第5話 買い物に行こう3
「少し早いけど、お昼にしようか?混みだすと面倒だからな」
「あたしは問題ないよ」
「私もだ」
2人の同意も貰えたのでお昼にすることにし、ショッピングモールの中にある1つのレストランを選んだ。
「好きなもの頼んでいいから。てか、文字読めるか?」
「うーん、文字は分からない。絵もあるけどどんな料理かもわかんないや」
「同じメニューがあるわけじゃないか。まぁ、気になるやつがあれば教えて。説明するから」
2人は、あれこれ聞いてきて、最終的にユイはオムライス、サンドラはハンバーグ、浩一はカツカレーを注文した。
「そう言えば、2人ってこの世界に来る前は敵同士だったんだよな?そんなに仲が悪い様に見えないんだけど?」
注文を済まして料理を待っている間、浩一が2人に質問した。
「確かに、魔族と人間族は昔から争っていた。だが憎しみあって殺し合いをしている訳ではなかったんだ」
「そうだよ。ルールがあって、街の人を襲ったり、騙し討ちしてはいけないんだよ。だからあたし達も戦うものとしてお互いをリスペクトしてるんだよ」
「互いに守りたいものがあったから戦うしかなかったが、この世界に来て戦う理由は無くなった。2人とも知らない場所だ。争わず生きて行くのがいいだろう」
「それなら、争いは終らせれないのか?」
浩一の質問に2人は少し黙ってしまったが、程なくして注文した料理がテーブルに届けられた。
「まぁ、これからは2人共一緒に暮らすんだから、少しずつでいいから戦争を終わらせる方法を考えて行けばいいんじゃないかな?料理も来た事だしとりあえず食べよう」
「そうだね、いただきます!...わっ、スッゴイ美味しい!卵がトロトロで中のごはんとピッタリ!」
「ん、このハンバーグと言ったか?肉汁が中から溢れてソースと合うな」
少し空気が重たくなったが丁度いいタイミングで料理が届いたので何とか雰囲気が戻った。
2人は初めて食べる料理に夢中になっていた。
美味しそうに食べる2人を見て少し安心した浩一もカツカレーを食べ始める。
少しピリッとしたルーとサクサクとカツが口の中に広がった。
2人の体は、子供くらいの大きさだが大人の量を食べ切っていた。
「ごちそうさま!オムライスとっても美味しかった!」
「ハンバーグもうまかったぞ」
「そりゃ良かった。それじゃあ次は、日用品の買い出しだな」
3人はレストランを出て次の店舗へ向かった。