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覚悟を胸に

何時の間にか、彼はゴキブリ男の姿から元の人間、津村大悟の姿に戻っていた。


そして今いる場所は、どこかの山の中のようだった。

目の前には真っ赤な夕陽が、この世の全てを焼き尽くさんばかりの光を放っている。

どうしてここにいるのかは思い出せないが、それよりも前のことは思い出せた。


異形の姿に変身した自分を見て怯え、罵声や物を投げつける人々──。

そして自分は、たまらずそこから逃げ出した。

人々を助けるために戦ったのに、その人々から嫌悪される……


「俺は……俺は一体なんのために……」


『……すまない、私のせいで辛い思いをさせてしまったな』


ふと、頭の中に声が響く。

突然だったので驚いたが、即座にあのゴキブリのシードロイドが一体化していたことを思い出し、落ち着きを取り戻した。

同時に、言われてみればその通りではないかとも思った。

このゴキブリ怪人の姿になったために、人々からいらぬ誤解を招き忌み嫌われることになったのだ。それを考えると、大悟の重く沈んだ心の奥底にふつふつと怒りの感情が湧き上がってきたが……


「いや、そんなことはないさ。あんたが助けてくれなければ俺はあそこで死んでいた……あんたには感謝こそすれ、恨むなんて……」


そうだ、それ以前に自分は彼に命を救われていたのだ。

なのに彼を憎むというのは、恩を仇で返すことに他ならない。

様々な感情が湧き出たが、それを一旦リセットするために大悟は思い切りのけぞり、大きく深呼吸をした。


「それよりも、シードロイドとかいう奴らは、また来るのか?」


『うむ、今回の戦いはまだ始まりに過ぎない。他の種属のシードロイド達も次々と地球にやって来るだろう』


「そうか……戦うしか、ないんだな?」


『そうだな、それしかない。彼らの中にもこちらの話を聞いてくれる者がいればよいのだが……』


「いや、いいさ、これで覚悟は決まった」


大悟は幼い頃から空手をやっていて思っていた。


相手がなんであれ、戦うと決まったからには覚悟ができる。

覚悟ができれば、どんな相手だろうと立ち向かうことができる──と。


『やはり、君を選んだのは正しかったようだな。孤独な戦いになることは目に見えているが、私もできる限りの手助けはしていきたい。よろしく頼む、大悟……』


「こちらこそだ。俺たちはもう二人で一人の関係なんだ、共に戦っていこう!」


そう強く言ってから、大悟は沈みゆく夕陽を前に目を細め拳を握りしめた。


ここに、新たる正義の戦士ゴキブリマンの戦いの幕が上がるのだった──。

まだまだ続きそうなものですが、ひとまずこのゴキブリマンはこれで終わりです。

続きは一応考えてはいるのですが、何分長続きしないのが悪い癖なので…(汗)


応援の声があれば続きも考えるかも…?

…なんてことを言いながらも、とにかくこれで終わりです。


最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!

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