構造で成っている。


第一の壁が、ドリュアスが守護する【惑いの森】、第二が守備兵達が荷物検査などをする広場、第三も森だが、実はその木の上には、弓を携えた守備兵が潜んでいたりする。


基本、ドリュアスが【惑いの森】で来訪者を選別するので、ここまでする必要はないのではと思われがちだが、エルフとは意外に警戒心の強い種族であったりするのだ。

そして、その最後の森を抜けると、漸く目的地である【エルフ国】の門が現れる……と、そんな感じである。


なので、俺達はエルフ国に入る為に、三層目の森に進んでいた。


守備兵達も俺の正体に気付いたらしく、先程とは打って変わって、今度は目を輝かせて俺を見てきている。


何ともやりづらい………………。


クルトやミシディアを彷彿とするので、止めてもらいたいものである。


そして、俺は数歩先に進んで…………止まった。



…………………………………………………………何だ?



そんな俺の様子に、ミシディア達や守備兵達が小首を傾げる。


けれど、そんな不審な行動をしたのは俺だけではなかった。

ベルナデッタ、それにアヤメやベリアル、アルテミスまでもが目を見開いて、その場で硬直していたのだ。

俺の背中に冷たい汗が流れるのを感じる。


何かが体の中から這い上がってくるような…………変な違和感がある。


これは何だ…………?

何が起こっている…………?


そう……これはまるで…………()()………………


久しく味わって来なかった恐怖が俺を支配していた。


「………………………………………………来る!!」


俺は不意に地面を見遣り呟くと、それと同時に、地面が大きく揺れた。


ゴゴゴゴ・・・!!


それはまるで、地獄の門が開く音のようにも聞こえたのであった。

やっと5人目(だよね? 笑)のヒロインが登場ですね!

けれど、着いて早々またもや厄介事の匂いが……。

さて、どうやる事やら?


活動報告始めました!

気が向いたら見てみて下さい♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ