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ゴキブリマン誕生!


 気が付くと、大悟は川に落ちる前の橋の上にいた。


「さっきのは……夢じゃなさそうだな」


 そう思えたのは、遠くにビーロイド達によって殺された人々の亡骸が見えたからだ。

 刺され、噛まれ、ひき裂かれた者達の死体までの距離は大悟の位置からだとかなりあったが、それが逆に地獄を傍観しているように思え、大悟は吐き気を催した。

 そこへ、先ほどのゴキブリ男の声が、頭に響く。


『津村大悟……君は私と一体化して、新たな命と力を手に入れた。その力とは、シードロイド達と戦うための力だ。さあ行こう! ビーロイド達が暴れている!』


 と同時に、大悟の脳裏に、街で暴れているビーロイド達の姿が見えた。


「クッ、急がないと!」


 大悟は急いでバイクのある場所まで行くと、素早くバイクにまたがり、猛スピードで街へと走らせた。




 その頃、ハチの怪物ビーロイド達は街中で派手に暴れていた。

 逃げ惑う人々に向けて矢を放ち、追い詰めた人を槍で突き刺し、さらには集団で取り囲んで生きたまま貪り食う──そのような残虐な行いをしながら、ビーロイド達はビル街を進んでいく。


「クックック……そうだ、皆殺しだ! 邪魔な生命体は皆殺しだァ!」


 そう言った隊長のビーロイド『ドリバンス』の目前に、一匹のハエが飛んできた。

 ドリバンスはそれを目にも留まらぬ速さで握りつぶした。


「ハチ以外の生命体は……皆こうなる」


 と言って手を開くと、小さく潰れたハエが、ぽとりとアスファルトの路面に落ちた。

 すると突然、遠くからバイクの音が聞こえてきた。


「む? ちょうどいい、私が自ら殺してやろう!」


 ドリバンスは向かってくるバイクの進路上に立ち、相手を脅かそうとした。

 しかし、それを見てもバイクは止まらず、むしろスピードを上げて向かってくる。


「何ィッ!?」


 そして、バイクはドリバンスの目前で突然高く跳躍し、暴れるビーロイド達の前に立ちはだかった。


「き、貴様何者だ!?」


 その問いには答えず、バイクから降りた人物は、被っていたヘルメットを取った。

 そこには、先ほど川に落ちたはずの男の顔があった。


「何だと!? 貴様生きていたのか!」


「ああ、とあるシードロイドに助けてもらってな!」


「シードロイドにだと……そんなバカな……」


 その間に、大悟の周りには大勢のビーロイドが集まり、すっかり取り囲まれていた。


「フン、まあいい……今度こそ死んでもらうぞ!」


 ドリバンスが言うと、周りのビーロイド達は大いに歓声を上げた。

 すると大悟は、右手を高くかかげて叫んだ。


「コック!」


 思いも寄らない行動に、ビーロイド達は驚く。

 次に大悟は、左拳を腰に当て、右手を顔の高さまで持ってくると、今度は右側に大きく振って叫んだ。


「ローチ!」


 瞬間、大悟の体が眩い光に包まれた。その光の輝きが収まると、人間津村大悟は、全く別の姿になっていた。


「な、なにィィィィ!? こんなバカなッ!?」


 そこにあったのは、ドリバンスはもちろん、他の者もよく知っている者の姿だった。

 光沢のある焦げ茶色のボディ、深い赤色の二つの複眼、柳の葉のように静かに風になびく長い二本の触角──。

 呆気にとられているビーロイド達に向け、それは勇ましく叫んだ。


「私は影に生きる生命、黒き正義の戦士──究極戦士ゴキブリマン!」


 今ここに、新たなる正義のヒーロー『ゴキブリマン』が誕生した!


あけましておめでとうございます。

これが今年最初の投稿となりますね。


本当は去年のうちにこの話を投稿しておきたかったのですが、スケジュールの都合で無理でした(^^;;


さて今回はビーロイド達のリーダーの名前がでましたが、この『ドリバンス』という名前に特に深い意味はなく、なんとなく思いついた名前なのです(笑)

シードロイドは外宇宙から来た存在なので、地球の人間が考えた言語のものではない名前がいいかなとか思いまして。


では、この次の話からは完全新作となっておりますので、次回もよろしくお願いします。

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