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Catalk ~簀巻き殺人事件~  作者: こころ龍之介
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第5話:猫も捜査官!?

「Eve~!(イヴ~!)」

キャサリン捜査官が呼ぶと、プラスチック・ケージの扉が勢いよく開く。

飛び出してきたのは、ツヤツヤとしたシルバーグレーの毛並みを持つ一匹の猫だった。

《えっ、あれってロシアンブルー?》

自宅に猫を預かる様になってから、結城は多少なりとも猫の事を勉強したので、メジャーな種類ぐらいはある程度判る様になっていた。

《ロシブルって、毛並みいいんだよね~。ウチの“弁天”は、恐らく雑種だろーけど、負けてないぞ。あれ?今、俺、ウチの“弁天”って思った?ダメだ、ダメだ、ダメだ。“弁天”はあくまで、預かってるだけだから。おかしい・・・、猫苦手なハズなのに・・・》

結城が我に帰ると、イヴはキャサリン捜査官の左肩の上に器用に乗り、頭を擦り付けながらゴロゴロ喉を鳴らしている。

キャサリンはイヴの喉を右手の人差し指で撫でながら、礼を言った。

勿論、フライト・アテンダントが訳してくれたから、結城は理解(わか)ったのだが・・・。

キャサリン捜査官はジャケットからイヴのIDを出して見せた後、イヴを指差し、

「紹介が遅れたわね。こちらは、私の相棒でアメリカ連邦捜査局のイヴ特別猫捜査官」

直ぐさま、フライト・アテンダントが訳してくれた。

また、習慣が結城を敬礼させる。

信じられないと言った面持ちで、結城は、

《猫も捜査官だったなんて・・・》

イヴの首輪をよく見ると、確かに名前と“FBI”のロゴとマーク。

《うわーっ、本物だ》

結城は驚く。

これにはフライト・アテンダントも驚いた様で、

「まぁ、この猫ちゃん刑事さんなの!?世の中分からないものね」

一番冷静だったのは、喜屋武でペコリと頭を下げると、

「噂はかねがね。“ニューヨーク・セントラルパーク連続殺人事件”や“シカゴ・プロバスケットボール選手誘拐事件”。中でも見事だったのは、“ダラスの悲劇”の再来かと言われた“大統領暗殺未遂事件”・・・。どれもこれも、報告書を読んで感動したものです。今回はわざわざ日本まで来て頂き、感謝いたします。私は今回の事件を担当し、解決の手助けを依頼した大阪府警本部・捜査十一課の喜屋武と申します」

全く英語を使わず、日本語のみで挨拶したのだ。

キャサリン捜査官は、何故かうんうんと頷く。

結城は首を傾げ、

《キャサリン捜査官って、日本語理解出来ないハズだよな?なんで、頷く?しかも、喜屋武さんがこのFBIのコンビを呼び付けたの?前から疑問に思ってたけど、喜屋武さんて一体何者?》

結城の頭の中は、謎や疑問だけがグルグルと渦巻いていったのである。

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