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1.プロローグ


 ある日普通の会社員である俺は、仕事の帰りに家に帰るといつも彼女が温かく迎えてくれるはずだった、がその日だけは居間の椅子に座っていつになく真剣な顔で開口一番開いた言葉は人生一番の衝撃を与えた。その言葉は、「いつから浮気していたの?」と…

これまで、自分は彼女と付き合いだしてきてから5年間誠実に彼女と接してきた、離れたくないからこそ、本気であるからこそ、共に生きていく覚悟があることがあるからこそ、就職で一人暮らしをする際に同居を提案した。だからこそ、彼女の言葉には理解が出来なかった。

 動揺しつつも慎重に話を聞くと俺の仕事先の新しくできた女性の後輩と親睦会で一緒に飲みに行ったところを彼女の友達が勘違いをし、間違った解釈を誇張して彼女に報告したのが今回の騒動の原因であった。しかし、その原因追及が出来るほど余裕もなく、訳が分からないままただありもない罪に否定や弁解した。


「そんな事実は存在しない」

「仮にもそう思わせてしまったのは、こちらの落ち度だ申し訳ないが全くの事実無根だ」


など話したが、彼女は、その言葉に耳を課すこともなく涙を流しながら「もういい!」と家を飛び出した。急展開過ぎて自分でも正確に状況判断できないまま彼女が出でいったので、そのまま追いかけることしかできなかった。

 彼女は信号に目もくれず走っていくのが見えて、トラックが彼女をかなりのスピードでとらえていた。俺は、止まらないトラックに動揺している彼女に無我夢中で追いつきそのまま突き飛ばした。間に合えた喜びを感じる前に体中から衝撃が走る。どうやらトラックがブレーキ間に合わずに自分をはねた瞬間だったらしい。自分の体が5メートル以上吹っ飛ばされ硬いコンクリートにたたきつけられた。体から不思議と痛みは感じられず、意識が遠のいてくことだけが感じられる。遠くから彼女の声が聞こえてくる。何を喋っているのか理解できなかったが声色からして無事だったようだ。


それにしても、俺のことよりも友達のことを信頼されたのは流石に傷ついたな…こうなるなら、恋愛よりも趣味に力を注げばよかったな…生まれ変わったら、俺が好きだったSF映画に時間を注ぎたい…なぁ…

そこで、意識が完全に途切れた。



う、うん…眩しいな

気が付くと視界がはっきりとしないが何やら明るいことが感じられた。状況が分からずにいると産婆さんらしき人が顔をのぞかせる。


「(あら、可愛い!元気な男の子ですよ!)」


と意味が分からない言葉で歓声を上げる。

ここはどこなのか?を尋ねようともなぜか泣き声しか出せない。女性の前で泣くのは恥ずかしいが、何を話そうとしても泣き声にしかならない。顔を動かそうとしても何故か首が動かない。状況が分からないまま、歓声を上げた女性に軽々と運ばれてどこかに置かれていく。そこで自分よりも女性の方がはるかに大きいことが感じられた。

おかしい!仮にも成人している俺が女性よりもはるかに小さいなんて…んっ?

相変わらず、何も見えないままだが女性に置かれた場所が心地よく眠くなってきた。次第に思考が出来なくなりそのまま眠りにつく。

次に気が付くと急激な空腹に襲われた。何か食べ物が欲しくて声を発そうとするが泣き声しか出てこなかった。泣き声を聞きつけたのか焦った女性の声が聞こえてくる。


「(あらら、泣き出しちゃった。どうしたのかしら?おしめは変えたばかりだからお腹すいたのね。)」


と歓声を上げた女性とは別の女性の声が聞こえてくる。

だめだ、泣き止めることが出来ない。…恥ずかしいな。

と考えていると、口元に何かがあてられる。空腹にあらがえず思わず、それをかぶりつくが、噛み切れずに液体が放出される。何の液体か分からないがどことなく懐かしい味がし夢中で飲んでしまう。

何かは分からないがうまい!

正体が分からないままお腹一杯に飲んだところで、満足しそのまま意識を失う。

その繰り返しが何度も行われ段々思ってきたことがある。


これ……転生してないか?

と…。



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