第48話:篠山さんからのメール
一通り現場での見聞を終えようとした時だった。
喜屋武の携帯がけたたましく鳴る。
着メロが仁義なき戦いのテーマなので、府警本部科捜研からだと判明った。
この喜屋武の着メロを、結城はイマイチ好きになれなかった・・・。
喜屋武は携帯を素早くジャケットの内ポケットから取り出し、
「はい、喜屋武。あっ、昨日はどうも。ええ・・・、そうですか、そんな事が・・・。流石、東クンの推薦だね。了解した。篠山クン、申し訳無いが今の詳細、俺と結城クンの携帯にメールしてもらえるかな。うん、助かる。ありがとう」
結城は携帯を切った喜屋武さんに、
「さっきの電話、科捜研ですよね?」
喜屋武さんはあっけらかんと、
「そっ、科捜研の篠山クンだよ。いやぁ、彼女、仕事早いね。なかなか美人だし、ウチもまだまだ人材不足だし。課に欲しいと思わないかい?」
「そんなモンすかね?たしかに美人ですけど・・・。そうそう、喜屋武さん。何でボクにもメールが・・・?」
刹那、結城と喜屋武の携帯にメール着信を知らせるアラーム音が鳴る。
素早く喜屋武さんはメールを見て、
「理由は簡単だよ。それは、キャサリン捜査官に内容を教えなくちゃならないからさ。結城クン、キミも読んでキミなりの感想を聞かせてくれたまえ」
喜屋武は、またサラサラと英文を書き始めたる。
確かに、喜屋武とボクに送ってもらった方が効率的だ。
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件名:春日さんのPCの解析結果です
内容:喜屋武さん、結城さん。
いつもお世話になります。
科捜研の篠山です。
春日さんのPCの解析が終わりましたので、ご報告致します。
まず、データですが、猫の写真ばかりで事件に関連性はなさそうです。
次に、ブックマーク関連ですが、検索エンジン、猫関係のサイト、それに猫を飼ってる人のブログ等、特にめぼしい物はありません。
また、メール(消却されていた物も復元しました)に関しては、主に二人の人物と定期的にやり取りをしていた様子です。
一人は、大阪府河内長原市の秋元留美。
もう一人は、奈良県吉野郡天河村の碓乃宮朱奈。
秋元には猫の成長記録を送っているので、どうやら猫達の実家?だと思われます。
碓之宮に関しては、文脈から想像するに、するとかなり好意を持っていた様ですね。
もっとも、こちらはまだ会った事は無さそうですけど…。
そして、この碓之宮なる人物、Nekomikoというハンドル・ネームで彼のブログやツイッターにも登場しています。
ご依頼の“簀巻き”は出てきていませんが、この碓之宮とのやり取りで“掻い巻き”という言葉は出てきました。
“巻き”繋がりなので、一応お知らせします。
メール内容や解析結果は、後ほど捜査第十一課に届けておきます。
では、捜査頑張って下さい。
大阪府警本部 科学捜査研究所
篠山亜理紗
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結城はパタンと携帯を閉じ、
「なるほど・・・。喜屋武さん、これは明日にでも聞き取りに行く必要性は有りそうですね。幸い二人とも関西ですし」
喜屋武はニヤリと笑い、
「だねぇ、結城クン。尤も今からキャサリン捜査官とイヴ捜査官が、弁天達から事件当夜に一体何があったかを聞き出せば、全て解決なんだけどね。くすっ」




