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【創作の種その5】物語の設定と傾向

大変お待たせいたしました。え、待ってない!? そんな……!


それはともかく、今回「奴隷」について論じております。不快感をもたれる方はここでお戻りください。

 さて、長らくお待たせしていますが、覚えている方はいらっしゃるでしょうか。今回は、物語の設定と傾向についてお話したいと思います。


 今まで、小説の基礎の基礎から、キャラクター、プロットについてお話してきました。今度は実際に物語の細かいところを作っていく形になるわけですが、やはりここにも落とし穴があるわけです。やりがちなのは、最初に細かいところから作り始めてしまうということ。すなわち、主人公の周囲やヒロインの周囲、能力など、そういった細かいデータを作ってから……という方法。私もそれを行ったことがありますが、私の経験のみで言うならば、どこかで破綻が起きてしまいます。


 大きな世界観から設定していきましょう。どんな地理的な状態なのか、神話等はあるのか、信仰している宗教はどうなっているのか、社会体制はどうなのか、男女の関係性はどうなのか……そういった大きな軸を設定していくことで、矛盾なく物語を構成できるのです。後は理論的な部分ですね。とくに魔法などが出てくるのであれば、理論的裏づけがあるのかないのか。使える使えないはあるのか、など。いってしまえば物語の外側から設定していって、だんだん内側に近づけていくようなイメージです。その中心には主人公がいるわけですからね。


 続いては、少し細かい部分に触れていきます。大きく分けてふたつ。貴族と、奴隷です。


 特に、貴族が出てくるような場合は、社会体制をきちんと設定していかないと、どこかで矛盾が出てくる可能性が高いです。これはどちらかというと、宮廷内のお話に通じてきますので、女性向け作品に多いでしょうか。もちろん、男性向けでも貴族はたくさん登場しますから、きちんと設定しておきましょう。


 しかし、貴族制というものは我々にとって縁遠いものです。現代日本において、身分制はないわけですし、ヨーロッパにも一応はないわけです。王族はもちろんいますが、身分によって王を担保されているわけではありません。憲法と血統によって担保されているわけです。ネットで調べてもどれだけ真実味があるかいまいちわからないこともあるでしょう。


 じゃあ、貴族制をわかりやすくするにはどうすれば?

 

 『世界史の教科書』ないし、それに準じた書籍を使いましょう。中世ヨーロッパ風の社会体制も一発、アラブ風も一発、遊牧民族も、中国だって、社会体制も身分構成も書いてあります。どんな事件があったのかだってあります。生じた問題点だって書いてあります。小難しい専門書を買うより前に、教科書ならば大抵のことが載っています。

 「イギリス風」にしたい! 「フランス風にしたい!」と思っているのならば、該当ページを。それで足りないようならば、岩波新書等で出ている概説書をご購入することをお勧めします。「より専門的に!」と仰るならば、中公文庫から出ている「世界の歴史」シリーズをお勧めします。


 奴隷についても、概ね同じことが言えます。「世界史の教科書」を読めばある程度は理解できます。現実世界における実質的な事実については省かせて頂きますが、奴隷も現代日本では認められていません。その是非について論じるとこのエッセイの本分から外れるので、置いておきます。


 奴隷というのは、(現代における)人権が認められていない存在、ないし、財産として扱われる存在です。基本的に奴隷が存在する場合は、大多数が労働力の不足を補うために奴隷とされる──ないし奴隷に落ちるわけです。

 男性向けの小説に出てくるなろう的奴隷というのは、(私が読んだ限りでは)見目麗しい女性が多いです。それの是非ではなく、不足する労働力を補うという意味では奴隷といいづらいものかもしれません。奴隷商というよりは、娼館の方が正しいかもしれません。娼館にも現実世界の吉原よろしくピンキリあるわけですから、女性の奴隷を出す場合は、家事手伝いないし粉挽きなどが現実的でしょう。(ただし、獣人、エルフ等、超常的な能力──身体能力、魔法など──を生まれながらに備えている場合ではこの限りではありません。労働力になりえます)

 

 さて、奴隷についてですが、なろうにおける一般的な奴隷は金で買われ、奴隷商にひどい扱いを受け、そこを主人公が助ける──というような内容が多いですが(*個人調べ)、このひどい扱いを受ける奴隷というのは、恐らくアメリカの黒人奴隷のイメージが強いのだと思われます。大西洋三角形貿易でアメリカにつれてこられ、砂糖やタバコのプランテーションで働かされた人々ですね。このイメージが強いのだと思われます。

 

 ですが、時代と地域により、奴隷はもっと丁重に扱われていた時代もあるわけですね。例えばローマ時代は借金で奴隷になったのであれば、その借金を返せば奴隷から解放されて解放奴隷ないし自由民となることもできました。映画『グラディエーター』に出てくる剣闘士は、コロッセウムで英雄的活躍を続ければ自由民になることもできました。ローマ市民権さえ得れば、「パンと見世物」の配給があった時代です。

 続いて、イスラム圏。一定の期間務めれば奴隷から解放される奴隷や、マムルークといった騎馬戦専用に買われた奴隷──彼らはやがて自身で王朝を建てるほどの力を持つようになりますが──奴隷出身であっても宰相になることができたりと、過度な暴力は禁じられ、イスラム教徒であればある程度の施しを受けられたりと、(奴隷としては)悪くない環境でした。


 これから出てくるなろう主人公は奴隷を不快に思いながら、奴隷を購入するのではなく、奴隷制度そのものの改革を目指すべきだと思うのです。


 さて、話が長くなりましたが。設定そのものにも、物語の傾向が関わってきます。その物語が、気軽に読めるのか、腰をすえて読むのか。軽い文体か、重い文体か。ライトな世界なのか、ヘビーな世界なのか。シリアスか、コメディか。もちろん一辺倒ではいけませんが、そのバランスを考えて設定を構築する必要があります。

 基本ヘビーかつシリアスなのに、前置きなしでコメディに入ったらどうしようもなく物語として浮いてしまいますから、そこの部分を考えて設定と一緒に考えていくことが重要です。


 最後に拙作の場合をあげておきます。


「自領に引きこもりたい貴族と押しかけ系令嬢」……主人公の不幸な生い立ちと復讐心を軸にして恋愛を展開させようとしたが、プロット組みの甘さにより挫折。最終的には女性側に引き摺られる形で恋愛が成立、復讐を完遂してハッピーエンドの予定だった。

 ヘビーではないが、シリアスで、復讐劇(リヴェンジ)の都合上、文体は重く、たまに入る恋愛描写と食事が清涼剤、主人公と部下のやり取りをコミカルにすることで気を抜く……つもりだった。


「Liberty of Life」……非デスゲーム、ログアウト可のVRMMO。明るく、戦闘があっても気楽に読める。個人的な燃えと萌えとその他諸々をごちゃ混ぜ闇鍋。たとえシリアス展開が起きてもゲームの中の出来事です、安心してください……な感じ。


大変長らくお待たせいたしました。ここまでお読みいただきありがとうございます。次回の更新は未定です。今回のように忘れた頃に更新されるかもしれません。それでは次回後書きにてお目にかかりましょう。

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