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4.大地の国


 俺が住んでいる国は海はなく、山もないことから「大地の国」という名前になっていて、その国は大まかに4つの町から成り立っている。東の町、西の町、北の町、南の町の4つである。俺はその中の西の町に住んでいる。


 この世界では言語は会話が可能な種族すべてが共通語を話す。そして、金の単位は地球の日本円と同じ価値でEと呼ばれている。


 そのおかげで、買い物をする際の算術は困らなかった。大地の国では大金を持つ貴族と商人のみが様々な知識を学べる学校が存在するために金銭に余裕がない平民である俺は通えない。そのためにお金の価値が同じなのは、学を学べない俺にとってこれから生きていく上で大きなアドバンテージだ。ただはじめてのおつかいをしたときに学んでもいない計算をしたせいで母さんに根掘り葉掘り興奮気味に聞かれたことは肝が冷えたが…。

 

 西の町は別名、魔獣の町といわれており、大規模な森が近いがためにその森を住処にしている魔獣たちがよく被害を生じさせていることからそういわれている。殺伐としていることから治安が悪いと思われるがちだが、魔獣の被害が多い代わりに屈強で身なりがしっかりとしている冒険者が集まりやすいのと治安を守る騎士達が多く配置されているために犯罪等の被害はあまりないというもの西の町の特徴の一つである。因みに、大地の国で一番治安が悪いのは、西の反対側である東の町である。西で流れてきた生活困難者が東の町に移住し金銭目的で犯罪に手を染めるということがよくあるらしい。そのために東の町は、自警団や騎士等配置はされているが間に合わないことからために、別名掃き溜め場といわれている。

 

 俺の母さんことアリアンナは魔法を得意とする冒険者である。ある日、仕事が休みの日に魔法がどういうものなのか聞いてみた。


「魔法には、5種類の魔法からなっていて、火の魔法、水の魔法、土の魔法、風の魔法、回復や肉体強化等の4つ以外の種類は未知数なものが多いため、すべて系統外魔法の枠にくくられているわ。そして、それらを使うには使う本人にその魔法の適性があるかどうか7歳の誕生日に貴族、平民問わず教会で調べることが出来るの。適性がない魔法を使おうとしたら体内で暴発して大変なことになるから7歳まで使わないようにしてね。適性については普通は1つあるかないかなのだけれど、たまに2つ以上の適性を持った人がいるの。お父さんは、系統外魔法に適性があったけれどあまり強い方ではなくて、悩んだ挙句剣術を磨いてきたのよ。お母さんは、火と水、風、回復の系統外魔法の運よく4つの適性があって、いろんな人から疎まれていたわ。まぁ、そのせいでいじめられてたところにお父さんが剣で助けてくれてそれがかっこよくて…うふふっ…っと話がそれたわね。えーと、イアンのおしめとかは水と系統外の魔法を組み合わせてきれいにしてたのよ。また、魔法を使う者にも2種類あるの。これも生まれながらの才能によるのだけれどね。まずは、一般的な使い方である魔法の元になる道具、つまりは魔石といわれる魔獣からとれる石を杖などに埋め込んでそこから自分の体に通して魔法を行使するの。これらを俗に魔法使いといわれる人たちね。だけど、極たまに私のように杖を使わないで周囲の魔力から魔法を行使することが出来るような人がいるの。こういう人たちは、魔術師といわれているわ。その割合は9:1って感じで、圧倒的に魔術師が少ないわ。なぜ魔法に適性がある魔法使いが周囲の魔力を操れないかはいまだにわかってないわ。協会側も適正だけ判別できるだけで、魔法使いと魔術師の違いまでは判別できないから懸賞付きの問題とされているわ。便利なのにねぇ…」

と説明してくれた。


この話を聞いた俺はSF映画のようなことが出来るのではと期待に胸が膨らんでいた。

表情には出さなかったが、ひそかにSF魂に火が付いていた。


 俺の父さんことデオンは、剣一筋でCランク冒険者に成りあがった冒険者である。この世界には魔法が発展しているせいか、剣士はあまり評価されておらず魔法を行使する者たちの盾役として軽視されることが多い。また魔法適正がないからその道に進む人が多いために欠陥者と呼ばれることも少なくない。それが原因で魔法使いと剣士の仲は最悪であり、冒険者の中でも両親のパーティーは珍しく貴重な戦力だとか…。そんな不遇にも負けず剣士を続けている父さんに剣術について聞いてみた。


「うん?剣術について聞きたい?4歳から剣士を目指すのはまだ早いぞ。でもまぁ、父の背中を見て育つっていうし…よし!いいぞ。まずは、剣術には魔法と同じように大まかに4種類の流派から分類されているんだ。1つ目は、水流といいこれは最も基本的な流派で初心者ならだれでも通る道だ。水流は、攻撃と防御をバランス良く組み込まれているのが特徴で、誰が相手でも自分の実力が発揮できるというのが強みだ。ただ、決め手に欠けるせいで中々目立つことはないのがマイナスだな。父さんもここから剣士の道が始まったなぁ。っと、2つ目は、火流っていう流派で、一点集中の攻撃性に特化した型だ。防御を捨てた捨て身の技で敵の防御を崩して蹂躙するのが火流の強みだな。まぁ欠点は、聞いての通りこれを極めるとしても防御を捨てている分命の危険が伴い、道半ばで死んでしまうことが多い危険な流派だ。3つ目は、土の流派でこれは火流とは違い攻撃を捨て防御を極めた型だ。これは、防御をし敵が見せた隙に奇襲するというのが強みと聞くが、大抵の人は防御力の高さから防御ををするときのみに使い攻撃に転じる際にはほかの流派の剣術を使うっていう風に使い分けているかな。俺もその1人なんだが、これのみを極める人なんてあんまり聞いたことないなぁ。で、最後のやつは、風流でこれは、土流よりも人気がなくて使う人をあんまり見ないから父さんも詳しくは教えられないが、噂では剣士ではなく踊り子のような型だって言われている。強さも需要性も不明なせいで教わりたい人も教える人もいないのが特徴とされている変わりものの流派だな。因みに父さんはこれの、火流と土流を掛け合わせていつも戦っているかな。この組み合わせが主流だからイアンにもお勧めだぞ。」

と自慢げに説明してくれた。


なるほど、目指すならはSF映画で緑の戦士のマスターの戦い方が似てそうな風流かな。不安要素満々だけど…ワクワクするな!

と心躍らせながら聞いていた。


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