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第2章 第004小隊副隊長 霧崎 詩織 2

[GOST]に所属している隊員にはナンバーと呼ばれる管理番号がつけられており、前2ケタで所属している部隊、後ろ2ケタで階級がわかるようになっている。

若葉のナンバーは0401。

若葉は第004小隊で一番上つまり隊長なのである。

そんな第004小隊の隊長は現在、宿題に苦戦していた。

「ぬわぁぁぁぁ、わぁっかぁんなぁいぃぃぃ」

「一体なにが解らないのですか、たかが英語の宿題ですよ。」

若葉と詩織はあの後若葉の家で宿題をしていた。

ちなみに詩織の家は若葉の隣の部屋である。

「たかがじゃないよ~英語だよ、英語なんだよ、あんな複雑な言葉日本人には必要ないよ~」

若葉は泣きながら逃げ出そうとする。

が、直ぐさま詩織に取り押さえられ机に戻された。

「そんなんじゃ高校受験に失敗しますよ。」

詩織は少しやる気を出させようと脅かした。が、その言葉を聞いて若葉は泣き止みそして、不敵な笑みを浮かべた。

「フフフ、フフフフフ」

「な、なんですか、寝なかったためについに壊れましたか。」

時刻は既に3時を回っている。

「違うよ詩織、しらないの?」

「なにがですか?」

「学生のGOSTの隊員は希望すれば陸上自衛隊高等学校へ入試無しでも入学できるんだよ。」

若葉は不敵な笑みを浮かべながら告げた。

「そうですか。それで、英語は要らないと?」

詩織の問いかけに若葉はうなずいた。

「でも、それって入学できるだけですよね?」

「そっ、それは~」

「てことは英語で赤点なんて取って退学なんてことがあるって事ですよね?」

「それは、…そうかも。」

若葉は汗をかき、目はいろんな方向を行ったり来たりして余裕はどんどん無くなっていった。

「つまり、GOSTの隊長の一人であるあなたが合法裏口入学をしたにも関わらず速攻で退学するかもしれないと言うことです。」

「ヒェ」

「そんな事になったらあなたの部下達はあなたのことをさぞネタにするでしょうね。」

「いやぁぁぁぁ。」

若葉は悲鳴を上げた。


日が昇りビルの窓に光が反射する。

その光景を窓から見ていた若葉はスマホに向かって祈りを捧げ始めた。

「何をしているのですか?」

詩織が当然の問いかけをする。

「何って任務が来ることを祈っているのだよ」

「壊れましたか。」

あの後若葉は徹夜で宿題を終わらせたため目の下にはくまが出来ていた。

さらに…

「若葉、あなたお風呂入りました?」

「ナニソレオイシイノ?」

髪はボサボサでさらには風呂にも入っていなかった若葉に対して詩織はため息をついた。

GOSTの隊員の中には多くの任務をこなし、自分の生活を犠牲にする者もいたりする。

若葉のように。


湯船につかりながら若葉自分の体についた傷を見ていた。

「えっと…、これはあの時に縫った傷で、こっちが…」

一つの腹の刺し傷を見て若葉は言葉を止めた。

それは、若葉が初めて負った傷であった。

風呂から上がると若葉と詩織、両方ののスマホに一件の通知が入った。

仕事だ。

「よかったですね。」

詩織が若葉に目をやる。

「よっしゃぁぁ」

と、叫んでいた。

「これから人を殺しに行く人とは思えない反応ですね。」

詩織は冷たい目線を送る。

「まぁまぁ、とにかくとっとと任務を終わらせて家でゆっくりするぞー おー」

そう言うと若葉はスマホで欠席の連絡をいれた。

「ところで若葉」

「何、詩織?」

ご機嫌な様子で若葉は詩織に尋ねる。

「あなたが徹夜して完成させた英語の宿題、どうするのですか?」

「へ?」

若葉はその言葉の意味をの直ぐさま理解し、そして絶望した。

「徹夜した努力がぁぁぁ」










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