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四季と蜜柑と空の色。

未完サイダー

作者: 塩濆け幾等

蜜柑の白いスジって、バカって言うんですね。

氷水に漬ける

赤くにじんだ手の指で

優しく強く撫でる

橙色の太陽を感じるように


皮を剝く

薄赤い外側とは違い

綿色のゆり根のような

ふわふわも削ぎ落す


筋を剥がす

バカな私の煩悩を

バカに構わず詰めて

要らない物はまな板の外へ


房をつまむ

潰さないようにそっと

持ち上げて

手についた汁を舐める


コップに入れる

さっきは潰さないようにと思ったけれど

どうせ粒を包む皮は要らないから

強く絞って掻き混ぜる


炭酸を注ぐ

くるくる周って苦しむ粒たちを

ぱちぱちと痛ませ

歪な氷をひとつふたつ落とす


一気にぐいと呷って

私の勝ちだと

強く照り始めた太陽と乾杯

酸っぱい明日も生きられるように


※お酒は入っておりません。

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