14.レイラを救え!
「ナンダ、キサマハ!?」
「うるせぇ!」
俺は目の前のゴブリン達を斬りまくり、レイラの方に進んで行く。
どうやらまだ俺には気づいていないようだ。
「────ファイヤーバレット!」
レイラがそう詠唱すると同時にレイラの指先に小さな炎がやどり、次々と
ゴブリンを焼いていく。しかし、それだけではゴブリンを倒せない。
炎をまとったゴブリン達は執拗にレイラを狙い続ける。
「コロセ!」
一体のゴブリンがレイラに接近し、剣を振り上げた。レイラはまだ剣を抜けていない。
「まずい!」
そう判断した俺はたった一つの氷の剣をそのゴブリンめがけて、投げつけた。
剣は見事、ゴブリンの頭蓋を貫く。
レイラは死を覚悟していたのか目をつぶっていた。剣がない俺は戦えない。
後はレイラ頼みだ。
「レイラ! 目を開けろ!」
俺はゴブリンの攻撃をなんとかかわしながら、レイラに向かって叫ぶ。
「シリウス....?」
良かった。なんとか気づいてくれたようだ。
「助けに来てくれたの....?」
「ああ、まあそんなところだ」
レイラの瞳には涙が潤んでいた。怖かったのだろう。
だが、現実ではこんな感動の救出劇は許されない。会話している間にも、
ゴブリン達は迫ってきていた。
「レイラ、剣を貸してくれないか?」
「わ、分かったわ」
レイラは剣を鞘から抜き俺に投げる。俺はその剣を掴み、そのまま迫っていた
ゴブリンに振り下ろした。
「グハッ」
剣はゴブリンのこん棒を真っ二つにして、そのままゴブリンの体を切り裂く。
俺は心の中で、なんかグロいな....と思っていた。
思えば、殺したのは初めてかもしれない。子供の頃はよく、蟻に水をかけて
水没死させるようなことは、よくやっていたが人型となると話は別だ。
正直、心が痛んだが、今はそれを実感している暇は無かった。
「どけえ!」
俺はゴブリン達を斬り進み、やっとレイラの元へたどり着く。
「魔法は任せたぞ」
「そっちこそ、剣は任せたわね」
お互い背中合わせになり、迫り来るゴブリンを俺はひたすら斬り、レイラは
魔法で倒すことを繰り返す。
ゴブリン達が相手だからかもしれないが、背中合わせは意外と安定して戦えた。
そして、敵のゴブリンは残すところあと一体となった。
「俺たちの勝ちだな」
「ええ、そのようね」
俺たちは自分たちの勝利を確信していた。そして、最後の一体を倒そうと近づいた時、
「ウオオオ!!」
そのゴブリンが叫んだ。急速にそいつの体が大きくなっていく。
そしてその叫びが終わったとき、身長2メートル半はあろうホブゴブリンが俺たち
の前に立っていた。
「嘘....」
「やばいな....」
そして、それと同じ時、そのホブゴブリンよりもさらに一回り大きいゴブリン、
ゴブリンロードがシリウスとレイラに近づいていた。
評価お願いします!! 次話でアンドロメダが活躍する予定です!