表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの招待  作者: Than Nen
出会い
2/37

屋上2

翌日。


僕はまた昨日と同じ時間に、授業をサボリ屋上に来た。


何故??


決まっている。


彼女と会話することだ。



昨日は途中で彼女が退場したから言えなかったが、彼女の会話には矛盾している点が何点かある。




『どうしてサボっているの??』




この発言をした後、一度僕に釘を刺し、質問にはこう答えた。




『サボリですか??はい、サボリです!!』




これがおかしい。


何故サボっているのか??という問いに対して、サボリですか??はい、サボリですなんて答えるだろうか??


一般の学生なら会話の意図を勘違いして、こう答えてしまうことがあるだろう。


しかし、彼女は優秀。


こんな単純な間違いをするだろうか??


それはない。


昨日の一件で彼女の人を疑う能力は身を持って経験している。


となれば、意図的に間違えた答えを出した。


或いは何か他の意図があった。


これだけでは推測しても答えははっきりとでない。



しかし、終盤の会話で彼女はミスを犯した。


今まで一つだけ小さなミスを犯しただけだったのに。


もしもこの終盤の会話が無ければ最初のミスもここまで強く印象に残ることは無かったであろう。



『そんなにサボらないかな』

『今日はなんとなくね』


『僕もそうなんだ。屋上は閉まってたはずだけどどうやって入ったの??』


『それはね…』



そう言うと彼女はポケットから鍵を取り出して、僕のほうに見せてきた。



『合鍵??』


『そう合鍵。屋上の鍵をこっそり盗んで複製したの』



そんなにサボらない彼女が何故屋上の鍵を複製したのか??


そもそも学園の鍵を無断で持ち去ったことがバレたら大問題である。


良くて停学・悪くて退学。


そんなリスクを犯してまで屋上の鍵を複製した理由とは??



そして最初のミス。


サボっている理由を間違えたフリをして、答えなかった。


この二つが導き出すものとは…。



答え合わせの時間が来たようだ。



【ガチャ】



屋上の扉が開く。


風が少し強くなる。


黒い髪をなびかせた女性


2年D組の椎名さんが昨日と同じように僕にに喋りかけてきた。



『ねえ、こんな屋上で何しているの??』



しかし決定的に違うことがある。


それは…



不気味な笑みを浮かべていることだ。



さあ、矛盾には気付いたかしら??とでも言わんばかりに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ