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あなた達を見返して必ず幸せを掴んで見せます  作者: Karamimi
本編

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36/52

ネイサン様と喧嘩をしました

翌日、いつもの様にネイサン様が迎えに来た。そしていつもの様に、貴族学院に向かう。


「ジェシカ、今日はなんだか荷物が多い気がするが、何を持っているのだい?」


「これは図書館で調べた情報を、資料としてまとめたものですわ」


「なるほど、ジェシカは僕との結婚がそんなに楽しみなんだね。君も後半年もすれば、王妃になれるんだ。そうだ、母上に王妃について色々と聞いておくといい。最近は放課後ずっと図書館に行っていただろう?今日は王宮においでよ。君もいずれ王宮に住むのだし」


「…はい、わかりましたわ」


とりあえず、ダスディー侯爵がデータなどは全てまとめてくれると言っていたから、まあいいだろう。


学院に着くと、トイレに行きたいと伝え、ネイサン様から離れた。そして、急いで校舎裏へとむかい、昨日アンネ様と話をした場所に、データを置いた。どうやら既にアンネ様も来ていたらしく、物陰に隠れているアンネ様と目が合った。お互い目で合図をしつつ、私はその場を後にする。


よし、データもきちんと渡せたわ。でも、やっぱり何もしないなんて落ち着かない。一応ネイサン様の映像を録画しておくことにした。


ちなみに私は、自分の胸に映像型録音機を付けている。そうする事で、私目線で録画する事が出来るのだ。


授業が終わると、ネイサン様と一緒に、久しぶりに王宮へと向かう。


客間に案内されると、急にネイサン様が怒りだしたのだ。


「おい、どうして母上が来ていないんだ。僕は母上を呼んでおけと伝えておいただろう」


近くにいたメイドに怒鳴りつけている。


「申し訳ございません。王妃様にお声を掛けたのですが、その…今日は体調が良くない様で…」


きっと私に会いたくないのだろう。あんなに私の顔を見ると、嬉しそうに嫌味を言っていたのに。王妃様は予想以上に小心者の様だ。


「それならどうして早く言わないんだ!このノロマ、グズ!こんな役立たず、今すぐクビにしろ!」


「本当に申し訳ございません」


涙を流し、メイドが必死に謝っている。本当にこの男はクズね…


「ネイサン様、落ち着いて下さい。王妃様が体調が優れないなら、仕方がない事です。それをメイドに怒鳴るのは、お門違いですよ」


いくら何でも、メイドが可哀そうだ。そう思ったのだが…


どうやら虫の居所が悪かった様だ。私をギロリと睨んだネイサン様。


「ジェシカ、僕に意見する気かい?君は確かに僕の婚約者だが、僕は王太子だ。調子に乗るのは止めろ!僕に指図するな」


「いいえ、言わせていただきます。ネイサン様、王族とは、弱い者に寄り添い、民たちの暮らしをより良い方へと導くのが仕事です。決して威張り散らかすのが、王族の姿ではありませんわ!ネイサン様は我が儘すぎます。少しは王族として、相手の気持ちに立って行動する様に心がけたらどうですか?」


私の言葉で、みるみる顔が赤くなるネイサン様。


「うるさい…うるさい、うるさい!僕は気の強い女は大嫌いなんだよ。やっぱり君なんかより、まだカミラの方がましだ!僕に口答えするんじゃない」


そう言うと、私に殴りかかって来たのだ。


「殿下、どうかお止めください。誰か」


私を殴り続けるネイサン様。正直お父様に殴られ慣れている私は、これくらい平気だ。殴りたいなら殴ればいい。この姿、しっかり録画させてもらうまでだ。


「殿下、お止めください」


「離せ、僕は婚約者を教育しているだけだ!離せ」


興奮気味のネイサン様を私から引き離した護衛騎士。そのまま部屋の外に連れ出していった。


「ジェシカ様、私の為に、申し訳ございません。お顔から血が出ておりますわ、すぐに手当てをいたします」


私に駆け寄って来たのは、さっきネイサン様から暴言を受けたメイドだ。


「あなたこそ、ネイサン様から酷い暴言を受けていたわよね。ごめんなさい、私がもっとしっかりしていれば…」


「とんでもございません。私たちメイドは、ネイサン殿下の暴言や暴力は慣れておりますので…」


「慣れている?どういう事なの?」


「いえ…その、殿下はああ見えて、非常に気性が荒いのです。ですから、気に入らないとあの様に…」


なるほど、あの男、メイドたちにも暴言や暴力を振るっているのね。


「話してくれてありがとう。ねえ、あなた、どうかメイドの仕事を辞めないでね。後半年でいいから、我慢して。必ずこの状況を打破するから」


「ジェシカ様…はい、私、ジェシカ様が王宮に輿入れしてくださるのを、心待ちにしておりますわ」


そう言うと、にっこり笑ったメイド。ごめんなさい、私が王宮で暮らすことはないの。でも…あなた達が少しでも働きやすい様、私は全力で動くつもりよ。


その後、ネイサン様が私の元に戻ってくることはなかったので、私も王宮を後にしたのだった。

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