↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの招待  作者: Than Nen
マリア
PR
14/37

マリア5

『君が本物を僕に飲ませるメリットはあるのかい??』


『そうね…、私は【NG】のメンバーで』

『あなたを処刑しにきたとしたら合点は行くかしら??』


『そうだった場合、今までの行動に矛盾が生じるが…』

『全て演技だとしたら、一応筋は通る…』


『ええ。私は【NG】のメンバーよ』



99%嘘だろう。


しかし、残り1%というのは理で詰めるには不可能な領域。


直感や、今までの経験から決断するしかない。


しかしそれは僕が【マリア】を持っていない時の状況だ。


今は僕に【マリア】を飲ませる理由がない。


何故ならば、僕は【マリア】を所持しているから。


彼女にとって最悪の状況なのだろう…。


苦し紛れに出しただけ…というのがほぼ正解だ。



『じゃあ僕の【マリア】を飲んでくれないか??』


『ええ…もちろん』

『けど意外だったわ…』

『あなたは【マリア】を止めたと思っていたんだけどね』


『薬をやっていた人間というのは、簡単に忘れることなんてできないさ…』

『恋人と同じだよ…』


『案外女々しいのね…』

『ちなみに渡したそれは【マリア】ではないわよ』

『飲めばすぐに楽になる劇薬だわ』


『なるほどね…【マリア】だったり、【劇薬】だったり…』

『このビタミン剤は何でも変化するんだね』



その言葉を聞いても彼女は眉一つ上げなかった。


動揺はしていないのか…??


本当に【NG】のメンバーかもしれない。


しかしそれは実態が見えないぐらい薄い確率。


この薄い確率でも、僕は死という現実を意識した。



『もし、あなたが私に渡した【マリア】を引き取るなら飲まなくても良いわよ』


『恐れているのかい…!?』


『勘違いしないで欲しいわね。ただあなたに優位な選択肢を与えただけだわ』


『いや、君は恐れている』

『もしそうなら…』

『君にとって絶望的な状況を語ってみようか!!』


『あら、それは楽しみね』


『まず、君が【NG】のメンバーではなかった場合』

『君の薬が偽物で、僕の【マリア】が本物』

『僕は無傷で、君は薬物に溺れることになる』


『そうね…。確かに、絶望だわ』


『次に君が理想的な状況』

『君が【NG】のメンバーであった場合』

『君の薬が本物で僕の【マリア】が偽物』

『まあ僕の【マリア】は本物でも構わないけどね』

『君は無傷で、僕は短い生涯に幕を閉じることになる』


『ええ、今はその状況よ』

『だからあなたに優位な状況をプレゼントしてあげたのよ』

『私が手を掛けなくても、いずれあなたは始末されるからね』

『私って優しいでしょう??』



クスクスと笑っている。


演技なのかそれとも…。



『いや、僕はその薬を飲むよ』

『もう一つの可能性を信じてね』


『そう…、なら同時に飲みましょうか…』


『ああ、そうだね。もし僕が死んだらクラスの皆にはこう言ってもらえないか??』


『ええ、私の気分がよければね』


『椎名はペテン師だ…皆気をつけろよ!!ってね』



その言葉を言い終えると、二人は一気に薬を飲み込んだ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。