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偽りの招待  作者: Than Nen
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『そうね…とりあえず、【NG】について聞きたいわ』


『…そうだね。とりあえず僕の知っている情報を教えようか』



そう一言言うと、ポケットから電子タバコを取り出す。


フィルターを口に当て、スッと息を吸う。


すと突然彼女が言葉を発する。



『…ねえ神崎君、今口にくわえているのは何味なのかしら??』


『ああ、これは…』



フィルターに書かれている文字を確認して、彼女に伝える。



『これはフルーツ味だね。それがどうかしたかい??』


『いえ…、深い意味はないわ。ただ気になっただけよ…』


『そう??なら話を始めようか』



その瞬間彼女の目が一瞬細くなったのを見逃さなかった。



(ああ、なるほどね…)



そう自分で納得すると、僕は話を始めた。



『まずは【NG】の幹部について話そうか』


『ええ、お願いするわ』


『幹部は僕の知っている限り、4人いる』

『1人目は大須蓮冶(おおすれんじ)

『こいつが【NG】を表で実質的に動かしている。まあ創設者だしね』

『そして2人目がヤマト。こいつが裏で【NG】を動かしていると…言われている』


『言われている??』


『そう、ヤマトは表舞台に立たない。こいつの情報は殆ど表世界には出回らないのさ』


『なるほどね…』


『それがかなり厄介でね…。今ヤマトはどんな事をしているのか、どんな人相なのか、さっぱり分からないんだ』

『それよりも厄介なのが3人目のキリヤと言われている人物』

『まず、男なのか女なのかもさえ分からない。ただ、【NG】の幹部ということしか分かってない』


『何故、神崎君はそのキリヤという人物が幹部だと言うことを知り得たの??』



そう、何故情報が何もない人物が居ることを知り得たのか…。


この疑問はどんな人間でも抱くであろう。


しかし、この質問に答えるのは少し慎重にならなければいけない。


まずは彼女、椎名と言う人物が未だに不審な点があること。


もう一つはこれを知った経緯を言いたくないからだ。



『それは企業秘密さ…』


『なるほどね…。お互いまだ信用に足りる関係ではないと言うことね…』



彼女は不敵に微笑んだ。


そしてお互いに信用に足りる関係ではないという言葉。


これは私もまだ信用していないと言う意味であろう。



『まあそんな所さ。3人目の話は以上と言う事で問題ないかい??』


『ええ、問題ないわ』


『最後に4人目、この人物が【NG】のリーダーだと言われている…』


『リーダー??と言うことは、他の3人はあくまでも幹部だと言うこと??』


『ああ、たぶんね。僕が抜けてから色々あったのだろう。憶測だけど、大須やヤマト、キリヤはこの4人目の人物の片腕ということになるんじゃないかな??』


『…イマイチ【NG】の内部事情が掴めないわね…』


『まあ、ここまで調べるにも相当なエネルギーを使ったんだけどね』



苦笑しながらそう話す。


今言ったことは全て本当のことだ。


勿論、他に隠していることはある。


しかしそれは現時点でいう事ではないだろう…。



『ちなみにその4人目の名前は分かっているの??』



彼女のその問いに、少し間を空けてから答えた。



『…名前は、マリア』


『!?』



僕の発した言葉に、場は緊張に包まれた。

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