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記憶持ちの最強チートが生まれた訳

作者: 小宵

おとぎ話風にしたかったのですが……

とある小国に心優しき清らかなる姫がおりました。

慈愛に満ちた紺碧の眼差しに身体に溶け込むような小波のように穏やかな声。

大地を潤し流れる水を連想させる、姫の背を流れる透き通る水色の髪。

民の幸せだけを願い分け隔てなく接するその様に、春の温かさ、夏の清涼さ、秋の穏やかさ、冬の神聖さ……愛情を感じずにはいられません。

存在そのものが奇跡のように美しき人。

姫を目の前にしただけで心が洗われるようだと涙する者すらいました。

本当に小さな国です。

王族や貴族と言った身分はありましたが、皆隣人かのような気安さで笑顔が溢れていました。

国王自ら馬車を操り小路をのんびりと行きます。

その隣にはいつも姫君が楽しげに鼻歌を歌っていました。

皆働く手を止め、国王や姫を呼び手を振ります。

時折馬を止め、国王と姫君自ら畑仕事を手伝うこともしばしば。

まるで友のように国王と酒を交わし、まるで娘のように姫君の頭を撫でます。

皆が自国を、お互いを愛していました。

幸せが満ちていたのです。


姫君がそれはそれは美しく成長し、子供と大人の狭間の色香を匂わせ始めた頃。

心優しき国王はその優しさが故に……国を窮地へと運んでしまいます。

周辺国から相手にもされていなかった小国。

年頃の美しい姫君の噂を聞きつけた他国の使者が幾人も国を訪れました。

そして、驚きに目を見開くのです。

確かに、姫君は美しい。

しかし煌びやかな貴族を見慣れた使者達からすればいささか田舎臭さが目立ちます。

そんなことよりも、豊かな国を見て、我々は今までどうしてこのような国を放って置いたのかと、地団駄を踏んで悔しがりました。

周辺国からすれば貧しいはずの国です。

地位や権力、富を求め蹴落とし合いを繰り返す周辺国にはない、豊かさがありました。

人々が協力し合って出来る豊かさです。

……戦が、起こりました。

国の所有権を巡り、周辺国が争いを始めたのです。

周辺国は田畑を荒し、川を血で染め上げ、大地を枯らしていきました。

巻き込まれ、勝者の供物のような扱いを受けた国は衰弱し、皆から笑顔が消えました。

その日の食事すらままならず人々が争います。

水すら、飲む量が制限されました。

国王は皆に食事が渡るように国の蔵を開きました。

国王も姫君も一日にコップ一杯の水と姫君の手に収まるほどの小さなパンだけを食べて暮らしました。

民が飢えて死んでいくのです。

そして、国王も病に倒れ呆気なく逝ってしまいました。

戦が激化し国が炎に包まれ国王が、姫君が、皆が愛した国が音を立てて崩れていきます。

姫君と運命を共にするため燃え盛る城に残った騎士達が見守る中、姫君は夜だというのに赤く染まってしまった空を見上げ、涙を流しました。


「神よ……(わたくし)はどうなっても構いません。どうか民達をお助けください。どうか騎士達に慈悲を……どうしてこのようなことになってしまったの……? あんなに幸せだったのに……あんなに笑顔が溢れていたのに……!」


姫君はその場に崩れ落ち大声を上げて泣き叫びました。

枯れ木のように痩せてしまってなお、笑顔を絶やすことのなかった姫君。

泣き付かれても、罵声を浴びても、姫君が涙することはありませんでした。

自らの食事でさえ分け与えてしまうこともありました。

飢えに苦しみ変わりゆく国を誰よりも憂いていたはずなのに、そんなことは微塵も出さず弱音も吐かず……姫君は耐えていたのです。

人々の幸せだけを願って。

そんな姫君が初めて見せる涙に、騎士達は己の弱さを憎みました。

決して彼らのせいではありません。

彼らは心から王家に忠誠を誓い、鍛錬を怠ったことなどありませんでした。

一対一なら誰にも負けない強さを持った者達です。

多勢に無勢。

周辺国はどこも比べるのが馬鹿らしくなるほどの大国ばかりでした。

土地が人口が、比べ物になりません。

弱者は滅びるしかないのか……涙する姫君の肩を抱くこともできず、握った拳からは血が滲みました。

炎が容赦なく迫り、人々の悲鳴も聞こえなくなってきました。


「不甲斐ない主でごめんなさい。あなた達を道連れにしてしまう……。ああ、どうして(わたくし)はこんなにも弱いの。皆を護れる力が欲しい。皆が幸せになれる国にしたい。どうすればいいの。……もう、何もできないの?」

「姫……」


国王のときも騎士達はその姿に涙しました。

体の大きな人でした。

それが骨と皮だけになり、いつも元気を分けていてくれていた国王の溌溂とした笑顔はとても儚いものになりました。

自身の体重を支えるのも困難であろうガリガリに痩せた脚を震わせながら、それでも姫君は立ち上がり空を見上げて祈りました。


「どうか……慈悲を。どうか、どうか……誰にも侵されることのない国を! 民が……皆が笑って暮らせる国を! 貧しくてもいい、昔のように皆で乗り越えていける。でも、でも、こんな、こんな、一方的なっ……! (わたくし)の民が幸せになるのはいけないことなのですか? 何が罪だったと言うのですか? 何でも致します。罪があったのならば、全て私が背負い償います。だから、どうかっ……皆をっ……」




「助けて」






それから起こったことは、誰もが信じられない出来事でした。

息ができないほどの煙の中動かなくなった母に縋り付いて泣いていた一人の少年は、ふと頭に感じた重みに顔を上げます。

なんと、事切れていたはずの母が目に涙を浮かべ微笑み、少年の頭をあやすように撫でているのです。

気づけば、血のように紅く染まった禍々しかった空が、透き通っていました。

我が物顔で国を闊歩していた他国の兵がいません。

少年が窓に近づき、声をあげました。


「母さん、見て!」


木造の窓枠から緑が生い茂り、果実が成っていくではありませんか!

そればかりではありません。

家に隠れていた子供たちが一斉に外に飛び出します。

それに続いて大人たちも。

皆、声を出すことも忘れ、その光景に見入りました。


国が、動いているのです。


大地が切り離され、他国の兵は急に出来た海に次々と落ちていきました。

向こう側も見えないほど国が”移動”した後、大地が息を吹替えします。

芽を出した植物が子供たちの背丈を追い越し、大人たちと背比べをするように伸びてきます。

目の前には色とりどりの果実が成りました。

いくつもの大樹が育った頃、どういう仕組みなのか大樹の間から澄みきった水が溢れ出し滝になりました。

大樹は家家を押し上げ、国は城を頂上とする山のような形になりました。

上から水が溢れ、海へと帰っていきます。

真っ赤だった光景が、わずかな時間で透明な青に。


「姫さまの色だ」


一人の少女が呟きました。

誰もが姫君を思い出していました。

そして皆、一斉に息を吹替えします。


「姫さまに果実を届けよう! 前、パンくれたもん!」

「私も! いっぱい取って一緒に食べよう!」

「おお、おお! そうだ! 皆で食べよう!」

「皆手伝え! 姫様に届けるんだ!」

「ねぇ見て! 取っても取っても生えてくるわ! これなら姫様もたくさん食べられるわ!」


それぞれが果実をもいで、城に向かいました。


「姫様、見てくだせぇ! 食べ物が、こぉんなに!」

「姫さまー! 一緒にたべよぉー!」

「姫さまー!」


城には全国民が集まっていました。

城は大樹が絡みつき、所々に滝ができ水が溢れています。

その神秘的な光景はまさに水の神殿とでも言いましょうか。

国全体が見渡せるバルコニーに姫君は立っていました。

一人の騎士に支えられながら、姫君は一人一人の顔をしっかりと見ます。

皆、痩せてはいるものの絶望に染まっていたはずの瞳はきらきらと子供のように輝いています。

その手には果実が抱えられていました。

姫君は涙を拭って、笑顔を浮かべました。

今までで、一番綺麗な笑顔でした。


皆、その笑顔に”生”を強く感じました。

自分は生きているのだと、命を強く感じました。

慈愛に満ちた幸せを象徴するかのような笑顔に、皆泣き崩れました。

その場に座り込み、皆で肩を寄せ合い、泣き笑います。

騎士達も溢れる涙を抑えられませんでした。

姫君の姿を見ただけで、こんなにも安心できるのかと。

姫君の笑顔を見ただけで、こんなにも幸せな気持ちになれるのかと。


「皆、よく耐えました……。今はこの命に感謝し……果実を食べましょう。(わたくし)もお腹がぺこぺこです」


大げさにお腹を摩る姫君に皆が声を上げて笑います。

騎士が皮を剥こうとした手を止め奪い取った姫君はそのまま果実にかぶりつきました。

傍で支えていた騎士が目を丸くします。


「おいしい……あなたも食べて」


姫君に差し出された果実に騎士もかぶりつきます。


「はい、とてもおいしいです」


騎士の答えに日だまりのような笑顔を浮かべた姫君を騎士は抱きしめました。

バルコニーの下にいる野次馬が二人をはやし立てます。

後ろに控えていた他の騎士達は同僚を引きはがすべく脚を動かしました。


「姫……あなたがご無事でよか……った」


姫君を抱きしめ男泣きする騎士を姫君は優しく包み込みました。

騎士達も脚を止めます。


「あなたが苦しむ姿なんて二度と見たくない」


賑わっていた辺は静まり返り、騎士の言葉がその場に響きました。

腕を緩めた騎士の瞳が余りにも真剣で、ぐるりと見渡した皆が同じ瞳をしていることに気づいた姫君は今度は可憐に頬を染めて笑います。


「心配してくれたの? ありがとう。あなたたちが幸せで笑ってくれるなら……それが(わたくし)の幸せなの。だから、(わたくし)を苦しめたくないのなら、いっぱい食べてお腹いっぱいになったらお昼寝して皆でまた、新しい国を創りましょう! 皆で幸せになりましょう!」


姫君の笑顔に、掲げた果実に、皆が果実を太陽へと掲げ歓声を上げて食らいつきました。

果実の甘い香りが充満し、人々の心をより幸福へと導くのです。

甘い香りに促され、姫君は未だ肩を抱いたままの騎士をまっすぐに見上げました。

騎士は眩しさに目を細めるかにように姫君を見つめていました。

言葉もなく見つめ合った二人は、やがて引き寄せられるかのように口づけを──。


「な、なんだあれは!?」


後ろに控えていた騎士の一人が空を指差し叫びました。

その声に皆が空を見上げます。

騎士に、その大きな手で視界を遮られましたが、姫君もまた、その指の隙間から空を見上げました。

そこにあったのは、光り輝く太陽そのもの。

そう、まさに……。


「太陽神、さま……?」


その小さな姫君の呟きに、溢れんばかりの光を身に纏った神々しきその存在はくっと顔を傾け、その視界に姫君を捉えました。

まるで計算して創り出された美術作品のように整ったその厚めの唇が開かれる瞬間を、誰もが息を殺して待ち、その声を聞きたいがために、耳を済ませます。


『心清らかなる、慈し姫』


圧倒的な存在感。

声に込められた覇気に耐えられず何人もが膝をつきます。


『慈し姫。そなたの声が聞こえた』


『助けを求める甘美なる声』


『そなたの為ならばこの一位の我が動こう』


ゆっくりと、光が近づいてくる。

姫君も、自ら一歩前へと踏み出します。

肩に掛かる騎士の手に力がこもったのを感じ、姫君はそっとその手に自らの手を重ね、騎士を見上げて微笑みました。

姫君の笑顔に、騎士は不安を無理やり押し込めて、手を下ろします。


『我、慈し姫』


声の近さにはっとした姫君が振り返ると、姫君の目の前に厚い胸板がありました。

高ぶる感情を抑えつつ、ゆっくりと見上げれば、精悍な顔立ちの美丈夫が無表情に姫君を見下ろしています。


『慈し姫、そなたの言葉に嘘偽りはあるまいな』


海のように深く、空のように澄み切った瞳が姫君を捉えていました。

言葉を紡ごうにも、上手く声が出ないことに気づいた姫君は唾を飲み込み、一度大きく深呼吸をしました。

そして、いつも皆に向ける慈愛に満ちた優しい微笑みを浮かべ言葉を形にします。


「我が国を救ってくださり、心からの感謝を申し上げます……天上の御方。(わたくし)、ツェーレは生をこの世に受けたそのときから、嘘偽りを申したことはございません」


姫君のその言葉は全国民の頭に響きます。

そして……次なる言葉も。


『誓約は成された。慈し姫、そなたは我のもの。今この時を持って生を奪う』

「え……?」


何を言われたか理解できなかった姫君の抜けた声に、大きく顔を顰めた光り輝く君。




『「どうか……慈悲を。どうか、どうか……誰にも侵されることのない国を! 民が……皆が笑って暮らせる国を! 貧しくてもいい、昔のように皆で乗り越えていける。でも、でも、こんな、こんな、一方的なっ……! (わたくし)の民が幸せになるのはいけないことなのですか? 何が罪だったと言うのですか? 何でも致します。罪があったのならば、全て私が背負い償います。だから、どうかっ……皆をっ……」』





全国民は頭の中で悲痛に響く姫君の声を聞き、それを聞かせた存在が何を言わんとしているかを漠然と理解しました。


「姫様を、対価に……?」


誰かが呟いきました。

そして誰もが恐怖に体を震わせました。

しかし。



「……ああ、太陽神様。(わたくし)の声を、願いを聞き届けて下さったのですね。嬉しい、(わたくし)皆さんを護ることが出来たのですね……」


喜びに歓喜の涙を流す姫君。

そっと涙を拭い、光り輝くその人の顔をひたと見つめます。


「貴方様が、叶えてくださった。心より、感謝を申し上げます……ありがとうございます……。先程も言いました通り、(わたくし)の言葉に嘘偽りはございません。(わたくし)の命でそれが叶ったのならば、喜んでこの身を捧げます」


にっこりと、花の開花を思わせる美しい笑に、光り輝く君は眩しげに目を細め、逞しいその腕で姫君を引き寄せ、唇を重ねました。

しばらくして姫君の体から力が抜けるのを誰もが凝視していました。

……愛の行為であるそれが、まるで姫君の命を吸い取るためだけの行為だったかのように。


姫君はかの君の腕の中で息絶えていました。


かの君は、器には興味ないとばかりに姫君の体を宙に放り投げました。


「姫っっっ────!」


動かなかった脚が、動く。

騎士は姫に手を伸ばします。

その手は虚しく宙を斬り、その光景を不快に思ったかの君は手を同じく翳し、姫君の体が地に落ちるその前に地中より氷の柱を生やさせ、姫君を氷漬けにしてしまいました。

天をも貫く氷の柱。

国を見渡せるであろう高みの位置に、姫君は眠るように目を閉じ氷漬けになりました。

かの君は誰も手出しが出来なくなったことに満足し、氷の柱に沿うように天へと昇っていきました。


……。


…………。


…………………………。




まるで御伽噺のような水の都。

美しき青の国。

この国には古くからの伝説がある。

……いや、伝説ではない。

今もそびえ立つ天をも貫く氷の人柱。

伝説の乙女が当時と変わりなく国を見守る守り神のようにそこにいた。

旅人はその美しい伝説の乙女に見惚れ、しばらく見つめていたが寂しげに乙女を見上げる身なりのいい少年に気づき、声を掛ける。


「もし、そこの御方。何故そのような悲しい顔をなさっているのでしょうか?」

「……旅人、か? この俺が他国の者の侵入を許すとはな」


少年はふっと自嘲気味に笑い、旅人を射抜くような鋭い目で見据えた。

自分の腹ほどの高さしかない幼い子供なのに、その目は荒み、醸し出す威圧感と言えば歴戦の英雄のよう。

息苦しさに旅人がごくりと唾を飲み込む。

少年の視線が旅人の背負うリュートを捉え、「語り手か」と目線を乙女に戻した。

この得体のしれない少年に恐怖したが、その寂しげな横顔に旅人はそこを動くことができなかった。

日が陰り、乙女の姿が闇に溶け込み始めた頃、少年が口を開く。


「初代国王は、伝説の乙女……この姫君の恋人の騎士だった」


知りたかった物語を聞くことができるのかと旅人は喜色を露にしたが、誰に語るでもない闇を見つめ口を開く少年が今にも泣き出しそうで、ただ静かに耳を済ます。


「初代騎士王は姫君の願う平和な……皆が笑顔でいられる国を護り続けた。他国の侵入を許さず、皆で協力し合い、姫君が見守るこの国をより豊かに笑顔溢れる国にするために」


「騎士王はただ姫君だけを愛し、いつもこの柱を見上げていた」


「世継ぎを望む声もあったが、騎士王は姫君以外の誰も愛することができなかった」


「……民もまた、姫君を愛していた。姫君と騎士を引き裂く行為を、誰も強制することなどできなかった」


「騎士王は死に際、これでやっと貴方の元に行ける……と死ぬことを心から喜んだ」


「もちろん、新しい王を選出し次代に未来を託した。……しかし」






「しかし、世継ぎは顕れた」





「血ではない、騎士王の記憶と力をもって産まれた子供が顕れた」


「それどころか、その子供は魔術の始祖となる」


「ありとあらゆる精霊の力を使いこなし、時には天候さえも左右する神にも並びうるとされるその力」


「それが初代国王の次に有名視される三代目国王」


「……おかしな話だろう? 二代目以外は体こそ違えど、全員同じ魂の同じ人間なのだから」


「おかしいだろう? 魔術の始祖とまで言われたというのに。ありとあらゆる力を使えるというのに、この氷だけは傷一つ付けることができないなんて」


旅人は、涙を流していた。

氷柱に額を擦りつけ、少年は苦痛に顔を歪める。





「俺の姫……ツェーレ」




この気持ちをどう表せばいいのか、旅人には分からなかった。


「陛下、そろそろ……貴様、見ない顔だな。何者だ」

「わ、私は」


突然現れた騎士達に旅人は怯むが少年がすたすたと旅人を追い越す。


「ただの語り手だ。語り手は故郷を持たない。……放っておけ。……行くぞ」


余程信頼されているのか、少年王の言葉一つで騎士達は旅人を隣人のように扱った。

まるで古くからの知り合いのように。

流浪の旅人はしばらく国に留まった。

氷柱のよく見える景色のいい食堂の一室を間借りさせてもらっている。

この国には宿屋がないのだ。

徹底的に鎖国されているため必要ないのだ。


旅人はリュートを奏でる。


毎日可能な限り氷柱に寄り添う少年王を想い。

無限の業を背負ってしまった悲しき騎士王のために。

……かの伝説の乙女と騎士王が再び出会えるその時を願って。












一応この後、天界編・青の国編を書きたいなと思ってます。

宵紫的には三話完結なのですが、一話読み切りでも読めるように仕上げるつもりです。

……かけたら、いいな、と……。

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