表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

3.ウォーカー家の日常


 俺の両親は母さんは俺の産休で休んでいたが基本的に共働きであり、職業は冒険者というものである。冒険者とは、国民が暮らしているうえで支障が発生した場合にこれを冒険者を統括している場所である冒険者組合に解決してほしい内容や報奨金等を相談し、冒険者が解決すべき事項と判断した場合、組合側で報酬やランクを決定し、冒険者の集会所にて公表される。ランクとは、冒険者を職業にしている場合A~Fまでの資格を有することを義務付けられ、Aに近づくほどに優秀な人材ということを証明できる格付けである。


 話を戻すが、冒険者の集会所に公表された依頼を冒険者は自分のランク以下の依頼を受けることができる。その際に依頼を無事解決した場合には、報酬は依頼人から支払われ、その報酬の2割が仲介手数料として冒険者組合に支払われることになっている。冒険者は報酬の8割を得て生活している。そして、冒険者ランクを上げるためには依頼の数とその依頼の成功率、普段活動している人数、定期的に行われている試験等を組合側が検討し、ランクを上げるか下げるかしている。ランクはAに近づくほどに成功報酬額は多くなり、冒険者たちは日々依頼にまい進している。ただ、B以上のランクに上がると依頼者側から指名される仕事も出てくる場合がある。


 因みに、俺の両親がこの収入が安定しない仕事をしているのは、冒険者の仕事をする際に資格さえあれば誰でも受注することが出来るため身分証明の必要がなく、逆に求められても犯罪者でない限り組合側で保護されるために両親にはもってこいの仕事だった。駆け落ちで身分を隠しておきたい両親はお金がなく困り果てた末たどり着いた天職であったのだ。幸いにも、母さんは魔法が使え、父さんは剣術が使えたために2人のみでもバランスが良く、冒険者ランクはCという結構上の位置に属している。実際にはB以上に行ける実績と実力を持ってはいたが、指名依頼をされることで今の平穏が崩れ枯れかねないと危惧し上げていないとのことだ。


 冒険者の具体的な仕事は、大きく分けて2通りある。1つ目は、国民の生活を脅かしている魔獣の討伐である。魔獣とは、オオカミやクマ、サメ等といった地球に存在した肉食動物から、ユニコーンやワイバーン、クラーケン、ドラゴン等といった伝説上であった生物が含まれている。これらに共通してることは、どれも話し合うことが出来ず、出会うと襲われ、体内に魔石という石があるといったことが挙げられる。魔獣は肉を求めて人などの種族が集まる、つまりは国を襲いに来るということはよくある話だ。


 そして、2つ目は国外への外出時の護衛である。国と国とは、鎖国しているわけではなく貿易をしている。その際に商品を輸出入する商人は国外に出ることになる。国外は一応道が作られているが決して安全とは言い難く、魔獣が襲ってくる危険性があるためにどうしても護衛が必要になってくる。その商人と商品を守る仕事を冒険者は請け負っている。他にも、人手が必要な時の数合わせとかにも呼ばれる等あるが基本的にはこの2つである。


 俺の両親である、デオンとアリアンアは普段は2人でパーティーを組んで冒険者の仕事をしている。主な仕事は、魔獣の討伐である。ただ4歳の子供である俺がいるために国を離れるような護衛の仕事は受けないようにしているようだ。たまに、報酬額が美味しい護衛の仕事をデオン1人で違う冒険者とともに受けて家を数週間帰らないこともある。討伐はF~Eといった簡単な仕事なら1日で終えることが出来るためにアリアンナはデオンがいない間受けている。


 俺は2人の帰りを待ちながら冒険者を目指して日々体を鍛えている。基本的には朝のランニングに始まり、昼から腹筋や腕立て等の筋トレ、夕方に家でのストレッチで終える。つまらない日常であるが玩具も勉強道具もないので他にやることがないのだ。家にいるだけでも腐るだけだし、せっかく転生してのでまだ見ぬ世界を堪能したいし、すぐに死にたくないので観光しつつ基礎的な体を作る効率的な生活を送っているのである。たまにデオンかアリアンナが休みの時に魔法や剣術のことを習うこともあるが、4歳児にはまだ早いらしく真剣には教えてくれない。他の子供を見てみると、広場で何人か集まってみんなで走り回ったりしている。初めはその輪に入ってはしゃいでみたが精神年齢が離れているせいか中々馴染めずに次第に筋トレにまい進する日々に戻るということになっていった。


決してコミュニケーション能力が欠けていた訳ではない…決して…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ