彼女から妻になった人の幸運
こんなに上手くいくとは思っていなかった。
サッカー部で活躍していた彼にママが作ってくれた蜂蜜レモンやクッキーを差し入れしたり、と細々としたことをしてはいたがそれが決定打になるとは思っていなかった。
「君の家庭的なところに惹かれた。これからも一緒にいて欲しい」
そんな読んでいた少女漫画のような告白に私はうちぬかれた。ああ、この人が私の運命の人だったのね!!そう思った。
だから交際が続いて結婚するのだと思った。実際そうだったが、結婚して一緒に住むようになってから彼は私のことを『うそつき』だというようになった。なんでだろうか。私は嘘なんて一つもついていないのに。
部活の洗濯や掃除に私は参加していない。だってスコア管理や相手チームの分析が主な仕事だったから。差し入れだって私が作っているなんて一言も言っていなかった。「私の差し入れです」とは言ったけど「私が作った差し入れです」なんて一言も言ってない。なのにどうして彼は私のことを家庭的なんだろうと思っていたのだろうか。私からすれば彼が勝手に抱いたイメージなのだから私には関係ないと思うのだが、離婚だと騒がれては勝手にしろとは言えなかった。
どうにか彼が持っている勝手なイメージを直さなくちゃいけない!そう行動に移そうとしたがなんだか体調が悪い。そう言えば最近友達がSNSで体調が悪いと思っていたら妊娠してたみたいなこと投稿してたな、とふと頭によぎった。もしかして私も?と思って妊娠検査薬を買って調べてみた。するとなんと陽性!妊娠していたのだ!!これで離婚しなくて済む!
そう思った私は帰ってきた彼に伝えた。
「妊娠してた!四ヶ月だって!!」
よかったとあなたもそう思うでしょ?
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