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神帝との契約  作者: レビウス
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5.一抹の不安

今日も更新します!

「いいかっ!お前はゴブリンだ!か弱い子鬼だ!」


朝1番、俺は登園する前にアンドロメダと怒鳴り合っていた。


「貴様...神帝の我輩をあんな下等神生と同じにするとは。

そこまで死にたいかっ!」

「だめだ!これは譲れない。お前はゴブリンに成りきるんだ!」


喧嘩の発端は昨日の夜にある。昨日の夜、アンドロメダは

俺に自分の力について詳しく説明(自慢)してきた。


その辺はどうでも良かったので覚えていないのだが、

その次にアンドロメダが説明したデメリットのことで、今

こうして口喧嘩をしているのだ。


デメリットはというと...どうもアンドロメダは圧倒的な

力を持つ故に力の制御が得意ではないらしい。


「我輩は冬属性の魔法と銀河属性の魔法を心得ておる。

だがどちらとも強力すぎる故に我輩は最小限の力か

最大限の力しか上手く出せぬ」


だそうだ...


つまりは中くらいの力というものが出せないのだ。


だからこいつがもし、最小限の力で倒せない敵に

会ったら、最大限に近い力を出すと言うことになる。


もし、そんなことが起きたら山の3つや4つ崩壊するだけ

では済まないだろう。


それだけならまだしも、もし、都市が全壊するなんてことに

なったら、間違えなく騎士団が動き出す。それだけでなく、

裏の世界の悪人たちもアンドロメダの力を狙って動き出すだろう。


だが、アンドロメダとまともに戦っても勝てない。となると、

狙われるのは契約者の俺ということになる。




「心配はいらぬ。何人動こうと、我輩に勝てる訳がない。

お前は我輩のそばにいる限り安全だ」


アンドロメダはこう言っていたが、アンドロメダのそばにずっと

いるというのも、それはそれで嫌だ。自由がなくなるわけだから。


それで結局たどり着いた結論がアンドロメダの力を隠す、という

ものだった。力を隠すにはアンドロメダをみんなの前に出さなけ

ればいい。


都合の良いことに、人と契約した神生は霊体化といって姿を

消すことができる。


ゴブリンだから、みんなの前では見せたくないとでも

言っておけば、からかわれることはあっても、深く

詮索する者はいないだろう。


生憎、俺は魔法の才能が無い出来損ないで通っているので

誰しもが納得するはずだ。


我ながら完璧な作戦だった....のだが、アンドロメダに我輩の

プライドがどうのこうの言われて、今に至るというわけだ。


「何故だ?我輩と契約したことをお前の友に自慢できるのだぞ?」

「自慢よりも命の方が大切なんだよ」


アンドロメダは理解できないとでも言うような顔をして首を

かしげる。


「そこは昨日我輩が守ってやると言ったではないか」

「だからって絶対安全というわけじゃないだろ」

「絶対安全だと!?そんなものつまらぬではないか」


危険があった方が楽しいと...やばい奴だ....

というかさっき守ってくれるって言ってたじゃないか。


「あぁ!分かった。お前とはとことん合わないな!もう契約解除

してやる!」

「残念だが、シリウス、契約したのは我輩であって主導権も

我輩にある」


なんか...立場逆じゃないですか...?




結局、お前がゴブリンのふりをしなければ俺は学園に行かないと

言ったらようやく言うことを聞いてくれた。


よほど学園が見たかったらしい。


だがその代わりに俺はこれからずっと俺のベッドをアンドロメダ

に貸し与えることになってしまった。


「いつまでだ?」と聞いたら「お前が生きている間はずっとだ」

となんとも傲慢な返事が返ってきた。


早い内にもう1台、ベッドを買って貰おう。


俺は学園に向かう馬車に乗りながらボーとそう考えた。





次話は学園で...

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