現在13
『あの暗号…実は僕が作ったんだ…』
『どういうこと…』
『簡単に説明するね。君は計画通り、罠にはまったんだよ』
『!?』
驚いた表情を見せる椎名。
そう、これは全て僕のシナリオ通り。
『僕は、そもそも神埼伸一ではない。と、言ったら??』
『まさか…そんなはずは…!』
『驚くのは無理はないよね。君は【マリア】の命令で、僕を追いかけていたのだから』
『何故そのことを…!?』
動揺する椎名。
無理もない、彼女にしてみれば状況が滅茶苦茶で理解できないのであろう。
『椎名グループが【マリア】の製造に一枚噛んでるのは知っているからね』
『僕が【マリア】に頼まれて、調査していたのさ。君のことをね』
『…いつから知っていたの?』
『君が僕を調べていたのと同時期、正確に言えば入学前からかな』
『…まだ状況が把握できないわ。【マリア】は私を裏切ったの?』
椎名にとって、【マリア】は少なくても絶対的な味方だったはずである。
それが、今状況が一変している。
『まあ…裏切ったのは君たちだよね?誰が合成麻薬売れなんて言った?』
『たくさんの人が苦しんでいるんだ。もちろん君の妹もね…!!』
その言葉を聞いて、椎名は泣いていた…。