world.28
「ナーシャさん。どうぞこちらにおかけくださいませ」
「あ、どうも」
「失礼ですがナーシャさん。ギルドルールは理解していますか?」
「いやわからないです。教えてくださいな」
「分かりました。では先に登録の方を済ませてしまいましょうか。ちょうどギルドカードができる頃だと思います」
「お願いします」
「では担当のものを呼んで来ますのでしばらくお待ちください」
「はい」
お姉さんがでて行った後すぐに、はじめに会ったお姉さんが台車と、台車に乗せた大きな機械のようなものとともに入ってきた。
「ふぅー。重たかったぁー。さっきぶりナーシャちゃん!」
ボクの手を掴んでブンブンと上下に振る。...すごい指細いな。
「おろ?その胸でホールドしている子と頭に乗っけてる子はペット?」
「いや幻獣召喚です。あとペットじゃなくてこの子達はもう家族同然です」
『きゅい!』
「んー!可愛い!あとで触らして!あ、それでナーシャちゃん。さっきの書類に書いてあったようにこちらで書き込んでおいたんだけどこれで間違いないかな?」
書類には名前と性別、年齢、種族が記入されていた。多分あっている...と思う。
「はい、多分大丈夫です」
用紙をお姉さんに返すと、お姉さんは機械に詰め込んでいく。そんなぐしゃぐしゃで大丈夫か?
そして1分くらい立つとチーンと音がなり、機械からカードらしきものが排出された。
「おっ出来た出来た。それでナーシャちゃんにはここの水晶に血を1.2滴垂らして欲しいんだけど...」
「ち、血ですかぁ...」
「お願い!」
うー...仕方ないなー。刃物っていえば風月くらいしか持ってないのに。あ、どうせなら風月の特殊能力使ってみよ。
「召喚地獄鎌風月!」
黒い瘴気のようなものを出しながら地面からズルズルと出てきました。...うーん禍々しい!
出てきた部位は刃があるちょっと手前くらいの柄の部分まで。これは引き抜けっていうことかな?お姉さんは口を金魚みたいにパクパクしてる。
とりあえず抜いてみましょう!
「えいっ...ありゃ?」
ズリュッ!ザシュッ!
「キャアアアア!!」
思ったより全然軽くて勢い余ってお姉さんのすぐ横の床に深々と刺さっちゃった。
「わぁぁあ!ごめんなさい!」
『きゅう!』
なにしてんねんと頭をバシバシしてくる狐さん。ごめんなさい。
△▼△▼△▼△▼△▼
あの後すっ飛んで来たギルド長にありがたいお言葉を頂戴したあと(1時間くらい...)、改めてギルドカードの登録です。
「それじゃナーシャちゃんここの水晶に血を垂らしてね...鎌だすの禁止!この針で!」
「わかりました...」
そりゃあ急に鎌振り回されたらビビりますよねぇ...。ちょっとちくっとしたけど血を垂らしたらギルドカードにいろいろ文字が浮かんできた。
「ふむふむ...え!なにこの魔法適性の数!ナーシャちゃん凄いね!」
「えへへ」
『『きゅうきゅう』』
もっと褒めて、褒めて!
それに狐sが、どや?凄いやろ?と言わんばかりにないているのが可愛すぎる!
「それに回復魔法まで!」
「全部初級魔法しか覚えていないけどね...」
「それでもこんなに魔法適性がある方は初めて見ました。それに神官系職じゃないのに回復魔法を覚えているのは珍しいよお」
「そうなんだ」
「はい。それにこんな重い大鎌をもてる戦士系の方も少ないと思いますよ。素質があればスクロールを使用すると回復魔法を覚えられますがそのヒールの魔道書を誰かが買い占めてるようで世の中にで回っている
魔道書が少ないのも理由の一つですね。
それでどんどん回復魔法の使い手は少なくなっているので、今はライトグレンツェン神聖帝国や学びの国レティシアから流れてくる神官の方くらいしか使えないのが現状ですね」
「...意外と大変ですね」
「そうだよー?たいへんだよー?」
なんかこの人が言うと困ってないように感じる。
「とりあえずこれでナーシャちゃんのギルド登録は終了だよ。はい。ナーシャちゃんのギルドカードだよ。
それとそのギルドカードには現在の自己ステータスがかきこまれていて、そのステータスに隠したいものがあれば水晶に触れて隠蔽ととなえて隠したい場所を思うとその箇所を隠せますよ」
「へえー。んー...でもまぁ別にいいや」
「それではギルドの説明に移らせてもらってよろしいですか?」
「お願いします」
「ギルドは、クエストボードに貼ってある依頼を解決することで報酬がもらえます。
依頼人は様々で一般市民からの場合もありますし、商人や貴族、王族からも依頼されることがあります。それからギルドからの直接指名の場合もあります。
基本的に依頼を受ける受けないは各個人の自由ですが、クエストを受けて失敗や、破棄をすると手付け金がある依頼だと手付け金を没収されてしまいます。上からSSSランク、下はFランクまで。最初はFランクからのスタートになんですが、ナーシャちゃんは推薦状があったので、Dから始まることになります。ランクを上げるためにはギルドの試験や、一定の成功数、またはギルドに貢献したりするとランクがあがります。
試験に合格すれば明日からでもEランクになることも可能でDランクからはギルドの査定で試験を挑むにふさわしいか決めます。
行っておくことはこれくらいかな?
...ああ!それと魔物を討伐するクエストの場合、ギルドカードに討伐数が記録されるので、あとドロップアイテムはギルドで買取をしているよ。たとえばスライムなら核とか。護衛を完了した際には依頼人から直接依頼書にサインしていただいてギルドに持ち込んでいただければ報酬を受け取れるよ。言うことはこれくらいかな?」
「うん。だいたい分かった。ほかに分からないことが出てきたらまたききにきてもいいですか?」
「もちろんだよ!...あ、そうそう個人ギルドどこかはいりたいところある?なければお姉さんが適当に推薦してあげるけど」
「うーん。そうですねぇ...あ!月光ってギルドありますか?」
「ギルド月光...うんあるよ。ここでいいの?」
「はい。お願いします」
「あ、ちょうどこのギルドのマスターがここに来ているみたいだから呼んでくるね!」
おお。これは好都合デェス




