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【転生】と【転移】の二足の草鞋  作者: 千羽 鶴
第一章 二度目の異世界は十年後?!
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序章

拙い文章ですが、長い目で見て下さると助かりますm(_ _)m

今日も青い空に、ゆったり雲が流れる。


空を眺めるのは好きだ。

晴れた空も、曇りの空も、満天の星空も、雨……は少し憂鬱にはなるが、それでも見てるだけなら好きだ。


俺は学校の屋上で寝転び、いつも通り空を見つめていた。

昼休みに弁当を食べ終わった俺は、読書をしによく屋上に来ては、こうして空を眺める。


それが俺の()の日常であった。

本来、屋上には鍵が掛かっているのだが、俺には開ける事など造作も無い事だった。

まったりとした時間が流れる。

空だけは、()()も変わらずそこにあった。

俺は一度目を瞑り、過去に思いを馳せる。

未だに色褪せる事なく、その光景をすぐに思い浮かべる事が出来た。

俺は誰にも言えない秘密が二つある。

別に話すだけなら躊躇いはない。

ただ、誰も信じないだろうが……。


俺が【転生者】である事をーーー。


いつからそうであったか、今では思い出せないが、気付いた時には、俺はこの【地球】で幾度とない転生を繰り返してきた。

しかも、そのどれの時代の記憶も持ち合わせている。

普通の人間なら、頭がおかしくなり発狂しても仕方の無い状況であるのかもしれないが、俺は持ち前の楽天主義で、こんなもんだと割り切り、どの時代でもそれなりに楽しい人生を送ってきた。

その人生の中で、たった一つだけ心残りがある。

それが今の俺の心を大きく支配していた。

それが俺のもう一つの秘密であるのだ。


俺が【転移者】であったと言う事ーーー。


この何百年と言う人生の中で、俺はたった一度だけ、とある世界に【召喚】された事があるのだ。

王道の【魔王】討伐の為の召喚で、俺は人々の()()を叶える事に成功した。


念願……と言えば少し語弊があるのかもしれない。

少なくとも世界は平和になったのだ。

その時俺は、生まれて初めて、心を満たす感覚を覚えた。

別に今迄の人生に不満があったわけではない。

それでも俺は、何度も転生しているからか、他の一般 の人よりも、ある程度の事は努力せずに何でも出来てしまうのだ。

勉強にしろ運動にしろ、家事なども実は得意だったりする。

これだけ聞くと、お得だと思うかもしれないが、過去の経験上、あまり出来すぎてしまうと、人間はそれを【異常】とみなし排除したがるものだ。

自分達の常識が通用しない【異質な存在】は、ただそこにあるだけで、恐怖の対象であり、人々はそれを受け入れ難いものとして、無意識に防衛本能を刺激する。

或いは、羨望の眼差しを向けてくる者もいたが、次第にそれらは、妬み……嫉み……嫉妬……となって、結局最終的には攻撃対象となるわけだ。

別にそれらが悪いとは思わない。

それが人が生存する上で必要だと思うからだ。

勿論一概にそれだけが人間だという訳では無いし、中にはこんな俺でも、やはり受け入れてくれた人も沢山いた。

だからこそ、俺はこの身を憎悪の業火で燃やさずに済んだのだから……。

だけど俺は、それらの経験から、過ぎたる力は己すら焦がす事を学び、故にそれ以来は、自らを偽るようになった。

勉強も運動も、決して人前では平均以上の力を出さない。

あまり目立たず事無く、一定の距離を持って人と接し、ひっそりと生涯を終えてきた。


それは何とも窮屈でつまんない人生であるかと思われがちだが、それでも俺は、その事に今まで一度も不満を抱いた事などなかった。

少なからず誰でも本当の自分を隠しているものだろうから……。

不満は無い。

本心からそう思っていた筈だった。

そう、あの日までは……。


それは【前世】での事だった。

歳は今と同じ17歳の時、突如として眩い光につつまれたかと思うと、気付いたら見知らぬ世界に飛ばされていた。

初めは流石に驚きを隠せなかった。

だが、持ち前の楽天主義と柔軟性で、すぐに俺はその世界に馴染んだ。

その世界は、まさにファンタジーさながらで、【魔法】と言うものが存在し、多種多様な種族、魔物までもが跳梁跋扈する世界であった。

俺はそこで、久しぶりに開放感を味わう。

自分を偽らず、思いのままに力を奮った。

ある者は、成長が【異常】だと言っていたが、それでも俺を嫌忌することも無く受け入れてくれた。

けれども俺は、事を成した後【地球】に帰還する。

何人かには、残ってほしいと懇願された。


本気で迷った。

今までにないくらい迷った。

それでも俺は帰還の道を選んだ……。


理由は単純で、俺は【地球】に残して来た両親を捨てる事が出来なかったからだった。

俺の【前世】の両親は、年老いてから俺を産んだ為、俺の事をそれこそ目に入れても痛くないと言わんばかりに溺愛してくれていた。

そんな両親の事を俺は大好きだったし、あのままあの世界に残っていたとしても、俺はきっと心から楽しめないと思ったから、結局は【帰還】の選択をしたのだった。


けれど、俺が帰還して最初に思ったのは、【物足りない】だったーーー。


こんな事を思うのは贅沢なのかもしれない……。

それを頭では分かっているのに、俺はその日から心にぽっかり穴が空き、空虚な日々を過ごすハメになっていった。

何をやっても満足せず、心が満たされる事も無く……そして、俺はその人生を終わらせた……。


それから今日(こんにち)まで至る。


俺は、今ならもし再び【召喚】されるなら、今度こそもう一つの人生の可能性を選択しようと心に誓っていた。

様々な本を読み漁り、【こちら側】から【あちら側】に行く(すべ)を調べた。


結論から言って……それはほぼ不可能に近かった。


とある小説のネタで、『死んで』から異世界に【転生】すると言う話を見かけたが、正直現実的では無い。

そもそも【召喚】も現実的ではないのだが、死んでもし失敗したら目も当てられない。

俺の場合は、【転生者】であるが故、どうせ転生するだろうと思われるかもしれないが、それも確実性はない。

そもそも、何で【転生】を繰り返すのか、俺自身が分かってもいないのに、次も必ず転生するとは限らないからだ。

しかも、それが【こちら側】の転生なのか【あちら側】の転生になるのかも……。

今迄の転生は【地球】での事だったので、高確率で次も【地球】に転生するだろうとは思う。

故にこの案は速攻却下であった。


それでも俺は諦めきれず、自分の持てる知識を総動員させて、様々な検証を行った結果……やはり【こちら側】から【扉】を繋げるのは不可能に近い事が分かった。

理由は明白で、この世界には【魔素】や【精霊】と呼ばれるものが、ほぼ皆無だったからだ。

全くないわけではないのだが、やはり【あちら側】に比べると無いに等しいと言っても過言ではない。

もし今一度【奇跡】が起きるとしたら、正しく【神の気紛れ】だろうーーー。


因みに、俺は何故か帰還後の地球でも【転生】してからも【魔力】も【精霊力】も使えた。

その力を使って屋上の鍵を開けれたのだが……それを持ってしても、【異世界】に行く事は出来なかったのだ。


俺はそこまで考えると軽く溜め息を吐き、ゆっくりと閉じていた瞼を開ける。

そこで俺の視界に入ったのは、あの澄み渡った空でなくーーー。


「……………………………………は?」


白銀の長い髪をポニーテールにして、悪戯っぽい笑みを浮かべた絶世の美女が俺を覗き込んでいた。

それは、昔に一度だけ会った事のある【女神】の姿であった_______________。

ここまで読んで下さり有難うございますm(_ _)m


まだまだ勉強不足で至らない点も多々あると思いますが、皆様に楽しんで頂けるよう、日々精進していく所存ですので、何卒今後共_| ̄|○)) よろしくお願いします ((○| ̄|_

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