いざ行かん
「コンコンコン」
誰だよ。今サボテン日記かいてるのに、
「はいはい今いきます~」
ドアを開くとギルドマスターがいる。
「ききき、君、王都にまだ向かってないらしいじゃないか、大丈夫なのかね?」
「大丈夫っすよ。任せておいてください」
俺はそれだけ言うと、玄関扉をゆっくり閉めた。
ふむ、昇級試験か、、、そんなのも約束したな。サボテンを眺めていたい気持ちは山々だが、約束したからしょうがないな。
俺は、装備をマジックバッグからだす。うんボロボロだね。まぁけど良く頑張ったよ盗賊の鎧は。
まぁけど、鎧よりスキル【堅力】の方が下手な防具より堅いからいいか。
俺は、明日王都に出向くことを決め冒険者ギルドにクエストを受けに外へ出た。
今日のクエストは【先日の大雨で雷に打たれ突然変異した風狼の変異種雷狼の討伐(金貨1枚)】にした、理由は新しいモンスターに会いたいからだ。
この辺りの魔物は危険度が低く、スライム、風狼、ピッグマン、オークくらいしかいない。
ということで、雷狼の目撃場所である鉱山近くで張り込んでいる。
「バリィィィィン」
「ギャ~」
なんとこの俺、後ろから雷魔法で奇襲された。
さらに電流で硬直している俺に爪で攻撃。しかし、俺のスキル反撃刺で腕を串刺しにする。
しかし、やつは突き刺さった刺を刺さったまま折って、俺から距離をとる。
「ドカン」「バリィィィィン」
次々と雷を落としてくるが、地魔法で全て受け止め、放角で攻撃。
「バシュ」
え?防御力低っく。オークよりも弱いかも。どうやら雷狼は攻撃力全ふりモンスターだったらしい。
俺はカウンターに証拠品を出して金貨1枚を受け取った。
次の日
「行ってきま~す」
「いってらっしゃい。」
俺はサリニアに一言言ってから町を出た。
えーと、クリミス王国とは逆の道だな。
俺は、王都へと出発した。
しばらくして俺が街道を走っていると、呼び止められた。
「今ここ、国で検査中だから通れないよ~」
「何があったんすか」
国が調査するとか非常に気になる。
「ここはヒーリング系の素材の群生地が発見されたんだ。」
「なるほど。では回復属性の魔サボテンってありますかね?」
これが一番気になる。うん、あったとしたらめっちゃほしい。
「あるにはあるけど、無理だよ、まあ明日には入れるけど、残ってないと思うよ。」
しかし俺は待とう。そこに希望があるなら、、、
1日後
どうやら作業が終わったようだ。
昨日俺を呼び止めた人が近づいて来る
そして俺の横を通りすぎた直後
「ドサ」
彼はピンクいろに輝くサボテンを落とした。そして絶対に落としたことをわかっているはずなのに、拾わず去った。
俺は、そのサボテンを拾い、違和感に気付く。メモがはってあったのだ
『上手く稼げよ』
いや、売るわけではないんだけど、、、まあいいか。
とりあえずありがとう交通整備の人。
俺は回復属性の魔サボテン【ヒーリング魔サボテン】を手に入れた。
俺がヒーリング魔サボテンを手に入れて2日目、王都の入り口のに並んでいる。
暇だからヒーリング魔サボテンを愛でるとするか、、、
「わー。助けてくれ~」
誰だよ。
後ろを見ると助けを求め、泣きじゃくりながら馬を走らする商人と、、、
「グギャァァァァァアン」
黄色の鱗と翼、黄色を通り越して白く発光する1本の角を持つ『電竜』が、並走していた。
まずい、今ここには商人しかいない。つまり戦えるのは俺だけ、俺にこんな怪物どうしろと、、、
なんて思ってると馬車がこっちに着き、ドラゴンが俺達の少し前に停止する。
「グ、グググ」
うわ!なんか角めっちゃ光だしたんだけど!
「【土盾】!」
俺が危険を感じ、その場にいる商人達が隠れるよう、ドーム状に魔法を展開し、強度を限界まで高め全魔力を使った。
俺が展開し終えて数秒後、
「「「「「「「「ドガアァァァァァン」」」」」」」」
雷が同時に何発も降り注いできた。
俺の魔法は雷に耐えきったが、所詮そこまで。
俺に魔力は残ってないし、剣術はお世辞にも上手いとは言えないし、分裂体をだしたところで分裂体は俺本体の魔力を使い魔法を行使するから魔法は使えず肉壁になるだけだ。
どうやっても助からない。
「【牙剣】」
俺は今まで一回も使ったことがなく、なおかつ意味のわからないスキルを使う。
しかしそれは、よくわからない生物の牙でできた剣が出現するだけの能力だった。
わんちゃんあるかもと思っていたがマジで正真正銘つんだわ。
俺はその剣を握りしめ、スキル【突進】を使いドラゴンに向かって走る。
「バコン」
簡単に尻尾で弾かれる。
しかし、【超再生】で回復しながら竜の目を狙い【放角】を放つ。この際商人も焦って魔物だなんて気づかないだろうし、【超再生】も回復魔法だと思われてるだろう。
「ガキン」
「はぁ?」
あいつ、目にしっかり当てたのに眼球で弾きやがった。
「バリィィィィン」
「ガハ」
俺はぶっ倒れる
雷が直撃した、、、まずい死ぬかも、、、焼けて【超再生】が上手く発動しない。
「ビリッ、バリバリッ」
え?まだ放つつもり?さすがにこれ以上は死ぬって、、、
突っ伏したままの俺は動けず、若干感電してスキルが発動できない。
見ることしかできないとは、、、
「ビリビリ、バリン」
まずい、ついに、、、
「バリィィィィン」
目を開けると真っ暗だった、、、え?あぁ 、今度こそ地獄か。
俺は這いつくばったまま、少ない魔力で人差し指にろうそく程の火をつける。
ん?これは【土盾】を、ドーム状にしたものの中?
「お待たせ流輝くん」
嘘だろ、、、、俺のことを流輝と呼ぶのは一人だけ、、、
後ろを振り向くと、微笑んだガヴァル先輩とニヤニヤしたダリウスが立っていた。
俺が呆気のとられていると、ダリウスが喋り掛けてくる、
「相変わらず弱いなお前(笑)」
こいつ、やっぱりうざい、、、
なんて思っているとダリウスが電竜に突っ込んでく。
おい、また角が光ってるぞ!
「あいつ角が光ると、、、」
「わかってる。大丈夫だよ【土盾発射】!」
そういうと先輩は土でできた盾を自分の目の前に出してダリウスの頭上に向かって飛ばした。
「ドカァァァァァン」
ダリウスに向かって雷が落ちるが、先輩が飛ばした盾が防ぐ。
そして盾はそのまま飛んでいき、竜の尻尾を切り飛ばした。目ですらあんな強度あったのにすゲェ。
「ウリャアァァァァァ」
あっ、先輩の活躍に見とれてダリウスのこと忘れてた、、、
「ザシュ」
ボトン、俺の目の前に電竜のくびが落ちる。
俺は、強くなった気でいたが上には上がいる。
まぁ俺は強さを求めて旅はしていないのだがな、、、
俺、ガヴァル先輩、ダリウスは久々の再開を果たした。