表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/17

あなたに会えて幸せ…

その後清原里見は出社することは無かった。


鷲尾賢一も当然解雇され二度と私の前に現れることは無かった。


真人『昌代さん…僕のせいでたくさんあなたを苦しませてしまった。そして、僕の人選がどれほど間違っていたかも思い知らされました。

こんなことで世の中の傷付いた人達を守ってあげたいなんて自惚れもいいとこでした…

やはり職員を選ぶ時はしっかり見極めなくてはいけませんね。』


彼は最初からやり直すことになった。

一番大事なのは、人の心をしっかりと思いやれること…それが何より優先すべきことなのだと再認識したようだ。


みんながみんな彼のように純粋じゃない…人の心は醜い…


それでも真実の愛も確実にこの世には存在している…


人の心の裏なんて簡単には知ることは出来ない。


もし、本当の愛を手に入れられることが出来たのなら…それがその人にとって掛け替えの無い幸せなんだ。


人は愛無しには生きていくことは出来ない。


愛情無しには生きていくことは出来ない。


何度も何度も死のうと思ったけど、その苦しみを耐え抜いた先にこれほどまでに幸せな時間が訪れたことに感謝している。


もうこれ以上何も望むものはない…


お母さん…やっと幸せになれたよ…私を産んでくれてありがとう…


そして…あの時助けてくれてありがとう…



それから私は毎日彼と二人で幸せな日々を過ごした。



今度こそこの幸せが永遠でありますように…



それから一年ほどかけて彼は本当に必要な人材を厳選して新たに新規事業の計画を立て直した。


着々と計画は順調に進み、私も会社に出社して私の出来ることを手伝った。



あと少しで新規事業は始まろうとしていたある日…



一人の少年が彼を訪れた。


その少年は年齢18歳、真人さんの新規事業のスタッフとして加わりたいと申し出てきた。


その動機は自分の母親が家を出てホームレスになっているという噂を聞いたという。


その母親を探す為にもこの会社の一員として働き救ってあげたいというのだ。


どんな事情があって子供を捨てホームレスに落ちたのかはわからないが、世の中には人知れず陰で日の目を見ることが出来ない人達がたくさんいるのだろうと私は思った。


彼はその少年の力になりたいという思いもあって快く受け入れた。


その少年は実に勉強熱心で真面目でよく働いた。


そんな少年、名は森田と名乗っていたが私と二人でホームセンターにお遣いを頼まれ歩いて向かっていた。


私と少年は横断歩道で信号待ちをしていた。


少年が…


『あっ!お母さん!お母さん!』


そう叫んで反対側の歩道に走って渡ろうとした。


信号はまだ赤だった。


私は咄嗟に彼の腕を掴んで引きずり戻した。


その瞬間私はバランスを崩し…道路に倒れてしまった…


私は救急車で搬送された。


少年は助かったが私は普通乗用車にはねられた。


彼はその報せを聞きすぐに私の元まで駆けつけてくれた。


彼は必死に私に話しかけてる…


真人『昌代さん!昌代さん!しっかりして!昌代さん!

あなたにはまだまだやってもらわなくちゃならないことが山ほどある!僕一人では成し遂げられそうにない夢をあなたは支えてくれなくちゃ!』



私はもうろうとした意識の中彼の言葉を聞いていた…


私は彼に最後の力を振り絞って言った。


私『ま…さ…と…さ…ん…あ…り…が…と………う…あ…な…た………に……あ…え…………て………し…あ…わ…せ………』


その先を言う力は私には残って無かった…


真人さん、私は本当に幸せでした。


あなたと会うまでは私は地獄のような日々ばかりで生きる意味もわからずただ虚しい毎日を過ごしてきた…


最後にあなたと暮らした時間は、それまでの私の不幸全てを忘れさせてくれるのに十分過ぎるほどでした。


みんな何気ない日常の中で何気無く暮らしていて本当の幸せを知らないまま死んでいく人も多いだろうに…


私はこの世界中の誰よりも幸せな時間を与えてもらったことでしょう…


短い期間だったけど、逆にそれが当たり前に感じなくて良かったのかもしれませんね…


幸せは当たり前のようにあるものじゃないから…


だから…私はもう悔いはありません…


ありがとう…真人さん…

本作品ホームレスシンデレラはここで完結しましたが、自作を予定している作品に繋がっていくという構想を練っています。その作品はローファンタジーとして考えています。併せて読んで頂けましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ