黒翼の射手
平日の真昼間。
多くの店が立ち並んでいる。
その中のひとつ、一棟のビルは物々しい雰囲気に包まれていた。
街にはサイレンが鳴り響き、規制線が張られ、多くの警官が突入を待っている。
若葉と詩織はそのビルから500mほど離れた高層ビルの屋上に立っていた。
「ターゲットは2人、1人はナイフをもって人質をとっているよ。」
そういいながら若葉は双眼鏡でターゲットを見ていた。
「了解。」
詩織はそういうと背負っていたバックを下ろす。
そしてチャックを開け中から黒く光るm40a5を取り出した。
「できる?」
「もちろん。」
若葉が問うと詩織は即答だった。
そのままマガジンをセットしてバイポッドを立て、うつ伏せになった後スコープを覗いた。
銃声が街に響く。
そのまま1人、太ももを撃ち抜いた。
この任務は人質の救出、ターゲットを殺す必要は無い。
「1人目命中。」
若葉は状況報告のみして次のターゲットを見ていた。
詩織は慎重に狙いを定める。
1歩間違えれば人質に危害を加えてしまう。
そのため1cmすらずらしてはならない。
しかしそうもたもたとしてもいられない。
興奮状態の相手の目の前で仲間が死んでいるのだ。
相手も超興奮状態だ。
今にも人質を刺し殺してしまいそうだった。
すぐさま犯人の肩に狙いを定め引き金を引く。
弾丸は正確に肩を貫いた。
犯人はナイフ手放し倒れ込んだ。
すぐさま警察官達がビルへ突入する。
その様子を見届けるとすぐに2人は片付けを始めた。
若葉は薬莢を拾い、詩織はバックに銃をしまう。
「さっすが黒翼の射手。」
若葉が言う。
[黒翼の射手]、詩織の2つ名である。
2つ名とは、恐ろしいほどの強さを持つ一部のGOST隊員が裏社会でつけられたものである。
ほとんどの者が知りその名を聞くと逃げ出すものすら現れる。
ため息をつきながら詩織はバックを背負い歩き出した。
「かえりますよ。」
若葉は待ってよーと言って駆け出した。




