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出会い。少女の名はエリアル

2話です

どうか楽しんでいってください

授業も終わり、帰る支度をしていると


「聖~。一緒に帰ろうぜ。」


と翔からのお誘いがきた。


しかし、朝のことが気になって仕方がない俺は


「あー悪い。俺ちょっといつものとこ寄っていく。」


「そっか。了解。たまには俺にも相談しろよ!」


ああと翔に返事をして見送る。


なんで翔が「俺にも相談しろよ」なんて言ったかっていうと

俺は何か考え事があるときはいつも屋上にいって一人で考えている。

という訳でいつものように考え事をするために屋上に向かった。


屋上に続くドアの前に来た俺はいつものように

ポケットからドアを開けるための道具を取り出す

まあこれは世間でいうピッキングという行為なんだが

まあ害があるわけじゃないから大丈夫だろう

うん、大丈夫


そう自分に言い聞かせてドアに手を掛ける。


ガチャ・・


あれなんで開いてんだ?ここには俺以外の人は来ない筈・・。

不審には思ったが好奇心の方が大きかった俺はドアを開く。


そこはいつもの変わらない屋上の風景だった。


一人の少女が立っている事を除いては・・・


少女が口を開く


「来てくれたんだね!」


・・・・・


「はあ・・?」


いきなり何を言ってるんだこの少女は。


あれか?電波系ってやつなのか?


「失礼だなー私は電波系なんかじゃないよ!」


え・・。さっき俺心の中で喋ってたよな・・・?


「うん。さっきキミはちゃんと心の中で喋ってたよ」


ちょっと待て・・何者だよこの子。


「ん?どうしたの?」


少女はあまりの驚きで声が出ない俺に向かって訊ねてきた。

これは何を聞くべきなんだろうか

聞きたいことが多すぎて頭が考えに追いつかない

ショート寸前の頭を何とか動かしやっと出てきた言葉が


「あんた名前は?」


ちょっ!我ながらマイペースすぎる・・

なんでこの状況でこんな質問が出てくるんだよ!

もっと他に聞くことあっただろうー!!


と自分で自分のマイペースさを呪っていると


「私?私の名前はエリアルだよ!」


急な質問にも特に驚くことなく答えた少女。


「エリアルってことは少なくとも日本人じゃないのか?あんた」 


聞きなれない名前に違和感を感じて質問をしてみる。


「そうだね。ちなみに私はこの世界の人間じゃないよ。」


「マジかよ・・・」


「うん。マジだよ!」


少女の突然の告白に驚きつつも今日の夕飯何かな?なんてことを考える俺だった


「おーい。生きてるー?」


「・・・はっ!今日の夕飯はハンバーグかカレーか

 考えていたらついボーっとしてしまった」


「うん、とりあえずその事についてはスルーさせて貰うね・・」


俺にとっては結構大事な事だったんだがな。


そういえば改めてみるとこの子おもいっきり日本人離れな容姿してんなー

青髪長髪、それに目の色だって青いしな。


「・・?私の顔何かついてる?」


そういって自分のペタペタと触っている少女

そんな少女を見ていると何故だか笑いがこみあげてきて、俺は思わず笑っていた


「はははっ!ははっ!」


そんな俺を初めて驚いたような顔で見ていた少女。


すると彼女も


「ふふっ。キミ面白いね!」


なんて事を言ってきた。


俺が面白い?ふと疑問に思ったが

そんなことは自分の笑い声ですぐにかき消されていた


そして、しばらくの間俺とエリアルと名乗る少女は空に向かって笑っていた


++++++++++++++


笑い疲れた俺達は本題に戻ることにする。


「で、一体どういうことなんだ?」


「何が?」


「いや!何が?じゃなくて、何でお前がいきなり俺の前に現れたんだよ?」


今まで疑問に思っていたことを聞いてみる。


すると彼女は


「私のことはエリアルでいいよ、それとキミの前に現れたワケかー

 強いて言うなら・・・」


「言うなら・・?」


「キミは選ばれたんだよ!」


「・・・・はい?」


俺が選ばれた?一体何に?


「えっとねー私の世界ではね他の世界の未来

 つまりこれから起こる出来事がわかるの」


ふんふん・・


「それでキミの世界の未来を見たんだけど」


「どうだったんだ?」


まあ普通に考えて悪い事が起こったに決まってるよな

良い事だったらエリアルがこの世界に来るわけないし


「この世界に異世界からの侵略者が現れて襲われる未来が見えたの」


何その小学生が考えそうな設定・・・


「むー。もしかして信じてないのー?ホントなんだよー!」


頬を膨らませて怒るエリアル。


「悪い。でも俺の世界の今の状態から考えてそんな事は有り得ないんだが」


「それが有り得るから私が来たんだよ。」


でもどこがどうなったらこの世界がエリアルの言った通りになるんだ?


「まあ詳しいことはまた後で、とりあえず今はキミの選ばれたワケを話すね」


「大体のことはさっき話したけど、

 キミはその異世界からの侵略者と戦うための人物として選ばれたの」


「ちょっと待て。今なんて言った?」


「え?異世界の侵略者と戦うため」


俺が戦う?どうやって?

人より少しマイペースなだけのそれ以外は普通の人間の俺が戦うのか?


「やっぱり驚いた・・よね?」


俺を心配したのか気遣ってくれるエリアル。


「多少は驚いたが今日は驚きの連続だからもう慣れた。」


「あ・・そうなんだ。」


「でも戦うにしてもどうやって戦うんだ?俺、普通の人間だぞ?」


疑問を聞いてみると


「あ、それは大丈夫。キミは力の素質があるから選ばれたんだよ」


素質?


「それって魔法みたいなもんなのか?」


「うーん・・まあそれと似たような物だと思ってくれていいよ」


「素質があるってことは俺も力が使えるってことだよな」


「うん。そういうことになるね。」


「どんな力なんだ?」


「うーん。力は人によって様々だからね。キミの力は・・・」


「えーと、なんだっけ?」


おいおいそりゃないぞ!


「ウソウソ。冗談だよ♪キミの力はね・・・」


こいつこんな茶目っ気あったのかよ・・などと

エリアルの新たな一面を知りつつ俺はエリアルの言葉に耳を傾けた。


「専用武器を持っている時に限り水と風を操る力かな?」


え?何か微妙じゃないか?


「それって強いのか?」


素朴な疑問を投げかける。


「うーん。強いことは強いんだけど、専用武器が必要っていうのがね・・」


やっぱりそこか・・・


「で、その専用武器とやらは何処にあるんだ?」


「わかんない」


えっ!?まさかの一言すぎるんだが。


「えっと・・実は私がここに来たワケはもう一つあってね・・・」


嫌な予感しかしないんだが一応聞いてみるか・・・


「どんな理由だ?」


「キミと一緒にその専用武器を探す為・・・なの」


嫌な予感的中したー!!


「普通なら自然に力が目覚めるんだけどね

 キミは特殊で、ある条件下でしか力が目覚めないから」


「じゃあ専用武器が無い間は俺は只の人間ってことか?」


エリアルは少し困った感じで


「全く使えない訳ではないんだけど・・・」


「どうしたんだ?」


何か言いにくいことなのか?


「私が傍にいる時なら少しだけど水の力が使えるはずだよ

 私もキミと同じ水の力だから」


少し?


「少しって?」


そう聞くとエリアルはますます困った感じで


「えーと・・手のひらサイズの水球を作って

 相手に投げつけることが出きるぐらい・・?」


なんで最後疑問系なんだよ?


「それってさ、今敵に襲われたらものすごくマズイんじゃないのか・・」


「だ!大丈夫だよっ!私がしっかり見つかるまでサポートするから!」


なんか段々心配になってきたぞ・・・


「あ。そういえば風の力は使えないのか?」


いくら少しとはいえ力は多く使えた方が良いからな!

しかしそんな俺のわずかな希望を打ち砕くかのようにエリアルが喋った。


「ごめんね・・私、水の力しか持ってないから風の力は使えないの・・

 ホントにごめんね!」


「いやエリアルが謝ることはないんじゃないか。」


でも・・前途多難だな・・


「でも、もしかしたら風の力も使えるようになるかもしれないよ。」


おお、俺にも希望が・・


「風の力を使ってる人に出会えたら・・だけどね。」


無理な気しかしない


「まあそれまでは私と一緒に頑張ろう!!」


確かに今そんなことを気にしても仕方無いな。うん。


「そうだな!まあ明日からのんびりやっていくかー。」


「そうそう!その意気だよ!」


気がつけば辺りはもう薄暗くなっていた。結構話し込んでたんだな俺達。


「さて、俺はそろそろ家に帰るけどエリアルはどうするんだ?」


っていうかこっちの世界でどうやって暮らすつもりなんだ?


「んー?私は大丈夫だよ。ちょっとしたアテがあるからね。」


「へー。そうなのか。」


もしかしたらこっちに仲間もいるのかもしれないな。


「そっか。なら大丈夫だな。」


「大丈夫って?」


エリアルが俺を見上げながら聞いてきた。


「ん?いやもしかしたら泊まる所ないんじゃないかなって思ってさ」


「そんな心配してくれたんだ・・・」


「それが普通じゃないのか?」


「キミは優しいね・・・・ありがと・・」


「え?何か言ったか?」


「ううんっ!何でもないよっ!じゃあね!」


そういってエリアルは足早に夜の闇に消えていった。


さてエリアルも帰ったことだし俺も帰るか


++++++++++++++


家に帰りつくと母さんが夕飯を用意して待っていてくれた。


「今日は珍しく遅かったわねー。」


「まあ色々あってね。」


「ふーん。そうなの。」


母さんはあまり気にしてない様子だった。


「さ、早く食べましょ。せっかくのご飯が冷めちゃう」


「そうだな。いただきます。」


「いただきます。」


ちなみに夕飯はハンバーグだった。


夕飯を食べ終わったあと風呂に入って自分の部屋に戻った俺は

今日一日の出来事を思い返していた


今日はいろんな事があったな


まず始めにエリアルと出会ったこと


俺達の世界が異世界人に狙われていること


俺に力の素質があってその力を使って異世界人と戦わなければいけないこと


でも俺の力は専用武器がなければ目覚めず

エリアルのサポート無しではまともに戦えないこと


その専用武器はどこにあるかわからず

エリアルと共にこれから探さなければならないこと


風の力を使うにはその力を持った人と出会わなければいけないこと


エリアルに意外にも茶目っ気があったこと


本当に色々あったなー。最後のはいらない気もするが


そんなことを考えながら俺はいつの間にか深い眠りに着いていた




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